ナプコ【NSSC】銘柄分析_2021年度更新版

米国株の年次決算書・銘柄分析
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ナプコ・セキュリティ・テクノロジーズ(NAPCO Security Technologies, Inc / NSSC)の2021年6月締め年次決算書(10-K)が提出されたので、改めて決算分析、事業内容の更新を行いました。
クロの判断は以下の通りです。

  • 安定性(資金繰り)
  • 収益性
  • 経営の効率
  • 成長への期待

それでは見ていきましょう。

1. ナプコ・セキュリティ・テクノロジーズ(NSSC)について

1-1. 業種

セキュリティ製品、セキュリティサービス、建築製品

1-2. 事業の概要

ナプコ・セキュリティ・テクノロジーズは、セキュリティ製品を製造する大手メーカー企業です。

電子ロックやバイオメトリックといった多様なドアセキュリティや、火災や侵入者などの各種検知器、そして警報システムの頭脳とも言えるコントロールパネルなどを主力商品としています。

また、通信機能が付いたコントロールパネルの販売が進んでおり、恒常的に収入を得られる監視サービス事業の成長が著しいです。
これは、クラウドベースのオペレーションセンターでセキュリティ侵害や火災警報を監視し、迅速な対応へつなげるもので、月額サブスクリプション制になっています。

この事業は粗利率が非常に高く(2021年6月期では86%)、いずれはこのサービス収入が総収入の50%を占めるようにすることを目標としています。なお、2021年6月期のサービス収入の割合は30%でした。

これらの商品は商業施設や住宅をはじめ、スタンフォード大学などの教育機関や、政府機関にも導入されています。

また、競合と比較した際の強みとして”セキュリティの主要商品をすべて製造しているため互換性に優れていること”、”自社製品の90%以上をドミニカ共和国の税制優遇措置のある地域内で製造しているため低コストであること”を挙げています。

1-3. チャート

ナプコ・セキュリティ・テクノロジーズの株価チャートはこのようになっています。
今回の決算が発表され、株価は16%近い上昇を見せました。

2. 決算書(10-K)の分析

2-1. 経営の安全性(資金繰り)

  • 資金繰りに問題はない
  • 自己資本比率は優秀
  • キャッシュフローも安定している

2-1-1. 流動資産・固定資産に関する比率

2021年決算書におけるNSSC貸借バランス

(単位:百万ドル)

貸借バランスは”安定タイプ”です。

流動比率は約480%当座比率は約340%あり、短期の資金繰りは問題ありません。
固定比率も約29%と、かなり良好な数値です。

2-1-2. 資本の比率

自己資本比率は約76%で、かなり高い数値です。

2-1-3. キャッシュフロー

2021年6月期は、営業活動がプラス、投資活動がマイナス、財務活動はゼロという組み合わせで、フリーキャッシュフローはプラスです。

事業が黒字で営業活動もプラスとなっており、投資活動のマイナスは有価証券の購入が主な要因です。
財務活動では、特に支出も収入もありませんでした。

2-1-4. 項目まとめ

全体的に良好な内容です。
昨年まで行っていた自社株の買戻しはありませんでしたが、事業は黒字で安定しており、フリーキャッシュフローもプラスの状態が続いています。

2-2. 収益性

  • 2021年6月期は、純利益が前年比75%増加
  • ROEは米国平均程度、ROAは米国平均を上回る

2-2-1. ROE(自己資本利益率)

NSSCのROE(自己資本利益率)推移_2021

2021年6月期は増収増益となりましたが、特に純利益が前年比(YoY)75%増加し、ROEを押し上げました。

2019年6月期の数値には届いていませんが、2021年も自己資本比率が76%ある中で米国平均16~18%に届きそうな数値を出しているので、かなり良好な期だったと言えます。

2-2-2. ROA(総資産利益率)

NSSCのROA(総資産利益率)推移_2021

ROAもROE同様に上昇しています。
米国平均の1.5~2倍と高い数値です。

2-2-3. 項目まとめ

2021年6月期は好調な結果となりました。
コロナ感染拡大によって減少していたハード機器の売上がある程度戻ってきたこと、サービスの売上が増えてきたことが主な要因です。

2-3. 経営の効率

  • 総資本回転率、固定資産回転率は問題なし
  • 棚卸資産回転率が改善傾向

2-3-1. 各回転率

NSSCの総資本回転率、固定資産回転率、棚卸資産回転率_2021

総資本回転率は1回近くあるので、ひとまず問題ありません。

固定資産回転率棚卸資産回転率は、前年より上昇しています。

2-3-2. 項目まとめ

総資産が増えたため、総資本回転率は若干低下していますが、まだ問題があるほどの数値ではありません。

まだ製造業の平均より低くはありますが、積み増し在庫を削減し、棚卸資産回転率はかなり改善しました。

2-4. 成長している・していく企業か

  • 2021年6月期は売上・営業利益が再び増加
  • 売上高研究開発費率は平均より少し高い程度
  • 売上が増えても費用は抑えられ、営業利益は前年比60%の成長

2-4-1. 売上高と営業利益

NSSCの売上高推移_2021

2020年6月期に若干減少した売上が、2021年6月期は再び増加に転じました。
前年比の伸び率(YoY)は13%です。

NSSCの営業利益(損失)推移_2021

営業利益は売上よりも大きく増加し、前年比(YoY)60%の成長を達成しました。

サービス収入の割合が増えたことで粗利率も43%から44%に上昇していますが、営業費用があまり増加していないことも利益の伸びを後押しした大きな要因です。

また、2020年6月期にあった無形資産の減損が2021年は発生しなかったため、利益を圧迫されずに済みました。

2-4-2. 研究開発費

2021年6月期の売上高は約114.04百万ドル、研究開発費は約7.62百万ドルだったので、売上高研究開発費率は約6.6%となります。
科学技術・学術政策研究所によると※1同規模の米国企業では5.2%程度が平均とされているので、平均よりは多くの投資を行っている企業だと言えます。

※1出典:文部科学省 科学技術・学術政策研究所科学技術指標2019

2-4-3. 項目まとめ

2021年6月期は売上・利益共に増加しました。
特に営業利益の成長率は良好ですが、これは2020年6月期の不調もあっての数値なので、今後も同じ比率での成長を維持するのは難しいかもしれません。

ただ、サービス収入は40%前後ずつ増加してきており、この傾向が続けば全体的な利益率の更なる上昇の可能性はあると考えられます。

また、研究開発費率は昨年とほぼ変わらず、安定した割合での支出となっています。

3. まとめ

クロとしてはナプコ・セキュリティ・テクノロジーズ(NSSC)は収益性が高く、地道な成長に期待したい銘柄です。

ハイパーグロース銘柄のように大きく成長することは難しいですが、コツコツと売上と利益を出している企業です。
売上を増加させても費用が爆発的に増えることはなく、純利益を積み重ねています。

また、サービス収入が成長を続けているので、利益率を更に上昇させるのではないかと期待しています。

今回の記事はNAPCO Security Technologies, Incの決算書及び四半期レポート、コーポレートサイトを参考に作成しました。少しでもお役に立てたら嬉しいです。
また、記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。

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