【NVDA】下落続くエヌビディアの底値はどこ?

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2020年~2021年にかけて大きく株価を上昇させたエヌビディア(NVDA)ですが、その後は下落が続いています。
今回はこの下落の背景にある問題・懸念点を解説し、今後に期待できる点はあるのか、今が買い場と言えるのかなどを考察していきます。

1. エヌビディアの概要と最近の取り組み

エヌビディア(NVIDIA Corp / NVDA)は半導体プロセッサ”GPU”の大手開発企業です。
ゲーム向けGPUをはじめ、データセンターやマイニング市場でも事業を拡大しています。

また昨年には、インテルが大きなシェアを持つデータセンター向けCPUという分野において、新CPU”Grace”を発表しました。
このGraceはエヌビディアのGPUと一緒に使用することで最大のパフォーマンスを発揮でき、AIの学習などの膨大なデータ処理にかかる時間を短縮できる(従来1ヶ月かかっていたものが3日になるとしている)としています。

また、メタバース分野ではマルチユーザーのワークツールや、産業用デジタルツインとしての利用も話題になっている”Omniverse”プラットフォームを提供しています。

2. 株価の下落理由

2-1. マイニング需要の低下懸念

エヌビディアのGPUは仮想通貨(暗号資産)のマイニング市場でも強い需要があります。
その代表的なものがイーサリアムです。

しかしこのイーサリアムのマイニングのアルゴリズムが切り替わるため、それに伴ってGPUの需要も低下する懸念があると言われています。

現在のアルゴリズムはプルーフ・オブ・ワーク(PoW)と呼ばれるもので、多くのマイナーがスペックの高いマシンを導入し、早い者勝ちでマイニングを行っている状態です。
この方法は消費電力が大きく、環境負荷が問題視されてきました。
また競争の激化に伴い、高性能なマシンを導入できる企業や団体など、一部のマイナーに承認権限が偏るという点も指摘されています。

一方、新しい方法とされるのがプルーフ・オブ・ステーク(PoS)です。
これは仮想通貨の保有量や保有期間によって承認権限が付与される仕組みになっており、この権限が付与された(選ばれた)ユーザーが作業を行います。
つまりPoSのアルゴリズムを使用すると、これまでのように多くの人々が1分1秒を争ってマイニングをする必要が無くなり、マイニング用の高性能GPUの需要が弱まるとされているのです。

2-1. 半導体需要の弱体化

マイニング市場に限らず、半導体チップの需要が低下しているという懸念も強くなっています。

6月30日に発表されたマイクロン・テクノロジ(MU)の第3Q決算(3月~5月)からも、その傾向が伺えます。
第3QのEPSはアナリスト予想をクリアし、売上はほぼ予想通りという結果でしたが、第4Qのガイダンスは、EPS・売上ともにアナリスト予想を下回りました。

CEOは”長期的な需要はある”といった発言をしつつも、”需要が弱まっている”ことや”2023年度の供給を緩やかにする”旨を述べており、エヌビディアも連れ安となっています。

また、半導体関連事業を行う30銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体指数(SOX指数)は2022年の年明けから下落を続けており、こちらからもセクターの厳しい状況が見えてきます。

2-1. 世界情勢

世界情勢によりロシアへの販売が減少していることや、中国の長いロックダウンがあったことも売上に打撃を与えています。

これは2023年度(1月締め決算)第2Qのガイダンス時点でもアナウンスされており、この影響で約5億ドルのマイナスが見込まれるとし、アナリスト予想を下回るガイダンスとなっていました。

また、インフレ圧力が続いているため、比較的高価な製品群に対する購買意欲が低下することも懸念されます。

2-1. グロース株に厳しい地合い

2020年から2021年にかけて、グロース株の中でも特に業績の好調だったエヌビディアは多くの期待を集め、世界的な半導体不足という特殊な状況下で利益が大きく拡大する中でも、株価は非常に割高になっていました。

なお現在、最高値である約340ドルから200ドル近く低下していますが(記事作成時点の株価)それでもPERは(実績)37.17倍、(予想)36.71倍となっています。
米国株では20倍前後が一つの目安だとされているので、エヌビディアの現在のPERはまだまだ割高と言える数値です。
※PERは楽天証券より引用。2022年7月2日閲覧。

2022年はこれまでの金融緩和方針から一転し、インフレ圧力を抑えるため、引き締め施策(金利引き上げやQT)が次々と実施されています。
こうして金利が上がるとグロース株は割高感が目立ち、投資家から敬遠されるようになるのですが、エヌビディアの場合は元々の割高感が更にその傾向を強めている状態です。

3. まとめ・次の決算

エヌビディア(NVDA)の下落には、市場全体に関わるものから半導体セクター特有のものまで、いくつもの要因がありました。
ただ、エヌビディアの現在の状況全てが悪いわけではありません。

メタバース需要デジタルツインのオムニバースプラットフォームはこれからの展開に期待ができますし、マイニング市場に関しても全ての仮想通貨でPoSへの移行が決まったわけではありません。
例えば仮想通貨の元祖であるビットコインが利用しているのはPoWですし、イーサリアム・クラシックやドージコインもPoWでマイニングが行われています。
また、そもそもマイニングに関する売上はあくまで全体の一部なので、万が一この需要が急激に弱まったとしても、売上が無くなってしまうことはありません。

更に、より根本的な半導体不足という問題も落ち着いてはいない状態です。

しかし、現時点ではまだ株価が割高な上、株式市場全体で不安定な相場が続いています。
半導体需要という点でも短期的には厳しい状況が続くと見られるため、クロとしては長期保有目的での購入はもう少し待ちたいと思います。
ただ、GPUだけでなく、メタバースやAIといった様々なソリューションに取り組んでいる企業なので、個人的な期待を込め、少量ずつ回数を分けた購入を検討していきます。

なお、次回決算(5月~7月期)は8月24日に発表予定となっています。

記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。

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