2021年11月26日は、米国株が大きく下落する一日となりました。
ダウ・ナスダック指数はともに2%以上下げ、VIX指数(恐怖指数)は54%も急上昇するという結果です。
今回の下落の大きな理由は、新型コロナの新変異株”オミクロン株”への不安ですが、エヌビディアの下落(約3.6%の下降)理由として別途気になる報道があったので、ご紹介します。
1. エヌビディアとは
エヌビディア(NVIDIA Corp / NVDA)は、言わずと知れた半導体大手です。
元々はコンピューターやゲーム用の製品(PC用のGeForceが有名)を提供していましたが、近年はAIや自動運転向けに、より計算に特化した製品を次々と開発・販売しています。
また、このGPUアーキテクチャは最近話題となっているメタバース(仮想空間やそのサービス)に必要なVR・ARにも大きな役割を果たしていますし、クラウド上で描画したコンテンツを5Gで配信するストリーミングプラットフォームも提供しています。
■エヌビディアの事業内容や年次決算についてまとめた記事はこちらにあります。
2. 11月26日の下落
2-1. 新たなコロナ変異株
新型コロナの新しい変異株”オミクロン株”が南アフリカなどで特定されました。
WHO(世界保健機関)はこの変異株を「懸念すべき変異株」に指定しており、アメリカなどは既に一部のアフリカ諸国からの渡航制限を強化しています。
これまでの変異株発見時にはなかったほど市場が動揺しているのは、”ワクチンが効かないかもしれない”と言われている上、”驚異的な成長率を持つと言われたデルタ株を上回る可能性がある”ためです。
2-2. アップルがAR・VRに自社チップを使用
これが今回の記事でご紹介したかった部分です。
アップル(AAPL)がVR・AR製品を開発しているという噂はかなり前から囁かれてきました。
最近では2022年~2023年にはヘッドセットが発売されるのではないか、既存の製品(メタ・プラットフォームズ(FB)のOculusなど)より軽量化がされている、という具体的な予測も出てきています。
しかし今回、そのアップルのヘッドセットには、自社開発の独自のプロセッサが使用されるという報道があったのです。
アップルの自社チップへのシフトは数年前から進んでおり、2020年11月には自社のプロセッサ”M1”を搭載したMacを発表し話題となりました。
しかも既にエヌビディアとアップルの提携関係は終了していますし不思議なことではないような気もしますが、最近のエヌビディアにはメタバース分野への期待も集まっているため、発売すれば必ず話題となるであろう”アップル製”のVR・AR製品に使用されないとなると、がっかりする投資家も出てくると思われます。
3. 明るいニュースもある
一方で、明るいニュースもあります。
First Shanghai Bankはエヌビディアの目標株価を380ドルに引き上げましたし、Bank of Americaのアナリストは”2022年上半期まで半導体の供給抑制が続く可能性がある”という予測を出しています。
この半導体不足が続く限り、価格決定力はエヌビディアや供給側が持つと考えられます。
4. まとめ
半導体不足という社会的な問題も後押ししてここ数ヶ月で一気に株価を上げていたエヌビディア(NVDA)ですが、さすがにこの日は若干の下落を見せました。
ただ、ここまでの株価急騰の勢いは強かったですし、半導体市場は引き続き追い風ということもあるので、クロとしてはまだ売却するつもりはありません。
また、今回の下落に関しては新型コロナの新しい脅威が一番の要因ではないかと思っていますが、最近のインテルの苦戦にはアップルの影響(インテル製品の使用を取りやめ自社チップに移行した)もあるので、今回の報道のような動きもあるということを頭に入れておきたいと思います。
いずれにしても新型の変異株がどのように社会に影響を与えるのかは注視しておきたいところです。
記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。
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