続【PYPL】そろそろペイパルは買うべき?

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決算を経て不安材料が出尽くし上昇に転じたかに見えたペイパル・ホールディングス(PayPal Holdings Inc / PYPL)の株価が、再び下がってきました。
今回は投資銀行の目標株価引き下げやインサイダー購入など、新しいニュースや不安点、期待できる点をまとめていきます。

2022年2月に改めてペイパル購入を検討した記事もこちらにあります。

1. ペイパルとは

ペイパルは、インターネット上の決済サービスを提供するフィンテック(金融テクノロジー)企業です。

記事作成時点の直近決算となる2021年9月末時点のアクティブアカウント数は4億1,600となり、前年同期比で15%増加しています。
9月には口座振込、自動引き落とし、更にデジタルウォレットや個人間送金決済などに対応した”スーパーアプリ”が発表されました。

また、仮想通貨に続いて株式取引にも参入するという報道もあります。

ペイパルの事業内容や年次決算についてまとめた記事はこちらにあります。

2. なぜ再び下落しているのか

決算発表後、徐々に上がり始めた株価は、11月17日に再び下降しました。
この主な要因は投資銀行による目標株価の引き下げです。

投資銀行のバーンスタイン(Bernstein)が、ペイパルの株を”market perform(購入をしないという意味)”に変更し、目標株価を220ドルとしました。

その理由は、大きく分けて2つあります。

2-1. 大手ECサイトの成長で料金交渉が不利に

AmazonやShopifyといった大手EC企業が益々成長している現状を考えると、決済サービスを提供するペイパルは料金交渉において不利になる可能性(EC側が有利になる可能性)があると見られています。

またShopifyは独自にShop payも提供しています。

2-2. 競合の乱立で成長が鈍化

近年、決済サービスを提供する企業や”BNPL(Buy Now,Pay Later)”と呼ばれる後払いサービスの提供も増えてきています。
こういった多数の強力な競合企業が、ペイパルの優位性を脅かしているという見方です。

ただ、ペイパルも4回払いサービスの実施やペイディを買収するなど後払いサービスに踏み込んでいます。

また、ECサイトにクレジットカードを登録しているユーザーは、支払方法をわざわざ”ペイパルに変更する”ことを考えないだろうとし、そういったユーザーをペイパルが取り込むことができない点を指摘しています。

2-3. 本当に成長は鈍化しているのか?

ペイパルの成長は本当に鈍化しているのでしょうか?下の表に直近3年間のEPSと売上をまとめてみました。
また、売上高はより推移の見やすい棒グラフにしています。

これを見ると、2018年第4Qと2019年第4Qを比較した際の売上の成長は17%で、同様に2019年と2020年を見ると23%増加しています。(なお、2021年第4Qはまだ発表前)

一方、直近の2021年度分まで発表されている第3Qを比較してみると、2019年と2020年で25%成長していますが、2021年と2020年では13%の成長となりました。
この点を見ると、確かに2021年は売上の伸びが少々落ち着いてしまっているのを感じます。(2020年は少々特殊な年でしたが)

PYPL_201812-202109_EPS/売上
PYPL_201812-202109_売上グラフ

3. 実はインサイダー購入されている

こうしてみると少々将来が不安になってくるペイパルですが、株式の10%以上を保有するインサイダーの一人、ジョン・J・ドナホー氏が約200万ドル(9,780株を一株当たり204.42ドル)のペイパル株を購入していたことが公表されました。

購入された理由はわかりませんが、今後のペイパルに何かを期待しているのかもしれません。

4. 期待できるニュース

4-1. スーパーアプリに期待できる?

直近の明るいニュースというと”スーパーアプリ”が挙げられます。
9月21日に公式披露されたこのアプリには、口座振込、自動引き落としといった銀行関連の機能や、ペイパルが得意とする個人間送金、更にデジタルウォレット、ショッピングツール、暗号資産対応といった幅広い金融関連のツールが詰め込まれています。

また、高利回りの貯蓄型預金サービス”PayPal Savings”や、そのためのSynchrony Bankとの提携も発表しました。

既に何社かが先陣を切ってはいますが、ペイパルも決済サービスだけでなくより銀行に近い金融サービスを提供することになります。

ペイパルは既に多くのユーザーを抱えているため、他のサービス利用によって顧客単価を上げることができれば、これは更なる強みとなるでしょう。

気になるのは高利回りをうたう貯蓄型預金サービス”PayPal Savings”の利率です。
年利率は0.4%で確かに平均を大きく超える数値ではあるものの、より高い利率でのサービスを提供しているデジタル銀行もあるため、利率のみではそこまで強い訴求力はなさそうです。

4-2. 子会社Venmoがアマゾンと提携

11月8日に、ペイパルの子会社であるVenmoとアマゾンの提携が発表されました。
米国ユーザーに限定したものではありますが、2022年からアマゾンの支払いにVenmoが使用できるようになります。

これまでペイパルはアマゾンの支払い方法として採用されていなかったので、これは大きな一歩です。
ただ、前述した投資銀行の指摘通り、”これまで登録済みのクレジットカードを使用してきたユーザー”がどれだけVenmoに乗り換えてくれるのかが気になるところです。

5. ペイパル株の今の割安性

割安性を表す各種指標を見ていきます。

  • PBR:(実)11.74 / (予)9.93
  • PER:(実)55.97 / (予)56.04
  • PSR:9.57

PBR/PERは楽天証券を、PSRはbloombergを参考にさせていただきました。(2021年11月19日閲覧)

こうしてみると、まだまだ株価は割高です。
若干成長の鈍化が感じられる中で、グロース銘柄とあまり変わらない割高感がある点も、嫌気を誘っているのでしょう。

6. まとめ

ペイパル・ホールディングス(PYPL)は新たな展開に期待したい部分も大きい反面、競合とのユーザーの取り合いもあり、決済サービスだけではなかなか厳しい状況に立っているように感じます。

ただ、年単位で見ればいまだに売上は増加を続けていますし、預金サービスや仮想通貨への対応など、新しい取り組みも行っています。
個人的には株式市場への参入が実現することに期待したいです。

また、今回バーンスタイン社が設定した目標株価をすでに下回っている状況ですし、まずはこのタイミングで少しだけ購入しておこうと思います。(複数回に分けて購入予定)

■2022年2月、新たな急落理由や今後のガイダンス、投資家向け資料などを紹介して、改めてペイパル保有を検討した記事もこちらにあります。

なお、以前の株価下落についてはこちらの記事でまとめてあります。

今回の記事はPayPal Holdings Incの決算書及びコーポレートサイトを参考に作成しました。少しでもお役に立てたら嬉しいです。
また、記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。

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