【PYPL】ペイパルは今買い場?

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ここしばらく株価下落が続いているペイパル・ホールディングス(PayPal Holdings Inc / PYPL)ですが、果たして今は買い場なのでしょうか?
今回は下落要因や決算の予定など、判断材料になりそうな要素をまとめていきます。

■11月17日に再び株価が下降し始めたため、新たな要因や成長推移などをまとめた記事を作成しました。

1. ペイパルとは

ペイパルは、インターネット上の決済サービスを提供するフィンテック(金融テクノロジー)企業です。

2021年6月末時点で4億300万アカウントという規模の大きさを誇り、9月には口座振込、自動引き落とし、更にデジタルウォレットや個人間送金決済などに対応した”スーパーアプリ”が発表されました。

また、仮想通貨に続いて株式取引にも参入するという報道もあります。

ペイパルの事業内容や年次決算についてまとめた記事はこちらにあります。

2. 株価下落のきっかけ

最近の大きな下落を生んだきっかけは、10月20日にBloombergが報じた”ピンタレスト(PINS)買収”のニュースです。

この報道では、当時約56ドルだったピンタレストの株式を1株70ドルで購入するとされ、その割高感やソーシャルメディア企業とペイパルの組み合わせへの違和感によって、投資家の嫌気を誘いました。
しかし反対に、ピンタレストの株価は急上昇しています。

報道後しばらくは無言を貫いていた両社ですが、10月25日にペイパルが「現時点では買収を追求する気はない」と明言したため、一転してペイパルの株価が上昇し、ピンタレストの株価は下落しました。

ただ、買収否定の発言があったあとも報道前の株価には戻れず、再びズルズルと株価が下がっています。

PYPLの2021年10~11月チャート

これは2021年9月後半から11月初旬にかけてのペイパルの株価チャートです。
買収報道を受けて株価が急落し、その後買収否定の発言によって株価が上昇したものの、報道以前の水準まで戻り切れていないことがわかります。

PINSの2021年10~11月チャート

こちらはピンタレストの株価チャートです。
買収報道で一気に株価が上がりましたが、それを否定されると株価は報道前の水準に戻り、その後も下降が続いています。

3. 買収否定後も株価は下落

ピンタレスト買収を否定した後一時的な株価上昇があったものの、報道前の水準に戻れないままペイパルの株価は下がり続けています。
この理由として考えられるものを挙げていきます。

3-1. 買収不安が払拭できていない可能性

ピンタレストの買収について、ペイパルの発言が「”現時点では”検討しない・追求しない」という言葉を使用していたため、まだ買収の可能性があるのではないかという議論がされているのを見かけます。
また、報道の中でも”現時点では”という部分は省かれていません。

ただ、もし買収が実現したとしても、うまく事業の中に取り込めれば企業として強化される可能性もゼロではありません。

3-2. ビザ(V)の反トラスト法調査の影響

クレジットカード会社大手のビザ(V)に、反トラスト法(独占禁止法)違反の疑いがあるとして司法省の調査が入っています。

この件に関して、10月27日、スクエアやペイパルといったフィンテック企業へのインセンティブも調査対象となっていることが報じられました。

3-3. カップウィズハンドルの形が崩れた

株価チャートの形でよく知られているものの一つに”カップウィズハンドルを形成すると、その後株価が上がる”というものがあります。
少し前まで、ペイパルもカップウィズハンドルを作るのではと言われていましたが、途中でその形が崩れてしまいました。

これにより、一部の投資家による期待が離れてしまった可能性があります。

3-4. 次回の決算への不安

ペイパルの次回の決算は11月8日に発表される予定です。

eBayからの収益減少、オンライン特需の落ち着きなど、気になる点がいくつかあり、不安に思っている投資家も多いようです。

3-5. スクエア(SQ)の決算で連れ安の可能性もある

スクエアの四半期決算が11月4日に発表され、EPS、売上共にアナリスト予想を下回ってしまいました。(スクエアの最近のQの推移はこちら
ペイパルの決算はまだ発表されていませんが、競合の業績が芳しくなかったことから、今後連れ安となる可能性もあります。

ちなみにビザも四半期決算発表後に株価が下がっています。(内容としては、前期、前年同期のどちらよりもEPS、売上が増加。ただしアナリスト予想との差が小さい期だった)
ビザの最近の四半期の指標推移はこちら
にまとめています。

4. まとめ

ペイパル(PYPL)は2020年に売上高・営業利益ともに21%増加、EPS31%上昇という成長を見せた企業です。
また、様々な機能を備えたアプリや株式市場への進出など、まだまだ新しい展開がありそうで、現在の株価は買い場のようにも思えます。

ただ、クロとしては今すぐ買うべきだとは思っていません。
競合となるスクエアが決算をミスしたことを考えると、ペイパルの決算も少々不安だからです。
良い決算が出ると信じて発表前に買うには少々ギャンブル性が高いかなと考えています。

決算内容が期待外れであればより安い価格で買えますし、良い内容であれば下げ基調の中転機になるかもしれないという気持ちで、決算発表を待ちたいと思います。

記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。

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