2022年5月5日に発表された注目企業の決算・トピックをまとめました。
今回は、ヴァージン・ギャラクティック(SPCE)、ルーシッド・グループ(LCID)、ブロック(SQ)に焦点を当てていきます。
1. ヴァージン・ギャラクティック
民間の宇宙旅行を開発中のヴァージン・ギャラクティック(Virgin Galactic / SPCE)についてです。
■ヴァージン・ギャラクティックの事業内容などはこちらでまとめています。
1-1. 売上・損失
チケット販売により、予約数は約800人に増加しました。
今四半期(2022年第1Q)の売上は約32万ドルです。
販売管理費、研究開発費などが非常に大きいこともあり、営業損失は9,139万ドル、最終的な純損失は9,306万ドルとなっています。
1-2. テスト飛行と商業飛行日程の変更
2021年に実施するはずだったテスト飛行の延期が続いており、今回の決算リリースでは、2022年第4Qに実施予定とされました。
それに伴って、2022年第4Qの商業飛行開始という予定にもズレが生じています。
新しい商業飛行開始予定は2023年の第1Qです。
なお、この遅れはサプライチェーンや労働力不足の問題が背景にあるとしています。
2. ルーシッド・グループ
次は高級セダンに焦点を当てたEVベンチャー、ルーシッド・グループ(ルシード・グループ / Lucid Group Inc / LCID)についてです。
■ルーシッド・グループの銘柄分析はこちらでまとめています。
2-1. 売上・損失
今四半期(2022年第1Q)の売上は約58百万ドルです。
一方、原価は246百万ドル、研究開発費に186百万ドル、販売管理費に223百万ドルかかっており、営業損失は597.5百万ドルにも上ります。
ただ、事業外の収益(主にワラント負債の価値変動による)によって、最終的な純損失は81百万ドルに抑えられました。
2-2. 納入・予約台数
今四半期は360台の車両を納入しました。
予約台数はリリース時点で30,000台を超えており、売上に換算すると約29億ドル分にもなります。
なお、2022年2月28日時点での予約数は25,000台超えとされていました。
また、2022年通年での生産台数は12,000台~14,000台という見込みを維持しています。
その他にも、新たな製品ロードマップの一つとして、SUVを2024年前半に生産開始する予定であることなどが述べられました。
3. ブロック
最後に、フィンテック(金融テクノロジー)の大手であり、ビットコインや仮想通貨を用いた技術発展にも積極的なブロック(旧スクエア / Block Inc / SQ)についてまとめていきます。
■ブロックの銘柄分析はこちらにあります。
3-1. EPS・売上・損失について
今四半期(2022年第1Q)のEPS、売上はどちらもアナリスト予想を下回る結果となりました。
- EPS 予想0.2ドル/実績0.18ドル
11.74%マイナス - 売上 予想4,136百万ドル/実績3,961百万ドル
4.24%マイナス
※EPS・売上・%はTradingviewより引用(2022年5月6日閲覧)
売上は3,961百万ドル、粗利益は1,295百万ドルとなっていますが、事業に関する費用が前年同期比70%増加と大きく膨らんだため、227百万ドルの営業損失が発生しました。
これには、成長のための人員増加をはじめ、Afterpayの買収・事業の統合などに関する費用も大きく影響しています。
なお、最終的には207百万ドルの赤字(純損失の発生)という結果です。
また、売上も前年同期と比較すると22%減少しています。
これはビットコインの売上が減少したためで、トランザクションやサブスクといったビットコイン以外の各種売上は増加しています。
4. まとめ
ヴァージン・ギャラクティック(SPCE)、ルーシッド・グループ(LCID)、ブロック(SQ)の3社の決算、リリースをピックアップしました。
ヴァージン・ギャラクティックの商業飛行の更なる延期は残念ですが、以前のような(史上初の商業飛行認可を取得したときのような)注目はなく、株価はあまり大きく動いていません。
またブロックの今四半期は赤字決算となりましたが、中には一時的な費用も含まれているため、今後の展開が気になるところです。
記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。
コメント