リビアン(リヴィアン)・オートモーティブ(Rivian Automotive Inc / RIVN)の9月締め四半期決算(2021年度第3Q)について、アナリスト予想とも比較しつつ内容をまとめていきます。
■リビアンの事業内容などを詳しくまとめた記事はこちらにあります。
1. アナリスト予想との比較
売上はアナリスト予想をクリアしたものの、EPSが予想を大きく下回る結果となりました。
次は、実際の売上高と利益額がどのように推移しているのかを見ていきます。
2. 四半期ごとの売上高と純利益(損失)の推移
これは、四半期ごとの売上高と純利益をまとめた表です。
(単位:百万ドル)
売上が1百万ドルであるのに対して、純損失は1,233百万ドル(約12億ドル)という結果になっています。
販売された製品の原価は83百万ドルで、この時点で既に大きな赤字です。
この理由は主に生産の初期段階にあるためで、大規模な工場を稼働させる費用が発生するのに対し、製造能力を大きく下回る台数の生産しか行っていないため、効率が非常に悪い状態だとしています。
また、研究開発費は前年同期の約2倍に、販売費や管理費は前年同期の約4倍近く増加し、損失を増加させました。
なお、営業損失は776百万ドルです。
更に転換社債に関連した損失も458百万ドル発生しています。
3. その他の補足
3-1. 製造・納入台数
2021年12月15日時点で生産した車両は652台です。
また、そのうち386台は納入も完了しています。
なお9月から納車が始まっていたのはピックアップトラック”R1T”ですが、12月に入ってSUV”R1S”も2台販売されました。
商業市場向けのバンについては現在開発や認証が進んでいる段階です。
ちなみに10万台の配送用バンの発注を受けているアマゾン(AMZN)は商業市場の最初の顧客であるとしており、今後も”消費者向け”、商業市場向け”の両方で事業を展開する予定です。
ただ、2021年の目標台数としていた1,200台を数百台ショートする見込みだとも発表されました。
3-2. 予約数の増加
2021年9月末時点(第3Q終了時点)の予約数は約48,390件でしたが、この決算を公表する直前、2021年12月15日の予約数は約71,000件へ増加していました。
これにはメディアへ取り上げられたことや、消費者の好意的な体験・評価などが影響したとしています。
3-3. 2つ目の工場建設
ジョージア州に2ヶ所目となる製造工場を建設することが発表されました。
2024年から稼働を開始し、年間最大40万台を製造する規模となる予定です。
4. まとめ
リビアン(RIVN)の2021年第3Qは、損失を見ると非常に大きいですが、売上は予測通りあがっていました。
売上に対する損失の規模があまりにも大きく何か比較材料があると良いのですが、EV先駆者であるテスラ(TSLA)は売上がある程度増えてからIPOしているため、生産初期段階の数値を見ることができません。
ただ、大きな赤字だろうという点は多くの投資家の予想するところではあったはずなので、今回のEPSの乖離や損失額がどこまで許容されるのかが焦点となりそうです。
また、見込み台数のショートはかなり痛手です。
新規工場建設発表など意欲的な展開を見せている点には期待していますが、クロ個人としてはもう少し様子を見たいと思います。
(リビアンの事業内容などをより詳しくまとめた記事もこちら↓にあります)
今回の記事は2020~2021年のRivian Automotive Incの決算書及び四半期レポート、コーポレートサイトを参考に作成しました。少しでもお役に立てたら嬉しいです。
また、記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。
その他の銘柄分析など、過去の分析記事はこちらに一覧化しています。
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