リボルブ【RVLV】銘柄分析_テクノロジーを駆使し若い世代の服飾特化ECサイトを運営

米国株の年次決算書・銘柄分析
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リボルブ・グループ(Revolve Group Inc / RVLV)の決算書(10-K)分析やニュースについてまとめました。クロの判断は以下の通りです。

  • 安定性(資金繰り)
  • 収益性
  • 経営の効率
  • 成長への期待

それでは見ていきましょう。

1. Revolve Group Inc(RVLV)について

1-1. 業種

EC・小売

1-2. 事業の概要

リボルブは、ミレニアル世代とZ世代のファッションに特化したECサイトを運営し、また、その中で24のブランドを所有(所有ブランド数は2021年7月16日閲覧公式サイトより)しています。
■リボルブは、ミレニアル世代を1982年~2000年生まれ、Z世代はそれ以降に生まれた人々としている。デジタルメディアやSNSを活用する、デジタルネイティブな世代

比較的安価でトレンドを意識した”REVOLVE”、高級ブランドを提供する”FORWARD”の2つを展開し、ウィメンズ、メンズそれぞれ豊富な商品(アパレル、アクセサリー、フットウェア、スキンケアなど多岐にわたる)を扱っています。
なお、売上の大部分は”REVOLVE”からのもので、2020年は86%を占めています。

デジタルチャネルとテクノロジーを活用してショッピング体験を変革するというビジョンの元、SNSやインフルエンサーを起用したマーケティングを率先して行い、独自の技術プラットフォームを構築してビジネスを行っています。

自動化された在庫管理や価格設定、トレンド予測のアルゴリズムの開発に注力しており、2020年には売上高の77%を定価販売で占めています。

1-3. チャート

リボルブの株価チャートはこのようになっています。2019年6月のIPO以降、値下がり傾向が続いていましたが、2020年2月のコロナ感染拡大による更なる下落の後、一転して上昇に転じました。
一時停滞気味になったものの、6月17日にラッセル3000への組み入れが発表されると、再び値上がりし、直近は65~70ドルで推移しています。(2021年7月19日時点)

2. 決算書(10-K)の分析

2-1. 経営の安全性(資金繰り)

  • 資金繰りは問題ない
  • 自己資本比率は高いが、2019年IPOがまだ影響している可能性有
  • キャッシュフローは良好

2-1-1. 流動資産・固定資産に関する比率

2020年決算書におけるRVLV貸借バランス

(単位:百万ドル)

貸借バランスは”安定タイプ”です。

流動比率は約260%、当座比率は約150%で、短期の資金繰りは問題ありません。
固定比率は約14%と低く優秀です。

2-1-2. 資本の比率

自己資本比率は65%と高いです。
IPOが2019年なので、その影響もあるでしょう。

2-1-3. キャッシュフロー

2020年は営業活動がプラス、投資活動がマイナス、財務活動がプラスという組み合わせで、フリーキャッシュフローはプラスです。

事業はすでに黒字なので毎年営業活動がプラスとなっており、投資活動では不動産・設備の購入を行っています。

財務活動では、2019年はIPOによる収入、2020年はストックオプションによる収入があります。

2-1-4. 項目まとめ

IPOからあまり時間が経っていないことが、自己資本比率や現金に少々影響している可能性はありますが、全体的に安定しています。

事業は黒字で、累積赤字もありません。

2-2. 収益性

  • ROE・ROAともに平均を大きく超える
  • 2020年は売上減少も利益増加

2-2-1. ROE(自己資本利益率)

RVLVのROE(自己資本利益率)推移(2020年)

ROEは米国平均16~18%を大きく超えています。
なお、2019年に数値が下がっていますが、純利益は減少しておらず、IPOによる自己資本の増加の影響です。

2020年も自己資本は増加していますが、それ以上の勢いで純利益が増加し、ROEは上昇しました。

2-2-2. ROA(総資産利益率)

RVLVのROA(総資産利益率)推移(2020年)

ROAは米国平均6~8%の2倍程度あります。

2-2-3. 項目まとめ

収益性は、米国平均と比較しても高いと言えます。

2-3. 経営の効率

  • 総資本回転率は2回近くあり高い
  • 固定資産回転率が高い事業形態
  • 棚卸資産回転率は小売平均程度だが少しずつ上昇中

2-3-1. 各回転率

RVLVの総資本回転率、固定資産回転率、棚卸資産回転率(2020年)

総資本回転率は1.9回で、最低ラインの2倍近い数値です。

固定資産回転率も約20回と高く、実店舗を持たない強みが発揮されています。

棚卸資産回転率は約6回で、小売業の平均程度です。
なお、売上の増加より在庫の増加が若干小さく、回転率も上昇傾向です。

2-3-2. 項目まとめ

資本に対して十分な売上が上がっています
在庫管理アルゴリズムを使用しているという割には、棚卸資産回転率が特に高いわけでもないですが、若干上昇傾向という点に期待したいです。

2-4. 成長している・していく企業か

  • 売上高減少も利益増加
  • コロナの影響によるマイナスがあった
  • リピーター割合は増加

2-4-1. 売上高と営業利益

RVLVの売上高推移(2020年)

2020年はコロナ感染拡大による影響で売上が減少しました。
注文数(2019年4,715回から2020年4,499回)、平均注文額(275ドルから236ドル)の両方が減少してしまっています。

また、顧客を属性でグループ分け(コホート)し、売上維持率を計算する(特定グループの売上を前年の同グループの売上で割る)と89%から74%に低下しました。

その一方で、アクティブな顧客全体に占めるリピーターの割合は2018年の41%から2020年は49%にまで増加しています。
リピーターは新規ユーザーよりも多くの注文をする傾向にあります。

RVLVの営業利益推移(2020年)

営業利益は2020年も大きく伸びています
売上減少による販売・流通費用の減少や、コロナ感染拡大で対面ブランドマーケティングイベントが中止となり費用が浮いたことが影響しています。

また、減少したとはいえ2020年の平均注文額は236ドルあり、マスマーケットやバリューベースの小売業者とは差別化されています。

2-4-3. 項目まとめ

売上は減少したものの、利益は拡大しています。
リピーターを順調に獲得しているようなので、コロナによる悪影響がなくなった際には売上が好転することに期待したいです。

ただ、その場合は対面イベントなども積極的に行うと考えられるので、一時的に利益が減少する可能性があります。
また、コロナ環境下ではECサイト自体が実店舗より有利な面があったため、その部分がどうなるかが気になります。

3. まとめ

クロとしては、リボルブ(RVLV)は不安点もありますが、期待したい銘柄です。

2020年は売上が減少しましたが、利益は確保されており、収益性も高い銘柄です。
SNS、インフルエンサーや独自プラットフォームを活用しており、実際にアクティブユーザーのリピーター割合が増えているので、この取り組みには一定の成果が出ていると考えられます。

また、時間が経てば取得データも蓄積され、更に適切なアルゴリズム開発が進む可能性もあります。

ちなみにIPO時点で高い収益性を持った優良企業として、クリカット(CRCT)がありましたが、一度買ったら数年は買い替えが必要ないクラフト機器と違い(サブスクや材料を追加購入する程度)、アパレルはそれより短いスパンで繰り返し購入されるという利点があるので、クロとしてはこちらのリボルブを保有したいです。

一方で、リボルブの強みでもある平均購入価格が低下している点が少々気になります。
2021年第1Qと前年同期比を比較しても横ばいなので、顧客の購入スタイルが変わってきている可能性があります。(ただし、売上と利益、注文総数は増加している)
また、衣料品という面ではコロナがマイナス要因でしたが、ECサイトには有利に働く部分もあったため、今後の売上を注視したいです。

今回の記事はRevolve Group Incの決算書及びコーポレートサイトを参考に作成しました。少しでもお役に立てたら嬉しいです。
また、記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。

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