宇宙ロケット企業「Astra」についてまとめました。
Astraは、2021年第2四半期までに、SPAC「Holicity Inc.(HOL)」を利用し、IPOを果たす予定の企業です。
(SPAC、SPAC IPOについてはこちら↓の記事で詳しく紹介しています)
1. Astraはどんな企業?
カリフォルニア州を拠点とする宇宙ロケットの会社です。
2016年に設立され、2018年には飛行試験を行うほどに開発を進めていましたが、2020年まで公式Webサイトなどが無くメディアの取材も受けなかったため、一時は「ステルススペースカンパニー」とも呼ばれていました。
1-1. 事業内容
- 超小型ロケットを開発
- 工程・構造の簡略化により安価の打ち上げを目指す
- 2021年3月現在、衛星軌道上への打ち上げは未達成
Astraは宇宙ロケットの開発を行っている企業です。
ロケットの中でも、小型・超小型の衛星を打ち上げることに特化した「超小型ロケット」を扱っており、いずれは毎日のように宇宙へのロケット打ち上げを提供することを目指しています。
この目標もあって、Astraは製造方法やロケットの構造の簡略化に力を入れています。低コストでのロケット打ち上げの実現を目指しており、最終的な打上げ価格目標は約250万ドルとも言われています。
この価格は、現在ロケット業界で一歩先を行く企業”Rocket Lab”のロケット、”エレクトロン”の約3分の1程度であり、実現すればかなり安価でのロケット打ち上げが可能になります。
ただ、現段階(2021年3月16日)では宇宙の衛星軌道上へ完全にロケットを打ち上げられたことはなく、まだ一度も商用の打ち上げを行ったことはありません。
1-2. Astraのロケット
Astraのロケットは、文字通り「ロケット」という名前を付けられています。
2018年に「ロケット1.0」「ロケット2.0」の飛行テストを行っており、どちらも打ち上げは成功したと発表しました。
2021年3月16日現在の最新のロケットは”ロケット3.2”で、2020年12月に軌道上へ打ち上げられましたが、わずかな差で軌道への到達は叶いませんでした。
しかし、Astraは燃料などの比率を微調整することでこの問題は解決するとしており、近いうちに顧客の衛星を軌道に乗せられるだろうと発表しています。
1-3. Astraの今後の展望
2021年の夏には初めてとなる”商用の”打ち上げを行い、2021年後半中には月1回のペースで打ち上げを目指すと発表されています。
そして2025年には毎日の打ち上げを目標としています。
2. SPAC IPOの予定
2-1. IPO(上場)の時期
2021年第2四半期にはSPAC Holicity(HOL)との買収、上場の取引が完了する見込みです。
上場先はHolicityが既に上場しているナスダック(NASDAQ)で、ナスダックとしては初の宇宙企業の上場になります。
2-2. 新しい社名・ティッカーシンボル
Holicity(HOL)との買収・合併完了後、社名は「Astra(アストラ)」となります。
ティッカーシンボルも、現在はHolicityの「HOL」ですが、「ASTR」に変更される予定です。
3. まとめ
Astraは比較的安価なロケットを製造し、いずれは毎日のロケット打ち上げを目指しています。
現段階では完全に宇宙の軌道上へたどり着いてはいませんが、今年の夏には実際に積載物のある商用の打ち上げを行いたいと発表しており、今後の展開に期待が高まります。
昨日(2021年3月15日)には、テスラのオートメーションリーダーをしていたPabloGonzalez(パブロゴンザレス)氏を迎え入れたとの発表もあり、よりロケットの生産に力を入れていることがわかります。
ただ、現段階では決算書などが公開されておらず、Astraへの投資はニュースや発表を読んで判断するしかありません。
現段階ではまだ利益を生む事業が開始されておらず、比較的リスクの大きい投資となるので注意してください。
ちなみにAstraの上場は、ARKX ETFの発売日には間に合わなさそうです。
残念ですが、上場完了後にどのような動きがあるのかも注目したいですね。
(ARKX ETFについては、こちら↓の記事で詳しく紹介しています)
今回の記事はAstraのコーポレートサイトなどを参考に作成しました。少しでもお役に立てたら嬉しいです。
また、記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。
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