2021年6月四半期決算【ROOT】ルート

米国株の四半期決算
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ルート(Root, Inc. / ROOT)の6月締め四半期決算(2021年第2Q)について、アナリスト予想とも比較しつつその内容をまとめていきます。

ルートについて、事業内容や年度末決算をまとめた記事はこちらにあります。

1. アナリスト予想との比較

過去2回はアナリスト予想のEPSに近い数値でしたが、今期は予想数値を達成できませんでした。

ROOTのEPS_アナリスト予想と実績比較

次は、実際の売上高と利益額がどのように推移しているのかを見ていきます。

2. 四半期ごとの売上高と純利益(損失)の推移

これは、四半期ごとの売上高と純利益をまとめた表です。
(単位:百万ドル)

2021年第2Qは、前期より売上が増加していますが、損失額も大きくなっています。

保険料による収益が増加しているのは良いのですが、マーケティング費用が63%も増加しています。
これは消費者行動の変化や、競合他社がデジタルチャネルでの広告キャンペーンを増加させたことに対応し、マーケティングへの投資を増やしたためです。

また、支払保険金・関連費用も増加しました。
これにはコロナ感染拡大の影響が薄れるにつれて、保険加入者の走行距離が増加したことが影響しています。
より多くを再保険に出再するようにしたことで損害の一部は相殺されましたが、それでも損失額は前期より79%増加しています。

なお、アナリスト予想の売上高81.2百万ドルは達成しました。

3. その他の補足

3-1. 2020年・2021年の上半期比較

2020年、2021年の上半期を比較すると、売上が減少し、損失が増加しています。
ただ、この売上の減少は、再保険への出再を増やしたことでルート自身の売上となる保険料が減っているためで、再保険分を差し引く前の元受保険料は増加しています。

この再保険に関する見直しを行った結果、上半期での保険金支払い・関連費用は25%削減されています。

しかしその一方で、走行距離の増加や、交換部品のコスト・中古車の価格の上昇によって、直接損害率(出再分を差し引く前の元受保険料に対して支払った保険金の割合)は上がってしまいました。(2020年上半期は73%、2021年上半期は83.1%)
運転評価システムがルートの強みですが、損害率の低下は簡単ではないようです。

また、マーケティング費用は上半期で比較しても239%増加しています。

4. まとめ

ルート(Root, Inc. / ROOT)の第2Qは、あまり勢いのない結果でした。

第1Qを見た際は売上の急減少に驚きましたが、再保険によってリスクがある程度軽減されるようになったようなので、それは良かったと思います。

ただ、2020年と2021年の第2Qのみを比較すると、保険金支払い・関連費用は増加しています。
走行距離や修理コストなどの要因もあるので簡単に比較はできませんが、2020年第2Qの24%(差し引いた保険料は116百万ドル)に対し、2021年第2Qは55% (差し引いた保険料は81百万ドル) を出再している中での、支払い増加となってしまいました。

また、個人的に運転評価システム(事故リスクを評価し保険加入の可否や保険料を設定)は画期的だと思っていましたが、支払保険金をなかなか削減できない様子を見ると、残念な気持ちもあります。

(ルートの事業内容や年度末の決算書分析を行った記事もこちら↓にあります)

今回の記事は2020~2021年のRoot, Inc.の決算書及び四半期レポート、コーポレートサイトを参考に作成しました。少しでもお役に立てたら嬉しいです。
また、記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。

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