2021年11月6日に、テスラ(Tesla Inc / TSLA)のCEOであるイーロン・マスク氏がTwitterで行った”保有するテスラ株の10%を売却するべきか”というアンケートとその結果を受け、テスラの株価は急落しています。
今回はその経緯と、11月10日の取引開始前(記事作成時点の株価はプレで1,026ドル)の価格が底値といえるのか考察していきます。
■この後のイーロン・マスク氏の株式売却進捗と株価下落をこちらの記事で紹介しています。
1. テスラとCEO
テスラは人気の高いEVメーカーです。
高級車の価格帯ですが、今は供給量を超えるほどの需要があり、工場の新規建設も行っています。
コロナ感染拡大による投資ブームなども相まって2020年夏頃から株価は一気に上昇し、特に最近は先日の四半期決算が非常に好調だったことなどから、とうとう1,000ドルの大台を突破しました。
また、CEOのイーロン・マスク氏も非常に有名な大富豪で、彼自身が広告塔の役割を果たしているとも言えます。
過去にも買収に関するツイートなどで大騒ぎになったことのあるイーロン・マスク氏ですが、今回も株式売却の是非を問うアンケートを行ったことによって、株式市場には動揺が広がっています。
2. なぜ株式売却するのか
Twitterのアンケートでは”売却を支持する”が過半数となり、実際にイーロン・マスク氏が株式を売却すると見られています。
そのため、ここ数日テスラ株は下落を続けています。
(ちなみにこの記事を作成している時点では”売却が完了した”とする報道はまだありません)
なぜ株式売却をイーロン・マスク氏が検討したのかというと、一番多く報道されているのは”ストック・オプションの税金を支払うための現金づくり”という理由です。(過去、ストック・オプションを理由に売却を示唆する発言もあった)
また、イーロン・マスク氏自身がTwitterで行った発言からは”「富裕層が資産に見合う税金を払っていない」という批判に対し、税金を支払うためには株を売るしかないから(現金給与などを受け取っていないため)、株を売って税金を払うことにした”と受け取れます。
他にも”富裕層への増税(保有株の含み益への課税)が実行される前に売却したかったから”、”株価が高いうちに売り抜けたかったから”などと様々な報道が飛び交っています。
2-1. 弟や他の取締役会メンバーも売却?
イーロン・マスク氏がTwitterでアンケートを行う前日、弟で取締役会の一員でもあるキンバル・マスク氏が保有株の約15%を1億ドルで売却したことが報じられています。
また、他の取締役会のメンバー3人も株式売却を申請したと言われており、4人の売却額の合計は10億ドル相当だと見られています。
3. 今が底値なのか?
”テスラ株の底値はいつなのか”という点は、クロ自身も非常に気になります。
記事作成時点の株価はプレで1,026ドルで、個人的には一時的にもう少し下がるかもしれないと考えてはいますが、今日(11月10日)はCPIの発表日でもあるので、その影響もありそうです。
下がりそうだと思う理由は、”ずっと割高だったこと”、”最近は急騰続きだったので株価チャートのサポートラインがないこと”、”他の有望視されているEVメーカーRivianのIPOが控えていること”などです。
また、”イーロン・マスク氏が売却し終えただろう”と囁かれ始めるまでは、緊張して市場を見守る投資家もいるのではないかと思っています。
ただ、一方で、テスラ株を保有したい投資家は多いので、そろそろ買戻しが入ってもおかしくない状況です。
また、比較的短い期間でチャートを見ると、この価格帯(1,000ドル近辺)で少々もんでいた形跡があるので、現在の株価が一つの分岐点だと言えます。
複数株買おうと考えている場合は予定数の一部だけを今購入しておくのも、リスクヘッジの観点からすると良いかもしれません。
4. まとめ
常に注目を集めるテスラとイーロン・マスク氏ですが、今回はテスラ株を買いたいと思っていた投資家にとってはチャンスです。
まだまだ人気は続きそうですし、半導体不足の中でも売上を伸ばした手腕を持つテスラであれば、次回の決算も比較的期待できるのではないかと思っています。
長期で見ると、EVのライバルが出てきている中、高級路線を強気に走るテスラがどこまで独走できるかが気になりますが、ひとまず現時点では株価はまた反発するだろうと期待しています。
■この続報にもなる、イーロン・マスク氏の株式売却進捗と再度の株価下落をまとめた記事も公開しました↓
記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。
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