時間のかかっていたプラグパワー(Plug Power Inc. / PLUG)の四半期決算(2021年第4Q)が発表されました。
今回はアナリスト予想とも比較しつつその内容をまとめていきます。
■プラグパワーの事業内容や年度末決算について分析した記事はこちらにあります。
1. アナリスト予想との比較
直近3期はアナリスト予想を下回るEPSです。

次は、実際の売上高と利益額がどのように推移しているのかを見ていきます。
2. 四半期ごとの売上高と純利益(損失)の推移

これは、四半期ごとの売上高と純利益をまとめた表です。
(単位:百万ドル)
どの四半期でも利益が出ておらず、更に損失額が増加傾向にあります。
2020年第4Q(12月締め四半期)の売上高がマイナスで損失額も非常に大きくなっていますが、これは残っていたAmazonのワラントを一気に行使することになり、売上高が相殺されたためです。
2021年第1Q(3月締め四半期)は、前年同期比で売上増加・損失増加となりました。
保守契約のユニット数や水素販売の拠点数など、全体的に契約数が増えたため、売上高増加につながりました。
一方でそれに伴って原価も増え、また、財務諸表の修正や従業員の増加による人件費なども増加したため、損失額が増えています。
水素エネルギーはまだまだこれからというセクターなので、ある程度は仕方ないですが、現時点では売上高を原価が上回ってしまっている分野もあるため、黒字化にはまだ時間がかかりそうです。
3. その他の補足
3-1. ウォルマートのワラント引当金
ウォルマートへ付与されたワラントにはまだ未確定分が残っており、2021年第1Qは売上高の減少として1.6百万ドルの引当金が計上されています。
現時点(2021年6月22日の決算発表時点)は、2020年のように売上高マイナスという事態になる予定はありません。
4. まとめ
プラグパワー(Plug Power Inc.)は、水素エネルギー・燃料電池の分野で第一線を走る企業です。
契約数は増加を続けており、2020年はイレギュラーがありましたが、それ以前は毎年売上高を伸ばしていました。
ただ、現時点では原価コストや人件費が増加し、セグメントによっては原価が売上を上回っているものもあります。
また、これらによって損失が増え続けているので、累積赤字は約20億ドルです。
発展途上のセクターなのである程度は仕方ないですが、リスクの大きな銘柄であることは間違いありません。
とはいえ、気候変動対策などで水素エネルギーは世界的に注目されているので、既に色々なノウハウを持っているプラグパワーには期待したいところです。
(プラグパワーの事業内容や年度末の決算書分析を行った記事もこちら↓にあります)
今回の記事は2020~2021年のPlug Power Inc.の決算書及び四半期レポート、コーポレートサイトを参考に作成しました。少しでもお役に立てたら嬉しいです。
また、記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。
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