【2022更新】急落したペイパル株は買って良い?_PYPL

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2022年2月2日、ペイパル・ホールディングス(PayPal Holdings Inc / PYPL)の株価は大きく下落しています。

今回の下落の大きな要因は決算発表(2021年第4Qと通年)によるものですが、一体どういった内容なのでしょうか。
また、eBayとの関係、eBayに関する売上はどうなっているのでしょうか。
今回はこれらについてまとめていきます。

ペイパルの事業内容などはこちらの銘柄分析記事で紹介しています。

  • 2021年第4QはEPSが予想未達
  • 2022年第1Qガイダンスも予想未達
  • eBayとの関係は間もなく終了
  • モバイルアプリや独自ステーブルコイン検討に期待

1. 株価の推移

ペイパルの株価チャートはこのようになっています。

2021年11月頃から200ドルを切ったあたりでしばらく停滞していましたが、2022年1月の不安定な相場(強いインフレや金融引き締め議論によって市場に下方圧力がかかった)で160ドル前後まで下落しました。

そしてさらに2月2日現在(記事作成時点)、プレマーケットで約17%の下落を見せています。

2. 今回の株価下落理由

2-1. 発表した決算内容

ここしばらくは売上がアナリスト予想を下回ることはあっても、EPSは達成し続けていました。
しかし今回、EPSが予想値を下回っています。

以下の表は、2021年の各四半期のEPS・売上をアナリスト予想値と共にまとめたものです。

ペイパルの2021年EPS・売上推移_アナリスト予想との比較

また、2025年までの目標としていた”ユーザー数(アクティブアカウント数)7億5,000万”も取り下げられています。

2-2. 2022年第1Qガイダンス

2022年第1Q(1月~3月)のガイダンスは、最大6%の売上成長とされましたが、この数値も、アナリストの予測(リフィニティブの提供するIBES業績予測による)である11.7%を大きく下回っています。

また、複数のアナリストが格付け、目標株価を引き下げています。

2-3. 金融緩和によって急騰しすぎた反動

これはペイパルに限った話ではありませんが、2020年の新型コロナ感染拡大によって沈んだ景気を取り戻すために行われた金融緩和施策の影響で、株式市場は過熱し、多くの銘柄が非常に割高になっていました。

しかし現在は金融引き締めへの動きが強く、急騰した株価が落ち着いてきているタイミングでもあります。

3. eBayとの関係は?

元々はeBayからスピンアウトしたペイパルですが、eBayの独自決済サービスへの移行(ペイパルとの契約終了)に伴い、eBay経由の売上は減少しています。

この影響で、ペイパルは2022年上半期の売上に6億ドルもの圧力がかかる予想をしていることをCEOが述べています。

ちなみにCEOは、”下半期にはeBayへの調整をやめ、コアとなる業績を示すことができる”とも発言しています。

4. 期待できる点はないのか

ここまで不安点をまとめてきましたが、今後のペイパルに期待できることはないのでしょうか。

4-1. 2022年通年ガイダンス

2022年通年のガイダンスでは、売上が290億ドルを超えるという見込みを発表しています。
2021年第1Qでは6%の売上増加予測でしたが、通年では14%以上の売上増加を見込んでいることになります。

ただし、2020年は前年比21%増加、2021年は18%増加という成長をしてきているので、徐々に鈍化している点は否めません。

4-2. eBayの売上はすでに3%

2021年第4Q時点で、eBayによる売上は全体の3%程度にまで減少しています。
第4Qの売上は約69億ドルだったので、eBay経由の売上は約2億ドルだったという計算です。

eBayとの取引がなくなることで確かに売上は打撃を受けていますが、それでもペイパルは減収に陥ることもなく、成長をし続けていると言えます。

4-3. 北米・ヨーロッパでの普及率は76%

ペイパルが決算と共に発表した資料で、”北米・ヨーロッパの大手オンライン小売業者1,500でのデジタルウォレット受け入れ状況”というものがあります。

この資料によると、ペイパルが76%に受け入れられており、圧倒的な1位となっています。
なお、続いてApple Payが27%、Amazon Payが15%、Google Payが13%、Affirmが9%となっています。

4-4. モバイルアプリの進化

2021年からモバイルアプリを進化させる取り組みが報じられていますが、今回”モバイルアプリを利用しているユーザーの解約率25%減少”という兆候が発表されました。
顧客の囲い込みにプラスの影響を及ぼしているようです。

4-5. 独自ステーブルコイン

既に複数の仮想通貨(暗号資産)に対応しているペイパルですが、2022年に入って、独自のステーブルコインを検討していることが報じられています。

ステーブルコインとは、ドルや円などの別の資産を裏付けとすることで価格を安定させた仮想通貨です。

4. まとめ

ペイパル・ホールディングス(PYPL)の成長は確かに鈍化してきていますが、今なおそのシェアは圧倒的です。

とはいえ、弱気なガイダンスを出したばかりですし、金融引き締めによる市場全体への圧力もあるため、クロとしては今すぐ購入するつもりはありません。

しかし、モバイルアプリやステーブルコイン(こちらはまだ検討段階で、実現するかわからないが)など取り組みの幅を広げ、顧客の囲い込みが強化されそうなので、クロ個人の意見としては、市場や株価が落ち着けば保有を検討するポテンシャルは十分あると考えています。

↓ペイパルの2022年第2Q決算はこちらで紹介しています。

記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。

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