サナ・バイオ【SANA】20%超急騰_iPS細胞/移植の新たな一歩?

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今回は、2022年6月17日に20%超えの急騰を見せたサナ・バイオテクノロジーの最新ニュースについて解説していきます。

1. サナ・バイオテクノロジーとは

サナ・バイオテクノロジー(Sana Biotechnology Inc / SANA)は、その名の通りバイオテクノロジーを用いて遺伝子や細胞にアプローチする医薬品や治療法の開発を行う企業です。

開発中のポートフォリオには、がん、糖尿病、中枢神経系の疾患、心血管疾患、肝臓関連の遺伝性疾患、異常ヘモグロビン症に対するものが挙げられていますが、いずれも開発の初期段階で、まだ臨床試験には到達していません。(2022年3月末付の四半期決算書時点)

2022年中にがんに対するCAR-T細胞(がん細胞を強力に攻撃できるように遺伝子操作したT細胞)を用いた治療法の、2023年には1型糖尿病治療のIND申請を目指しています。
なお、今回ニュースになった低免疫プラットフォームは、この2つのex vivo治療法開発プログラムにも取り入れられています。

■サナ・バイオテクノロジーについては、こちらでより詳しく紹介しています。

2. 急騰の要因

今回の株価急騰の大きな要因は、サナ・バイオテクノロジーが発表した研究成果のニュースです。

2-1. ニュースの概要

サナ・バイオテクノロジーは、非ヒト霊長類(マウスよりもヒトに近いという点で、非常に重要視される)において、免疫抑制を伴わずに移植された低免疫iPSC由来細胞の生存を発表しました。
今回発表された移植細胞は、膵島細胞、心筋細胞、網膜色素上皮細胞で、こういった生存は初めての例だとしています。

なおiPSCとはinduced pluripotent stem cellの略で、日本語では人工多能性幹細胞と言います。しかし最も聞き馴染みがあるのは”iPS細胞”という呼び名でしょう。
iPS細胞は、理論上、身体の全ての組織・臓器になれると言われています。

また、1型糖尿病マウスでの免疫反応回避が示唆されたことも併せて発表しています。

2-2. どこがすごいのか

今回のニュースで、サナ・バイオテクノロジーがHIPと呼ぶ低免疫プラットフォームの効果が一部実証されたと言えます。

通常、細胞や臓器の移植を行う場合は、患者自身の免疫が拒絶反応を起こすため、免疫抑制(免疫の活動を薬によって抑える)が必要になります。
免疫抑制剤には副作用や免疫力低下といった気になる点もありますが、これは一部を除いて一生服薬する必要があるものです。

しかし、サナ・バイオテクノロジーの低免疫プラットフォームがこのまま進歩すれば、この免疫抑制を行わずに移植手術を行うことが可能となるかもしれません。

また、1型糖尿病は自己免疫の異常によって血糖を調整するインスリンが不足する(インスリンを分泌する膵島の細胞を破壊してしまう)病気です。
そのため、治療法は膵島の移植か、生涯にわたるインスリンの投与しかありませんでした。
しかし今回、サナ・バイオテクノロジーの低免疫膵島細胞は、この異常な働きをするようになったマウスの免疫をも回避して持続し、血糖値の正常化が見られたことを報告しています。

3. まとめ

今回のサナ・バイオテクノロジー(SANA)の発表は、医療分野において大きな一歩となり得るものでした。
開発パイプラインの多くのプログラムに低免疫プラットフォームを適用しているとも語っているので、今後の展開に期待が持てます。

しかし、現状はまだ臨床試験を開始しているプログラムはなく、年内に1件目のIND申請を目指している状況であるという点は、冷静に捉えておきたいところです。

今回の記事はSana Biotechnology Incの決算書及びコーポレートサイトを参考に作成しました。少しでもお役に立てたら嬉しいです。
また、記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。

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