オクタ(Okta Inc / OKTA)の7月締め四半期決算(2022年第2Q)について、アナリスト予想とも比較しつつその内容をまとめていきます。
■オクタの事業内容や年次決算について紹介した記事はこちらにあります。
1. アナリスト予想との比較(EPS)
EPSはアナリスト予想を上回り続けています。
次は、実際の売上高と利益額がどのように推移しているのかを見ていきます。
2. 四半期ごとの売上高と純利益(損失)の推移
これは、四半期ごとの売上高と純利益をまとめた表です。
(単位:百万ドル)
2022年第2Qは、第1Qと比較して売上が増加し、純損失も増加しています。
なお、アナリスト予想の売上(296.52百万ドル)は達成しました。
前年同期と比較すると売上は57%増加しており、売上の大半を占めるサブスクリプション収益は59%の増加です。
しかし、原価コスト、営業費用も増えてしまっています。
2021年第2Q(前年同期)は74%あった粗利率が、今期は粗利率68%に下がっていますし、事業からの損失額は6倍に増加しました。
原価コスト増加の要因には、Auth0買収に伴う償却額の増加、従業員への報酬費用の増加、粗利率の低いAuth0の売上が加算されたことが挙げられます。
営業費用の増加も、買収による人件費の増加や、必要となる販売費・マーケティング費用が増えたことに大きく影響されています。
3. その他の補足
3-1. 買収による資産増加
Auth0の買収が2021年5月3日に完了し、5,409百万ドル(54億ドル)分の株式が増加しました。
また、のれんが大きく増え、総資産の6割を占める形となりました。
3-2. 2022年度の売上見通し
今期の結果を受け、2022年度の総売上高は12億4,300万ドル~12億5,000万ドルの予想となりました。
これが達成されると、前年比49%~50%の伸び率となります。
4. まとめ
オクタ(Okta Inc)の第2Qは、買収の影響を大きく受けました。
売上が大きく伸びているものの、費用の増加による損失はそれ以上の割合で増えています。
現状は売上成長を維持していますし、市場にも好意的に受け止められていますが、いずれはこの費用をまかなえるだけの売上を出すことができるかがカギになりそうです。
なお、株式報酬の戻入れや繰延収益が大きく、営業活動のキャッシュフローは黒字を継続していますが、今期の末で累積赤字は13.5億ドルとなりました。
(オクタの事業内容や年度末の決算書分析を行った記事もこちら↓にあります)
今回の記事は2021~2022年のOkta Incの決算書及び四半期レポート、コーポレートサイトを参考に作成しました。少しでもお役に立てたら嬉しいです。
また、記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。
コメント