SONOS【SONO】銘柄分析_ワイヤレススピーカーメーカー

米国株の年次決算書・銘柄分析
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今回はソノス(Sonos, Inc. / SONO)の決算書(10-K)やニュースについて分析しました。クロの判断は以下の通りです。

  • 安定性(資金繰り)
  • 収益性
  • 経営の効率
  • 成長への期待

それでは見ていきましょう。

2021年更新版はこちら

1. Sonos, Inc.(SONO)について

1-1. 業種

電子機器、電子テクノロジー、ソフトウェア、サービス

1-2. 事業の概要

ソノスは、ワイヤレスに重点を置いたオーディオ機器メーカーです。商品群は電源オンオフのないWi-Fi接続または有線接続のスピーカーで、家庭内に複数のデバイスがあれば独自の暗号化ネットワークでシステム化し、まとめて管理することができます。
50種類以上の音楽ストリーミングサービス、そしてAlexa、Googleアシスタント、Siri(Homeアプリ)に対応しており、製品の品質や使いやすさでファンを獲得しています。
また、IKEAとコラボレーションした商品もあります。

1-3. チャート

ソノスの株価チャートはこのようになっています。
2020年11月の決算発表を皮切りに株価が上昇しました。3月以降は上下しつつ価格は停滞気味ですが、過去最高値の水準にあります。(2021年4月30日現在)

2. 決算書(10-K)の分析

2-1. 経営の安全性(資金繰り)

  • 貸借バランスは安定タイプ
  • 短期の資金繰りには問題なし
  • 事業はいまだ赤字だがキャッシュフローは安定タイプ

2-1-1. 流動資産・固定資産に関する比率

2020年決算書におけるSONO貸借バランス

(単位:百万ドル)

貸借バランスは“安定タイプ”です。
(貸借バランスのポイントについては、こちら↓の記事で紹介しています)

2020年の流動比率は約170%、当座比率は約120%です。
ひとまずは安心できる数値といえます。

固定比率は約50%で問題ありません
(貸借貸借表の各比率については、こちら↓の記事で詳しく紹介しています)

2-1-2. 資本の比率

自己資本比率は約37%とそこそこ良い数値です。

2-1-3. キャッシュフロー

キャッシュフローは、営業活動プラス、投資活動マイナス、財務活動マイナスという安定タイプの組み合わせです。

事業自体はまだ赤字なので楽観視はできませんが、IPO(上場)した2018年からキャッシュが増えています。
また、2020年は需要増加による在庫減少と、消費者向け直販へのシフトによる売掛金の減少があり、これらも営業活動のキャッシュフローへプラスに働きました。
また、投資活動はSnips SAS(コネクテッドデバイス向けのAI音声技術を提供)の買収や工具・試験装置などの購入、財務活動は主に株式の買戻しによってマイナスでした。

フリーキャッシュフローは2019年、2020年とプラスです。
(キャッシュフロー計算書の注目ポイントなどを、こちら↓の記事で紹介しています)

2-1-4. 項目まとめ

財務状態は安定しており、特に問題ありません。

2-2. 収益性

  • まだ赤字が続いている
  • 2019年まで売上増加や資産増加によって数値は改善傾向にあった
  • 2020年は費用増加によって損失額が増加
  • 売上高は年々増加している

2-2-1. ROE(自己資本利益率)

SONOのROE(自己資本利益率)推移_2020

赤字が続いておりROEはずっとマイナスですが、2019年まで数値は改善傾向にありました。
売上高も年々増加していますが、2020年は通常の費用の増加に加えリストラ費用(コロナに備えて)も発生し、利益を圧迫されました。(損失が増加)

2-2-2. ROA(総資産利益率)

SONOのROA(総資産利益率)推移_2020

ROAもROEと同様の動きをしています。なお、総資産は年々増加しています。

2-2-3. 項目まとめ

マイナスが続いており、現時点での収益性はあまりありません。
資産の増加や売上増加の影響を受け、2019年までROE・ROAは改善傾向にありました。しかし2020年は売上高こそ増加したものの、費用の増加によって損失額が増加し、数値も悪化しています。

なお、コロナ感染拡大の影響で小売店などでは売上減少となりましたが、消費者への直販が好調でマイナス分は相殺されたとしています。

2-3. 経営の効率

  • 回転率の最低ラインはクリアしている
  • 2020年は固定資産が増加し、回転率がダウン
  • 棚卸資産回転率は平均以下~平均程度

2-3-1. 各回転率

SONOの総資本回転率、固定資産回転率、棚卸資産回転率_2020

総資本回転率は約1.6回です。最低ラインはクリアしています。

固定資産回転率は約8.5回です。比較的高めではありますが、2020年はリースや買収の影響で2019年よりも数値が落ちています。

棚卸資産回転率は約7.3回です。この数値は製造業の平均以下~平均といったところです。
また、2020年は予想以上の需要によって在庫が減少したため、2019年より数値が高くなっています。

2-3-2. 項目まとめ

棚卸資産回転率は少し低いようにも感じますが、まずまずといった結果です。

2-4. 成長している・していく企業か

  • 売上高は年々増加
  • 2020年は費用の増加で損失額増加
  • 2019年までは営業損失が減少傾向だった
  • コロナで小売店が不調だが、直販にシフトして好調

2-4-1. 売上高と営業利益

SONOの売上高推移_2020

売上高は年々増加しています。2020年はコロナの感染拡大によって小売店などでの売上が減少しましたが、消費者への直販が好調で、減少分は相殺されました。

SONOの営業利益(損失)推移_2020

売上増加と一部費用削減を続け2019年には営業利益を出すことができましたが、2020年はリストラ費用を含めコストが増加し、損失額が増加してしまいました。
なお、いずれの年も最終的には赤字で決算を終えています。

2-4-2. 研究開発費

2020年の売上高は約1,326百万ドル、研究開発費は約210百万ドルだったので、売上高研究開発費率は約16%です。
科学技術・学術政策研究所によると※1同程度の従業員数を抱えた米国企業の平均は5.2%とされており、平均の約3倍の比率で資金を投じていることがわかります。

※1出典:文部科学省 科学技術・学術政策研究所 科学技術指標2019

2-4-3. 項目まとめ

売上高を年々増加させている点は期待できますが、2020年の費用増加が気になります
この増加分にはリストラ費用も含まれているので、次期にどのような影響があるかは気にしておきたいです。

また、2020年は平均の約3倍あった売上高研究開発費率はじわじわと上昇傾向にあり、新技術や製品の開発に注力している様子がうかがえます。

3. まとめ

クロとしては、ソノス(Sonos, Inc.)は「リスクもあるが期待したい」銘柄です。

まだ赤字続きの中2020年の損失額増加は不安要素ですが、売上高が増加を続けている点や研究開発に積極的に資金を投じている点から、今後の成長に期待しています。
当面の資金繰りも問題なさそうですし、2020年10月~2021年1月2日の四半期決算でも前年同時期と比較して売上は増加しており、今後の売上拡大や、AI音声技術を持ったSnips SASの買収によってどのような製品が生み出されるかも楽しみです。

ただ、製品としての画期的な目新しさがあるわけではないため、継続的な成長は研究開発と根強いファンの獲得が重要となりそうです。

今回の記事はSonos, Inc.の決算書及びコーポレートサイトなどを参考に作成しました。少しでもお役に立てたら嬉しいです。
また、記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。

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