ツイッター【TWTR】銘柄分析_短文によるSNS”Twitter”でネイティブ広告を提供

米国株の年次決算書・銘柄分析
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ツイッター(Twitter Inc / TWTR)の決算書(10-K)分析やニュースについてまとめました。クロの判断は以下の通りです。

  • 安定性(資金繰り)
  • 収益性
  • 経営の効率
  • 成長への期待

それでは見ていきましょう。

1. Twitter Inc(TWTR)について

1-1. 業種

SNS(Twitter)、サービス

1-2. 事業の概要

ツイッターは、リアルタイムで短文を発信・やり取りできるSNS”Twitter”を運営しています。

主な収入源は広告で、プロモーションツイート、プロモーションアカウント、プロモーショントレンドの3種類があります。
いずれも通常のツイートなどに溶け込むネイティブの形での広告表示が可能です。

広告主は、ユーザーのフォローしているアカウント、ツイートとのエンゲージメント、プラットフォームでのアクションなど様々な要因によって、広告を表示させるユーザーをターゲティングすることができるようになっています。

また、Twitter上の匿名化されたデータを元にアプリケーションを構築するAPIsなどを、SaaSプラットフォーム(DES。Developer and Enterprise Solutions)で提供しています。

1-3. チャート

ツイッターの株価チャートはこのようになっています。2020年2月頃のコロナ感染拡大によって一時的に下がった後は、約1年間上昇傾向を維持しました。
しかしその後は乱高下しており、2021年9月締めの四半期決算発表以来、下落が続いています。(2021年12月9日時点)

2. 決算書(10-K)の分析

2-1. 経営の安全性(資金繰り)

  • ひとまずの資金繰りは問題なし
  • 自己資本比率は高い
  • キャッシュフロー全体のバランスは良くないが
    営業活動はプラス収支が続く

2-1-1. 流動資産・固定資産に関する比率

2020年決算書におけるTWTR貸借バランス

(単位:百万ドル)

貸借バランスは”安定タイプ”です。

流動比率は約442%、当座比率は約421%と流動資産は十分あります。
固定比率も60%と問題ありません。

2-1-2. 資本の比率

自己資本比率は60%で、かなり高い数値です。

2-1-3. キャッシュフロー

2020年は営業活動がプラス、投資活動がマイナス、財務活動がプラスという組み合わせで、フリーキャッシュフローはマイナスです。

営業活動によるキャッシュフローはプラス収支ですが、法人税に関する調整が2018・2019年とは一転して10億ドルを超えるマイナスとなった(2020年上半期の新型コロナ感染拡大による広告需要の減少を受けて、繰り延べていた税金資産の実現可能性が低いと評価した)ため、事業は赤字です。
ただ、この繰延税金資産の調整は現金支出を伴わないためキャッシュフロー計算で戻入られ、最終的にプラス収支となりました。

投資活動では、満期・売買目的の有価証券の購入と、それらが満期となったことによる収入が大きいです。
また、設備などへの投資もあり、最終的には営業活動によるプラス額を超えるマイナス収支となりました。

財務活動では転換社債の発行による10億ドルの調達が大きく、約2.5億ドルの株式買戻しも行ったものの、最終的にはプラス収支です。

2-1-4. 項目まとめ

ひとまずの資金繰りには問題ありません。

また、2021年第3Q(記事作成時点の最新決算)を見ると、転換社債による資金調達は今年も行われていることや、株主からの訴訟の和解金(一部指標の公表を取りやめ、ユーザーエンゲージメント低下を隠して投資家の判断を誤らせたとして2016年9月に提起されていた)が未払金として残っていることが伺えます。この和解金は2021年第4Qに支払予定です。

2-2. 収益性

  • 2020年は赤字でマイナス
  • ここ数年は法人税調整の影響が大きく
    数値通りの収益性を期待しづらい

2-2-1. ROE(自己資本利益率)

TWTRのROE(自己資本利益率)推移_2020

2020年は前述した法人税の調整によって大きな純損失が発生しました。
また、支払利息も増加しています。

なお2017年、2020年ともに、若干の営業利益(事業そのものからの利益)は発生していました。

2-2-2. ROA(総資産利益率)

TWTRのROA(総資産利益率)推移_2020

ROAもROE同様に上下しています。

2019年のROAが前年より下がっているのは総資産の増加によるものです。

2-2-3. 項目まとめ

近年のROE・ROAからは正確な収益性を計りづらい内容です。

2017年・2020年は赤字で、2018年・2019年は米国平均~平均以上の数値でした。
しかしこのほとんどが法人税に関する調整の影響を大きく受けており(2017年は支払利息の大きさによる赤字)仮に税引前利益を用いて2018年・2019年のROAを計算してみると、3~4%程度となります。

2-3. 経営の効率

  • 総資本回転率がまだまだ低い
  • 在庫の保有は無し

2-3-1. 各回転率

TWTRの総資本回転率、固定資産回転率、棚卸資産回転率_2020

回転率は低いです。
特に総資本回転率は、最低ライン(1回)を大きく下回っています。

事業に直接関係のない短期投資目的の有価証券などを多く保有していることも多少は影響しているでしょうが、これを省いて計算しても約0.5回です。

2-3-2. 項目まとめ

資産の大きさに対して売上がかなり小さい状態です。

2-4. 成長している・していく企業か

  • 売上は増加中だが鈍化気味
  • ただし2021年は更なる成長を見せている
  • アメリカ国内のユーザー数はほぼ頭打ち
  • 売上高研究開発費率は平均の6倍近く

2-4-1. 売上高と営業利益

TWTRの売上高推移_2020

売上は増加が続いていますが伸び率は鈍化しており、2020年は前年比7%の成長に止まりました。

ただ、2021年第3Q(記事作成時点の最新決算)までの9ヶ月間を見ると前年同期比45%成長しています。
2020年は上半期に広告需要が減っていたこともあり、2021年の売上の伸びを強調する結果となっています。

また、以下の3つのグラフは、2021年第3Qまでの四半期ごとのユーザー数(広告を閲覧した、収益につながるユーザー数”mDAU”として公表されている)の推移です。

TWTRのmDAU全体推移_2020

全体のユーザー数は少しずつ増加していますが、最近は伸び率の鈍化がみられます。

TWTRのmDAUアメリカ推移_2020

アメリカ国内のユーザー数はここ2年間近くほとんど変化がありません。

TWTRのmDAUアメリカ以外推移_2020

アメリカ以外の地域では、ユーザー数が増加しています。
全体のユーザー数の成長を牽引しているのはこれらの海外ユーザーのようです。

TWTRの営業利益・損失推移_2020

2017年から営業利益が発生しています。(それ以前は営業損失)
しかし継続的な増加はなく、2020年は一気に減少しました。

2020年の営業利益の減少は原価や各種費用が増加を続けていることが原因です。
具体的には原価となるインフラコストなどの増加、減価償却費の増加、研究開発費(主に人件費)の増加、8月に報道された電話番号・メールアドレスの不正使用に関するFTCへの罰金などが挙げられます。

また、2021年第3Qまでの四半期決算を見てもインフラコストや人件費などの増加が続いており、更に訴訟の和解費用の計上もあったため、6,600万ドルの営業損失(9ヶ月間分)が発生しています。

2-4-2. 研究開発費

2020年の売上高は約3,716.35百万ドル、研究開発費は約873.01百万ドルだったので、売上高研究開発費率は23.5%で、平均の約5.7倍です。(科学技術・学術政策研究所によると※1同程度の従業員規模の平均は4.1%とされている)

※1出典:文部科学省 科学技術・学術政策研究所科学技術指標2019

2-4-3. 項目まとめ

売上は少々鈍化していましたが、2021年に巻き返してきています。
また、2021年第4Qのガイダンスでは売上15億ドル~16億ドルを見込んでいます。(第3Qが記事作成時点の最新決算)

ただ、事業に関する費用は売上とほぼ変わらない金額となっており、一時的要因と考えられる訴訟費用を除いても、多くの利益を生み出せるようになるにはまだ時間がかかりそうです。

3. まとめ

クロとしては、ツイッター(TWTR)の今後の展開に興味はありますが、現時点ではあまり多く保有したい銘柄ではありません。

2021年は売上増加で終わるでしょうが、過去の決算を見ているとその後(2022年以降の売上成長率や安定した黒字化)が気になります。

ただ、2021年第3Qの結果を見ると、iOSのユーザーデータ収集制限などの動きには耐性のあるビジネスモデルかもしれません。
プレスリリースでは、この制限に対して”判断は時期尚早だが、第4Qも今期同様に影響は小さいだろう”という旨の発言もありました。

リリースを見ると技術的な対応ももちろんあるようですが、個人的にはTwitterは他のSNSとは異なり、Twitter内で完結するプロモーションがある点(ユーザーの追跡に依存しない。多くのリツイートを得る=バズることが目的の広告)も優位なのではないかと考えています。

Twitterのサービスは好きですし、スクエア(SQ)も手掛ける創業者ジャック・ドーシー氏からパラグ・アグラワル氏へCEOが変わったタイミングでもあるので、今後も追っていきたい銘柄です。

今回の記事はTwitter Incの決算書及びコーポレートサイトを参考に作成しました。少しでもお役に立てたら嬉しいです。
また、記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。

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