3月25日(日本時間では25日~26日)の金曜日、ストーン(StoneCo Ltd / STNE)の株価が約14%急落しました。
一週間ほど前の決算で、2022年第1Qの業績回復見通しなど強気な内容を発表し、株価が上昇していた矢先の出来事です。
今回はその下落理由と株価の変化をまとめました。
1. ストーンとは
ストーンとは、ブラジルで店舗・ECを問わないオムニチャネル機能を提供しているフィンテック企業です。
多様な決済サービスや、中央銀行と直接統合されたデジタルバンキング・ソリューション、更にPOSシステムに関するソフトウェアなど、幅広いソリューションを提供しています。
■ストーンの銘柄分析を行った記事はこちらにあります。
(事業内容や年次決算についてもまとめています)
2. 株価の急落理由
2-1. 取締役会メンバーの変更
2022年3月24日付で、ストーンは取締役役員のメンバー変更を発表しました。
ストーンに長年勤めた3人が退任し、新たに2人の役員が任命されています。
特に注目されたのが、この退任する3人の中に、ストーンの創設者の一人(エドゥアルド・ポンテス氏)が含まれていたことです。
創業者の退任は、市場の嫌気を誘いやすい要素です。
新たに任命された2人は、金融サービス・銀行業で40年以上の実績を持つコンラッド・エンゲル氏、戦略・リスク管理・財務に25年以上携わってきた経験や投資銀行に勤めていた経歴を持ち、現在は発電会社EnevaのCEOを務めるペドロ・ツィナー氏です。
なお、エドゥアルド・ポンテス氏と共にストーンを創業したアンドレ・ストリート氏は、引き続き会長としてストーンに残ります。
2-2. 市場の波(長期金利上昇)
金曜日の市場全体の傾向として、グロース銘柄には株価の下落圧力がかかっていました。
こちらは、直近は落ち着いていた長期金利が再び上昇したことが主な要因です。
ナスダック指数も僅かながら下落で取引を終了しており、ストーンの株価にも多少の影響があったと考えられます。
3. 株価の推移
ストーンの株価は以下のように推移しています。
一時は100ドル近くあった株価は2021年2月以降下落の一途を辿っており、債権問題や業績の不調が更に追い打ちをかけていました。
しかし2022年3月の決算(2021年第4Qと通年の内容)で強気な見通しを発表すると株価は急上昇しています。
ただ、この3月の決算発表前時点で株価は9ドル前後まで落ちており、急上昇があった後も13ドル~14ドル程でした。
一概にコロナ前と比較すれば良いものでもありませんが、新型コロナの影響で市場全体の暴落が起きる前は40ドルを超えており、現状はその水準には全く届いていません。(2022年3月26日時点)
4. まとめ
ストーン(STNE)の今回の役員変更発表は予想外でしたが、先日の決算で”やろうとしたことがうまくいかず、債権問題などもあり、満足のいく一年ではなかった”という旨の発言がありました。
こういった状況を踏まえての決断かとも思われます。
創業者の一人が会社を去るという点は正直気になってしまいますが、今後のストーンの事業展開や業績に実績が出てくることを期待します。
記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。
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