オクタ【OKTA】銘柄分析_安全なID管理・シングルサインオンを提供

米国株の年次決算書・銘柄分析
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オクタ(Okta Inc / OKTA)の決算書(10-K)分析やニュースについてまとめました。クロの判断は以下の通りです。

  • 安定性(資金繰り)
  • 収益性
  • 経営の効率
  • 成長への期待

それでは見ていきましょう。

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1. Okta Inc(OKTA)について

1-1. 業種

SaaS、電子テクノロジー、セキュリティ

1-2. 事業の概要

オクタは、アイデンティティ(ID)の安全な管理プラットフォームを提供する企業です。

近年、会計や人事、社内チャットや会議など、多くのソフトウェアがクラウド上でサービスとして提供(SaaS)されるようになりました。
ソフトウェアを導入する企業からすれば一括で買い上げて導入するより初期費用が安く済みますし、ソフトウェアの販売者側も、長期的な収入・関係構築を期待できます。

しかしそれに伴い、IDやパスワードの使いまわしや、簡単に予測できる内容(123456など)が設定されるなど、セキュリティ面での問題が生じています。
特に、クラウド上にデータを保管することが増えている今、この問題は大きなものでした。

これらを解決したのがオクタです。
オクタの提供する、信頼性・拡張性に優れた、IDやパスワードを一元管理できるクラウドプラットフォーム”Okta Identity Cloud”を使用することで、ユーザーは安心してサービスやソフトウェアに接続することができます。

シングルサインオン(SSO / 一度認証・ログインすれば、以降は紐付けられた複数のシステム、ソフトウェアを認証なしで利用できる仕組みやサービス)をはじめ、多要素認証、APIアクセス管理など、幅広いサービスを提供しており、ユーザーの利便性と、企業にとって重要なセキュリティの信頼度を両立しています。
また、企業の管理者は、従業員ごとのアクセス権限付与、履歴のチェックも容易になります。

オクタは主に、これらのSaaSビジネスにおける、サブスクリプション収益を売上としています。

1-3. チャート

オクタの株価チャートはこのようになっています。2020年2月にコロナ感染拡大で一時的に値下がりした後、世界的にリモートワークが推進され、関連銘柄となるオクタは大きく上昇しました。
しかし2021年3月上旬、競合他社Auth0の買収額発表などで大きく下落しています。その後は大きく上下しており、現在は最高値より約50~60ドルほど低い水準です。(2021年8月17日時点)

2. 決算書(10-K)の分析

2-1. 経営の安全性(資金繰り)

  • 短期の資金繰りは問題なし
  • 自己資本比率は少々低め
  • 事業は赤字だが、営業活動からの収入はプラス

2-1-1. 流動資産・固定資産に関する比率

2021年決算書におけるOKTA貸借バランス

(単位:百万ドル)

貸借バランスは”安定タイプ”です。

流動比率は約190%、当座比率は約180%で、短期の資金繰りに問題はありません。
固定比率は約60%と優秀です。

2-1-2. 資本の比率

自己資本比率は21%で若干低めの数値です。

2-1-3. キャッシュフロー

2020年は営業活動がプラス、投資活動がマイナス、財務活動がプラスという組み合わせで、フリーキャッシュフローはマイナスです。

事業はまだ赤字ですが、繰延収益などによって営業活動の収支はプラスとなっています。
また、投資活動では有価証券の購入による支出、財務活動では転換社債の発行による収入が大きく影響しています。

2-1-4. 項目まとめ

ひとまずの資金繰りは問題ありません。営業活動のキャッシュフローがプラスなのも良いことです。
ただ、転換社債の発行など、負債での資金調達を行っています。

2-2. 収益性

  • 赤字のため、ROE・ROAともにマイナス
  • 赤字額は増えているが、資産も増加しているので
    ROE・ROAのマイナス値は減少傾向

2-2-1. ROE(自己資本利益率)

OKTAのROE(自己資本利益率)推移【2021年】

ROEは大きなマイナスです。
マイナス値が減少傾向にありますが、これは損失額以上に資産が増加しているためで、損失が減っているわけではありません。

2-2-2. ROA(総資産利益率)

OKTAのROA(総資産利益率)推移【2021年】

ROAもROE同様の上下をしています。

2-2-3. 項目まとめ

ROE・ROAはマイナスで、損失額自体は増加しています。現時点での収益性はほとんどないと言えるでしょう。
ただ、売上が増加を続けていることや、まだ事業を急速に拡大させている最中だということを加味すると、ただ”悪い”だけの内容ではありません。

2-3. 経営の効率

  • 総資本回転率は低い
  • 米国債などの短期投資に総資産の約3分の2を投じている
  • 固定資産はあまりない・棚卸資産はなし

2-3-1. 各回転率

OKTAの総資本回転率、固定資産回転率、棚卸資産回転率【2021年】

総資本回転率は0.25回で、まだまだ足りません。
ただ、2021年1月末時点では、総資産の約3分の2が米国債などの短期投資に費やされているため、その影響もあります。

固定資産回転率はあまり大きくないため、既に約2回あります。

また、棚卸資産はありません。

2-3-2. 項目まとめ

総資産から見た売上が足りませんが、実際に事業に使用されている資産はそれほど大きくなく、資産の多くが投資に回っている状態です。

2-4. 成長している・していく企業か

  • 売上高は2018年1月期と比較して3倍以上
  • 営業損失も増加している
  • 売上高研究開発費率は27%

2-4-1. 売上高と営業利益

OKTAの売上高推移【2021年】

売上は年々大きく増加しています。
特に2020年のコロナ感染拡大に伴うリモートワークの増加も、新規顧客の増加を後押ししたと考えられます。(2021年1月締めの売上の95%はサブスク収益)

2018年1月期と比較すると、2021年1月期の売上は3倍以上となっています。

OKTAの営業利益(損失)推移【2021年】

営業損失(事業の赤字)も増加しています。
原価(収益コスト)と営業費用どちらも増加していますが、どちらも成長に伴う人件費の増加が大きく影響しています。

ただ、かなり増えてはいるものの、2018年1月期と2021年1月期を比較しても約1.8倍程度の増加となっており、年単位で見ると売上の伸びの方が大きいことがわかります。

なお、この営業損失の計算には含まれていませんが、債務が増えたことによって支払利息が前年より170%近く増加しています。

2-4-2. 研究開発費

2021年1月期の売上高は約835.42百万ドル、研究開発費は約222.83百万ドルだったので、売上高研究開発費率は27%で、平均の約5倍です。(科学技術・学術政策研究所によると※1同程度の従業員規模の平均は5.2%とされている)

※1出典:文部科学省 科学技術・学術政策研究所科学技術指標2019

2-4-3. 項目まとめ

営業損失が増加していますが、売上が大きく伸びていること、オクタはまだ事業拡大に投資している段階であること、研究開発にしっかり注力していること(セキュリティなどのため、研究開発は重要)を踏まえると、成長性はあると考えます。

2-5. Auth0買収

オクタは、同業のライバルであるAuth0社の買収を発表しています。
この買収は第2Q中(2021年7月末まで)に完了する予定となっていますが、この買収額が発表された際、オクタの株価は大きく下落しました。

買収額の合計は65億ドルとされ、2021年1月末時点での総資産約33億ドルの2倍近い価格です。
Auth0社が上場していないため総資産がわかりませんが、かなり高額な買収なので、のれんなども大きくなる可能性が高いです。
なお、基本的な支払いは普通株式で行われます。

買収によって総資産が大きく膨らむことになるので、今後の収益効率が一時的に下がるのは避けられないでしょう。

3. まとめ

クロとしては、オクタ(Okta Inc)は期待したい銘柄ではあるものの、買収内容が気になるのであまり多くは保有しないつもりです。

コロナによるリモートワークの後押しもあったでしょうが、売上の順調な伸びと研究開発に積極的な点には期待しています。
また、オクタは”原則解約不可”の”1~5年単位でのサブスクリプションを販売”しているので、コロナ特需がなくなっても、売上が急速に減少するようなことは無いと考えています。

今はまだ米国での売上がほとんどですが、2021年1月期には海外での売上が前年比46%増加していることもあり、更なる国際展開が進む可能性もあります。

なお、第1Qを見ても売上が拡大していますが、損失も増加しています。
第1Q終了時点での累積赤字が10億ドルを超えている点と、高額買収を控えている点は頭に入れておきたいです。

今回の記事はOkta Incの決算書及びコーポレートサイトを参考に作成しました。少しでもお役に立てたら嬉しいです。
また、記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。

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