中央集権型(Web2)から分散型のインターネット(Web3)へ移行しようという動きが活発になってきています。
今回は、Web3や関連技術に投資可能な銘柄を米国株を中心に紹介します。
■Web3という概念・技術についてはこちらで詳しく解説しています。
1. Web3と関連するキーワード
Web3とはインターネットの仕組みを変える概念です。
そのため、投資する際のキーワードは「仮想通貨(暗号資産)」「ブロックチェーン」「NFT」「メタバース」といったものが中心となります。
1-1. キーワードとWeb3の関係性
「仮想通貨(暗号資産)」「ブロックチェーン」に関してはWeb3がブロックチェーン技術によって実現されることから、「NFT」「メタバース」はWeb3との親和性が高いと考えられることから、関連の強いキーワードです。
ブロックチェーンを用いたメタバースプラットフォームは既にいくつも登場しており、アバターの乗っ取りが不可能になるなど、独自のメリットも生まれています。
また、NFTは非代替性トークンと呼ばれ、その”もの”が唯一無二であり、代替不可能であることを証明するデータです。
メタバース内でのアバターや土地、アイテムなどをNFT化することで、ユーザーの固有の資産にすることができます。
1-2. 仮想通貨への投資
より直接的に投資したい場合は、仮想通貨も候補の一つとなります。
代表的なものは”イーサリアム(ETH)”ですが、最近では処理速度があまり速くないことや、手数料の高騰などが問題視されています。
そのため、処理速度や手数料の安さで優位な”ソラナ(SOL)”、複数のブロックチェーンを繋ぐ相互運用性を持つ”ポルカドット(DOT)”などのイーサリアムキラーと呼ばれるブロックチェーンプラットフォームも注目を集めています。
2. Web3に関連する米国株
2-1. 「仮想通貨」「ブロックチェーン」
- GPUのエヌビディア(NVDA)
- 仮想通貨のマイニング企業
- ビットコイン支持・Web5提唱のブロック(SQ)
- イーサリアムで実験するクラウドフレア(NET)
- Web3ブラウザのBraveはトークン”BAT”を提供
「仮想通貨(暗号資産)」や「ブロックチェーン」の関連銘柄としては、仮想通貨のマイニング用GPUを提供するエヌビディア(NVDA)、仮想通貨のマイニングを行うクリーンスパーク(CLSK)などが挙げられます。
(仮想通貨のマイニングについてはこちらで複数銘柄を比較しています。)
また、ビットコインを利用した分散型金融(DeFi)などのプラットフォーム開発を進めており、先日はweb5というプロジェクトを発表したブロック(SQ)も関連銘柄の一つですし、クラウドフレア(NET)もWeb3の実験を開始しています。
ビットコインを基盤とするブロックに対し、クラウドフレアはビットコインのエネルギー消費の大きいアルゴリズムに批判的な立場をとっており、より効率的なプルーフ・オブ・ステーク(PoS)というアルゴリズムへ移行するイーサリアムへ投資しています。
特定の企業ではなく、ブロックチェーン技術に幅広く投資したい場合には、ブロックチェーン関連銘柄を集めたETF”BKCH”もあります。
このETFのトップ組み入れ銘柄は仮想通貨の取引所であるコインベース(COIN)で、他にもマイニング企業などが名を連ねています。(2022年6月15日時点)
なお残念ながら、Web3を取り入れた有名なサービスであるNFTコンテンツの大手マーケットプレイス”OpenSea”、Web3のブラウザ”Brave”などはIPOしていません。
OpenSeaは一時IPOを報道されたこともありましたが、これはCFOに否定されています。
ただ、Braveに関してはネイティブトークン”ベーシックアテンショントークン(BAT)”を提供しています。
2-2. 「NFT」「メタバース」
- メタバースに積極的なメタ(META)
- NFT市場拡大の恩恵に期待できるユニティ(U)
- メタバースでユーザー獲得済みのロブロックス(RBLX)
- クリエイターへNFT支援を行うビザ(V)
- 仮想空間プラットフォームを提供するエヌビディア(NVDA)
「NFT」「メタバース」の関連銘柄としては、まずメタ(META)が挙げられます。
フェイスブックからメタへ社名を変更しメタバースに多くの資金を投じるなど、積極的な姿勢を見せており、最近はInstagramへのNFT導入で話題となりました。
また、ゲームエンジンで大きなシェアを持つユニティ・ソフトウェア(U)やメタバースプラットフォームを提供するロブロックス(RBLX)も、メタバース企業としてはもちろん、NFT市場の拡大で恩恵を受けると考えられる企業です。
ただ、ロブロックスは現時点(記事作成時点)ではブロックチェーンやWeb3を取り入れてはおらず、今後の進化に期待したいところです。
仮想通貨・ブロックチェーンの項目でも紹介したエヌビディア(NVDA)も、メタバースにおいて重要な役割を果たす企業です。
メタバースに必要となる高性能のGPU提供に加え、仮想空間オープンプラットフォーム”オムニバース”を提供しています。
■メタバース関連銘柄はこちら↓でもまとめています。
最後に、ここまで挙げてきたメタバース企業とは異なる関連銘柄としてビザ(V)を紹介します。
2022年3月、NFTによる事業拡大を支援するクリエイタープログラムを発表し、今後の展開にも注目が集まっています。
3. まとめ
今回はWeb3やブロックチェーンに投資する際の候補となる銘柄をまとめました。
Web3への投資と一言で言っても、Web3の基盤になる可能性がある仮想通貨そのもの、ブロックチェーンやマイニング、NFT・メタバースのどれに重点を置くかで投資先も変わってきます。
不安定な市場が続いている今だからこそ、市場、各企業の動向をリサーチして準備しておきたいです。
記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。
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