プラグパワー(Plug Power Inc. / PLUG)の6月締め四半期決算(2021年第2Q)について、アナリスト予想とも比較しつつその内容をまとめていきます。
■プラグパワーの事業内容や年次決算について紹介した記事はこちらにあります。
1. アナリスト予想との比較(EPS)
EPSはアナリスト予想を下回り続けています。
次は、実際の売上高と利益額がどのように推移しているのかを見ていきます。
2. 四半期ごとの売上高と純利益(損失)の推移
これは、四半期ごとの売上高と純利益をまとめた表です。
(単位:百万ドル)
2021年第2Qは、第1Qより売上が増加したものの、純損失も増加しました。
なお、売上高はアナリスト予想を超えています。
また、第2Qの売上は前年同期比で83%増加していますが、一方で純損失は960%も増加しており、約10倍に膨れ上がっています。
この損失額の増加には、2021年第2Qの全体的な費用増加、2020年第2Qの債務に関する事業外収益(損失を抑えることに繋がる)がそれぞれ影響していまが、一部の費用については改善が見込まれるとしています。
具体的には、価格をつり上げていたガス供給会社からの撤退を完了したことや、コロナ感染拡大による運賃や材料費の高騰が落ち着くだろうという予測があります。
3. その他の補足
3-1. 販売数の増加
2021年第2Qにおける燃料電池システム”GenDrive”の出荷台数は、3,666台でした。
また、水素インフラシステム(水素を生成する電解槽)は16台です。
2020年第2Qはそれぞれ2,683台、4台で、2021年は大きく増加していることがわかります。
3-2. 2021年上半期の売上と損失
2021年上半期の売上は、196.52百万ドル(約2億ドル)、純損失は160.38百万ドル(約1億6,000万ドル)でした。
売上から原価を引いた時点で赤字の事業が多く、特に燃料販売セグメントで大きな損失が出ています。
今後のガス・燃料の仕入価格の影響が表れるはずなので、どうなるか注視しておきたいです。
また、研究開発に21百万ドル、販管費に64百万ドルかかっており、運営費用も大きいです。
4. まとめ
プラグパワー(Plug Power Inc. )は売上はぐんぐん伸びているものの、それ以上の速度で損失も増加しているという状況です。
水素事業はまだまだ発展途上のセクターなので、多少は仕方ない部分がありますが、それでも損失額の増加がかなり大きいです。
”これからマージンは改善するだろう”としているので、それに期待したいです。
事業内容やノウハウ、継続的な売上増加は魅力的ですが、リスクは念頭に置いておきたい銘柄です。
(プラグパワーの事業内容や年度末の決算書分析を行った記事もこちら↓にあります)
今回の記事は2020~2021年のPlug Power Inc.の決算書及び四半期レポート、コーポレートサイトを参考に作成しました。少しでもお役に立てたら嬉しいです。
また、記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。
コメント