8月2日発表ペイパル決算_赤字も株価上昇【PYPL】

米国株の四半期決算
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ペイパル・ホールディングス(PayPal Holdings Inc / PYPL)の2022年度第2Q決算について、アナリスト予想とも比較しつつ内容をまとめていきます。

ペイパルの銘柄分析を行った記事はこちらにあります。

1. アナリスト予想との比較

今四半期は、EPS、売上ともにアナリスト予想を上回る結果となりました。

PYPLのEPS・売上_アナリスト予想と実績比較_2206

次は、実際の売上高と利益額がどのように推移しているのかを見ていきます。

2. 四半期ごとの売上高と純利益(損失)の推移

PYPLの売上高・純利益(損失)_2206

これは、四半期ごとの売上高と純利益をまとめた表です。
(単位:百万ドル)

最近は売上が横ばい気味で推移している中、純利益は減少が続いていましたが、今四半期はとうとう3.4億ドルの赤字となりました。
赤字となったのは、2015年の再上場後初めてです。

売上は前年同期比で9%増加しましたが、同時に営業費用が18%も増加しており、事業外の損失・費用が7.2億ドル発生したことで(前年同期は事業外収益が2.3億ドル出ていた)最終的には赤字の四半期となりました。
ちなみに、前四半期も投資などの影響で事業外収益は減少傾向にありました。

3. その他の補足

3-1. ガイダンスについて

2022年度第3Q(7月~9月)のガイダンスでは、売上に最大10%の成長を見込み、68億ドルという予測値を発表しました。
これは、アナリスト予想(※Yahoo!financeより。2022年8月3日閲覧)の70.2億ドルを下回る内容です

また、2022年度通年での売上ガイダンスも”~10%の成長”に引き下げられました。
金額としては278.5億ドルという予測になっており、こちらもアナリスト予想281.8億ドルを下回ります。

ただ、通年のnon-GAAP EPSについては3.87ドル~3.97ドルと、ガイダンスを上方修正しました。
なお、2021年度のnon-GAAP EPSは4.6ドルでした。

3-2. アカウント数・決済総額

2022年度第2Qに増加した新規アクティブアカウント数は40万でした。
前四半期には240万の新規アクティブアカウントが開設されており、それと比較するとかなり勢いが落ちているようです。

ただ、2022年度通年で約1,000万の新規アクティブアカウントが増加する見込みであるという点は、今四半期も繰り返しアナウンスされました。

一方決済ボリュームは前年同期比13%増加し、3,398億ドルとなりました。
なお前四半期の決済ボリュームは3,230億ドルで、これと比較すると増加しています。

3-3. 赤字なのに株価上昇したのはなぜか

ペイパルの今回の決算はあまり良い内容ではないように見えますが、決算発表後、株価はプレで10%以上上昇しています。
その主な要因と見られるのは、コスト削減の取り組みと、投資会社エリオット・マネジメントのペイパル株購入です。

コスト削減については、2022年に9億ドルの削減を達成する見込みであるとされています。

また、エリオット・マネジメントは”物言う株主(投資家)”と呼ばれる投資運用企業で、経営にもしっかりと意見を言う(その後、経営改善によって株価が上昇したら売却して利益を得る)スタイルが知られています。
今回のペイパル株の購入規模は20億ドル相当だとされ、大株主となるエリオット・マネジメントの手腕に期待が集まったと言えるでしょう。

他にも新たな150億ドルの自社株買いプログラム承認など、投資家にとって嬉しいニュースが発表されました。

4. まとめ

ペイパル・ホールディングス(PYPL)の2022年度第2Qは、とうとう赤字転落という残念な結果になりました。

しかしコスト削減への取り組みや物言う株主の登場などで、投資家の期待はむしろ集まってきています。
ここから巻き返しとなるのか、今後も情報を追っていきたい銘柄です。

(ペイパルの事業内容や年度末の決算書分析を行った記事もこちら↓にあります)

今回の記事はPayPal Holdings Incの決算書及び四半期レポート、コーポレートサイトを参考に作成しました。少しでもお役に立てたら嬉しいです。
また、記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。

過去の分析記事はこちらに一覧化しています。

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