スターバックス【SBUX】銘柄分析_新たなブランド獲得で成長し続けるコーヒー店王者

米国株の年次決算書・銘柄分析
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スターバックス(Starbucks Corp / SBUX)の決算書(10-K)分析やニュースについてまとめました。クロの判断は以下の通りです。

  • 安定性(資金繰り)
  • 収益性※コロナ前と2021年第3Qまでを考慮
  • 経営の効率
  • 成長への期待

それでは見ていきましょう。

2021年更新版はこちら

1. Starbucks Corp(SBUX)について

1-1. 業種

サービス、レストラン(コーヒー、ファストフード)

1-2. 事業の概要

スターバックスは、言わずと知れた有名なコーヒーショップチェーン”STARBUCKS”を展開する企業です。

買収によって様々なブランドを獲得しており、紅茶やフレーバーティーを扱う”TEAVANA”やフルーツジュース・スムージーを手掛ける”Evolution Fresh”などはSTARBUCKSの商品ラインナップにも含まれています。
また、比較的安価なコーヒーブランドとして”Seattle’s Best Coffee”を展開しています。(なおシアトルズベストコーヒーの日本法人はJR九州グループ)

STARBUCKSの店舗は直営店とライセンス店があり、直営店が最も多いのはアメリカ(2020年9月末時点で8,941店)です。次点で直営店が多いのは中国(4,704店)、その次に日本(1,464店)、カナダ(1,159店)と続きます。
直営店は、交通量が多く視認性の高い場所を選んで出店しています。
また、ライセンス店はアメリカの6,387店が飛びぬけて多く、他に1,000店舗を超えているのは韓国の1,468店のみです。

コロナ感染拡大を受け、一部店舗の閉鎖と、事前にアプリで注文・決済した商品を受け取るスターバックスピックアップ店舗の導入が進んでいる他、中国ではコロナ前からモバイルオーダー・決済専用店舗”Starbucks Now”が導入されていました。

1-3. Ethos Water

スターバックスは、2005年に買収した”Ethos Water”というボトル入りの飲料水ブランドも持っています。
これは「発展途上国の飲料水問題を改善する手助けを行う」という使命を掲げた企業です。

ボトル1本の売上につき約5セントがEthos Waterの基金に寄付され、浄水の普及や衛生改善などに使用されています。
この基金に分配された額は、2020年までに1230万ドル以上に達していると言われています。

2015年にカリフォルニア州の干ばつ地域からEthos Waterの水を調達したことが報じられると強く批判されましたが、その後、スターバックスはEthos Waterの水源を移動させました。

1-4. チャート

スターバックスの株価チャートはこのようになっています。2020年2月頃のコロナ感染拡大によって一時株価は下落しましたが程なく上昇に転じ、8月末頃にはコロナ前の水準に戻りました。
その後も上昇傾向を維持していましたが、7月下旬から徐々に下がってきています。(2021年10月13日時点)

2. 決算書(10-K)の分析

2-1. 経営の安全性(資金繰り)

  • ひとまずの資金繰りは問題なし
  • 債務超過状態
  • キャッシュフローは良かったが2020年に少々悪化

2-1-1. 流動資産・固定資産に関する比率

2020年決算書におけるSBUX貸借バランス

(単位:百万ドル)

貸借バランスの形が崩れている通り、債務超過状態です。
ただ、これはコロナによる経営難によるものではなく2019年から続くもので、主な要因は2018年から多額の社債を発行していることです。

債務によって調達した現金の事業以外での使い道としては、自社株買いが挙げられます。
2018年、2019年は自社株買いの金額が特に大きく、2019年は102億ドルにも達していました。(なお2017年は20億ドル、2020年は17億ドル)

アメリカでは、債務超過であっても日本ほど気にされません。
特にスターバックス程の大企業であれば、資金繰り・債務の返済に問題はないと考えられるため、投資家にも受け入れられているようです。

流動比率は約110%、当座比率は約80%と若干比率が低いですが、ひとまずの資金繰りに問題はありません。

2-1-2. 資本の比率

債務超過状態のため、自己資本比率はマイナスです。

2-1-3. キャッシュフロー

2020年9月期は営業活動がプラス、投資活動がマイナス、財務活動がプラスという組み合わせで、フリーキャッシュフローはマイナスです。

コロナ感染拡大の影響などで売上・純利益が減少し、営業活動による収入も減ってしまいました。

投資活動ではプラントや設備への資金投入の他、投資用の有価証券などの購入を行っています。

財務活動は、配当や自社株買いによる支出以上に債務発行の収入が大きかったため、最終的にはプラス収支となりました。

2-1-4. 項目まとめ

債務超過の状態は健全とは言えませんが、ひとまず問題はなさそうです。

2-2. 収益性

  • 2020年9月期はコロナによって不調

2-2-1. ROE(自己資本利益率)

SBUXのROE(自己資本利益率)推移_2020

ROEは高いです。この表にない2016年は48%、2015年も47%で、いずれも米国平均の約3倍の数値です。

ただ、2018年は自社株買いによる資本の減少と、多額の社債発行による負債増加で自己資本比率が低下(約5%だった)し、ROEが非常に高く出ています。

2019年、2020年は債務超過状態です。

2-2-2. ROA(総資産利益率)

SBUXのROA(総資産利益率)推移_2020

2019年までのROAは米国平均の約2~3倍ありましたが、2020年に一気に低下しています。

この要因はコロナによる不調の影響が大きいですが、リース資産に関する会計基準を変更しリース資産・負債が一気に計上され総資産が膨れ上がった(2019年9月末の総資産約192億ドルに対し、2020年9月末は約294億ドル)ことも影響しています。

2-2-3. 項目まとめ

収益性は高い企業でしたが、2020年9月期はコロナ感染拡大による売上減少によって純利益が前年の3分の1以下まで減少し、一気に指標が低下しました。

ただ、記事作成時点ではコロナによる悪影響はかなり落ち着き、収益性も改善してきています。

2-3. 経営の効率

  • 総資本回転率はギリギリ許容ライン
  • 2020年9月期は売上が減少し回転率低下

2-3-1. 各回転率

SBUXの総資本回転率、固定資産回転率、棚卸資産回転率_2020

2020年9月期は売上の減少によって全体的に回転率が低下しました。
しかし総資本回転率は0.8回と許容ラインを維持しています。

棚卸資産は、主にコーヒー豆、その他販売商品で構成されています。

2-3-2. 項目まとめ

リース資産によって固定資産回転率が少々低くなってしまいましたが、全体的にはあまり問題のない数値です。

2-4. 成長している・していく企業か

  • 2020年9月期は不調
  • 2019年9月期までは売上増加が続いていた
  • 2021年9月期の終了した9ヶ月間は好調

2-4-1. 売上高と営業利益

SBUXの売上高推移_2020

売上は年々増加していましたが、2020年9月期はコロナ感染拡大の悪影響などで減少しました。

SBUXの営業利益(損失)推移_2020

営業利益は減少しました。

売上が減少したにもかかわらず、営業費用は前年とほぼ変わらなかったため、その分利益が圧迫されています。

ちなみに2018年9月期は、上記の他、事業の売却や買収による利益も発生していました。

2-4-2. 項目まとめ

2020年9月期はかなり不調でしたが、それ以前は売上の増加が続いていました。

また、2021年第3Q(6月締め四半期。記事作成時点の最新決算)を見ると、9ヶ月間の売上合計、純利益合計は2019年の同期間を超えています。

急激な売上拡大などは望めませんが、これからも業績を伸ばしていきそうです。

3. まとめ

クロとしては、スターバックス(SBUX)は今後の成長に期待したいが、中国の不安定な情勢と債務超過状態が気になる銘柄です。

コーヒーショップの絶対的存在でありながら、買収を繰り返して貪欲に売上を伸ばしてきたため、これからも意欲的に事業を拡大し成長していくのではないかと考えています。

ただ、直営店をかなり中国に出店(2021年6月末の時点で5,135店)しており、最近の情勢が少々不安定なニュースを見ると、今はリスクが高めかなと判断しました。
また、おそらく問題ないとはいえ、債務超過状態なのは若干気になります。

2021年9月期の9ヶ月間を見ると(記事作成時点の最新決算は第3Q)業績はかなり回復していて好調ですが、デルタ株の拡大が第4Qの決算に影響しないかという点も心配です。

今回の記事はStarbucks Corpの決算書及びコーポレートサイトを参考に作成しました。少しでもお役に立てたら嬉しいです。
また、記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。

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