ザイマージェンの今【ZY】急落後の立て直しはどうなった?

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2021年8月に70%以上の株価暴落を起こしたザイマージェン(Zymergen Inc / ZY)は、それ以来話題にのぼることも少なくなりました。

今、どのような取り組みを行い、どうやって立て直しを図っているのか、そして技術的問題があるとされた”Hyaline”の製造はどうなったのか、ザイマージェンの現状をまとめました。

2022年7月、ギンコ(DNA)に買収されることが発表されました。

1. ザイマージェンとは

ザイマージェンは、合成生物学とAI・機械学習、データベースを組み合わせて、様々な素材を開発・製造することを目指している企業です。

SDGs・持続可能性に関する議論などでも注目を集めるバイオテクノロジー、合成生物学ですが、ザイマージェンはこのテクノロジーに機械学習アルゴリズムを用いて、分子や微生物の選定を自動化しています。

開発を繰り返すことでデータが蓄積されるので、理論上は製品の市場投入速度もだんだんと加速するとされています。

■ザイマージェンの事業内容や年次決算などはこちらで詳しく紹介しています。

1-1. 2021年8月の大暴落について

IPOしてから数ヶ月が経過した2021年8月、ザイマージェンの株価は急激に下落しました。

この急落の主な理由は、発売間近と見られた製品の販売が見送られたこと、そしてその製品の市場規模が想定より小さかったことです。
更にこれらの問題を受け、CEOが即日退任し、大きな衝撃を与えました。

なお、下落についてはこちらでもう少し詳しく紹介しています。

1-2. 株価の変動

前述した2021年8月の暴落後、株価は一時停滞気味になったものの、時間と共に下降しています。
暴落前は35ドル前後でしたが、現在は約3ドルです。(2022年3月14日時点)

2. 方針転換・改革

2-1. 一部製品の開発中止

2021年11月、決算と同時に、今後の研究開発・運営方針が発表されました。

この方針には、住友化学と共同開発しているZYM0101以外のフィルムプログラムの開発を中止すること、防虫剤ZYM0201等のプログラムを含む、消費者向け商品の開発を中止することが盛り込まれています。

この中止されるフィルムプログラムには、8月の株価暴落のきっかけとなった発売間近の(はずだった)製品Hyalineを含みます。

2-2. 従業員のリストラ

上記のプログラム中止と共に、220人のリストラも発表されました。
こういった施策を行った結果、手元にある現金で2023年半ばまで運営が可能になる見込みだとしています。

2-3. 一部プログラムを選択して注力

ザイマージェンは、今後ヘルスケア市場に注力していくことも宣言しました。
特に”ワクチン用の酵素”、”創薬”の2点に焦点を当てるとしています。

また、農業分野の窒素技術については成功を収め続けているという点、一部の初期段階にあるプログラムを評価している最中だという点も、併せて述べられています。

3. 2022年3月の発表資料について

2022年3月8日に発表された資料によると、2021年通年の売上は15百万ドル~17百万ドル、年末に保有している現金・現金同等物の合計は387百万ドルです。

また、製品パイプラインについては、2022年3月時点で1つがローンチ段階、2つのプログラムが開発段階、3つのプログラムが実現可能性のステージにあるとしています。

なお、この各プログラムの詳細は明記されておらず、プログラム1~5とだけ公表されています。

2022年末には、ローンチ段階の1プログラムはそのままですが、4つのプログラムがパイロット(試験)段階に達し、そして1プログラムが開発段階に進む見込みだとしています。

また、更に新しいプログラムを2つ~4つ開始することも盛り込まれました。

なお取り組み分野としては、農業(窒素など)、撥水性(紙など)、創薬、最先端ポリマー(3Dプリントなど)、酵素(VCEなど)、オートメーション・自動化が紹介されています。

4. まとめ

幅広い分野で事業を行っていくのではないかと見られていたザイマージェン(ZY)ですが、事業の取捨選択を行いました。

特にヘルスケアに関しては、新型コロナ(COVID-19)などの感染症に対する取り組みも行っています。

クロ個人としては、現状、積極的に投資をしたい銘柄ではありませんが、合成生物学は環境保護や利便性向上などに大きな影響を与えるとされ、期待の集まる事業・学問です。
今後も随時情報をチェックしておきたいと思います。

記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。

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