ユニバーサル・エレクトロニクス【UEIC】銘柄分析_多くのデバイスを繋ぐ技術を提供

米国株の年次決算書・銘柄分析
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今回はユニバーサル・エレクトロニクス(Universal Electronics Inc. 略称UEI / UEIC)の決算書(10-K)やニュースについて分析しました。クロの判断は以下の通りです。

  • 安定性(資金繰り)
  • 収益性
  • 経営の効率
  • 成長への期待

それでは見ていきましょう。

1. Universal Electronics Inc.(UEIC)について

1-1. 業種

電子テクノロジー、通信機器、家電

1-2. 事業の概要

UEIは世界最大級のリモコンメーカーで、メーカーを問わず使えるユニバーサルリモコンが代表的です。また、オーディオやテレビ、IoT機器など、数多くのデバイスの自動検出と制御を可能にするソフトウェア”QuickSet”は、全世界で5億5,000万台以上に利用されています。

また、マイクロソフトと共同開発したデジタルアシスタント”nevo.ai”、それを搭載した音声対応スマートホームハブ(スマート家電を一括操作する機器)”Nevo Butler”をはじめ、センサーやサーモスタットなど様々なスマートホーム製品の開発・製造も行っています。

1-3. チャート

UEICの株価チャートはこのようになっています。2016年夏頃に最高値(80ドル)をつけましたが、その後は下落が続きました。
マイクロソフトと共同開発した”nevo.ai”を発表した2019年1月頃から再び上昇に転じたものの、その後も大きな上下を繰り返しています。

2. 決算書(10-K)の分析

2-1. 経営の安全性(資金繰り)

  • 資金繰りは問題なし
  • 自己資本比率は高い
  • キャッシュフローも2年連続で良好

2-1-1. 流動資産・固定資産に関する比率

2021年決算書におけるUEIC貸借バランス

(単位:百万ドル)

貸借バランスは“安定タイプ”です。

流動比率は約180%、当座比率も約110%あり、短期の資金繰りは問題ありませんまた、固定比率も約60%と問題のない数値です。

2-1-2. 資本の比率

自己資本比率は61%良好な数値です。また、近年は借入金の額が減ってきており、過去数年上昇傾向にあります。(ただし、2020年も借入金は発生)

2-1-3. キャッシュフロー

キャッシュフローは、営業活動プラス、投資活動マイナス、財務活動マイナスという”安定タイプ”の組み合わせです。

2018年に広州の工場を売却(広州工場での生産活動は他の工場へ移行)したことで投資活動がプラスになりましたが、2019年、2020年と連続して安定タイプの組み合わせでした。また、フリーキャッシュフローもプラスで安定しています。

2-1-4. 項目まとめ

全体的に安心できる数値です。借入金はあるものの減少してきており、資産の流動性もあるので資金繰りは問題なさそうです。

2-2. 収益性

  • 外国で製造し米国へ輸入するため関税の影響を受ける
  • ここ数年は安定した利益を得られなかった
  • 2020年は利益が増加…ROE平均より下程度・ROA平均程度
  • 一部工場の運用効率向上などは今後の利益にも繋がる

2-2-1. ROE(自己資本利益率)

UEICのROE(自己資本利益率)推移

今期のROEは約12%で、米国平均の16~18%より少々低い数値です。

2017年はコスト増加により赤字、2018年は売上高が減少したものの工場の売却益で黒字、2019年は売上高が753百万ドルへ増加するも米国の関税引き上げにより利益が減少と、なかなか安定した利益を上げられない年が続きました。

2020年は売上高615百万ドルと大きく減少したものの、利益率は上昇しました。その要因には関税費用の削減(米国向け製品の生産拠点の変更)メキシコの製造施設運用効率の向上、技術搭載によるロイヤリティの増加、為替レート上昇などが挙げられます。
また、コロナの影響で工場が閉鎖されたことで、製造コストが減少した工場もありました。

2-2-2. ROA(総資産利益率)

UEICのROA(総資産利益率)推移

ROAもROEと同様の上下をしています。2020年のROAは米国平均程度の数値です。

2-2-3. 項目まとめ

2020年はコロナ感染拡大の影響で売上高が減少しましたが、関税対策がひと段落し、ロイヤリティも増加したことで利益を増加させることができました。
自己資本比率の高さを考えるとROEもそこまで悪くないので、2020年の収益性が維持できれば問題ないでしょう。

2-3. 経営の効率

  • 総資本から見た売上高は最低ラインをクリア
  • 2020年は棚卸資産が削減できた

2-3-1. 各回転率

UEICの総資本回転率、固定資産回転率、棚卸資産回転率

総資本回転率は約1.2回で、ひとまず問題ありません。

また、固定資産回転率は約3.4回棚卸資産回転率は約5.1回です。
売上高が減少しているため全体的に昨年より下がっていますが、棚卸資産が削減できたことで、棚卸資産回転率はほぼ変わらない結果となりました。

2-3-2. 項目まとめ

全体的に良くも悪くもない数値です。

2-4. 成長している・していく企業か

  • コロナの影響で売上高減少
  • 関税対策、ロイヤリティ、為替レートなどで利益は増加
    →一部の要因は今後も影響するもの
  • 売上高研究開発費率は平均程度

2-4-1. 売上高と営業利益

UEICの売上高推移

2020年は大幅に売上高が減少しました。コロナ感染拡大によって一時的に工場が閉鎖されたことや、一部の顧客からの発注数量の減少、一部主要サプライヤーが閉鎖したことなどが要因とされています。
現在は工場の稼働も通常通りに戻っており、来期の需要次第では再び増加する可能性もあります。

UEICの営業利益(損失)推移

2018年の営業利益は広州工場の売却によるものです。
2020年は売上高が減少する中、米国の関税費用の削減、メキシコ工場の運用効率の向上、技術使用に関するロイヤリティ増加、為替レートの上昇、コロナによる工場閉鎖(製造コスト削減)などによって利益が増加しました。
関税費用の削減や工場の運用効率は今後の利益にも良い影響を及ぼすと考えられます。

2-4-2. 研究開発費

2020年の売上高は約615百万ドル、研究開発費は約31百万ドルだったので、売上高研究開発費率は約5%です。
科学技術・学術政策研究所によると※1同程度の従業員数を抱えた米国企業の平均は5.2%とされており、VOXXの売上高研究開発費率は平均~平均以下となります。

なお研究開発費は年々増加しています。

※1出典:文部科学省 科学技術・学術政策研究所 科学技術指標2019

2-4-3. 項目まとめ

2020年は収益性が改善されましたが、売上高の減少が大きい一年でした。
ただ、今後はコロナの収束に伴い、家の中でのエンターテインメントへの需要が屋外のものに移行していく可能性があります。
研究開発費が増加してきており成長の可能性もあるのですが、2021年の売上も厳しい結果となるかもしれません。

2-5. 補足:2021年3月四半期決算

3. まとめ

クロとしては、ユニバーサル・エレクトロニクス(Universal Electronics Inc.)は「成長の可能性もあるが一旦様子を見たい」銘柄だと判断します。

多くの家電やゲーム機などのデバイスで利用されるソフトウェア”QuickSet”は、これからも需要があると考えます。また、デジタルアシスタント、スマートホーム・セキュリティ製品などのテクノロジーにもまだ開発や拡大の余地があります。
ただ、コロナが収束した後は消費者の目が一時的に屋外や多人数でのモノ・コトへ集中する可能性があり、その場合は売上高が伸び悩むと考えられるので、クロはしばらく様子を見たいと思います。

ちなみに記事作成時の直近四半期となる2021年1~3月は、前年同期と比べて売上高・利益ともに増加し、アナリスト予想も上回る結果を出しています。

今回の記事はUniversal Electronics Inc.の決算書及びコーポレートサイトなどを参考に作成しました。少しでもお役に立てたら嬉しいです。
また、記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。

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