ノースロップグラマン【NOC】銘柄分析_2021更新版

米国株の年次決算書・銘柄分析
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ノースロップ・グラマン(Northrop Grumman Corporation / NOC)の決算書(10-K)・銘柄分析について、2021年決算を踏まえた内容に更新しました。クロの判断は以下の通りです。

  • 安定性(資金繰り)
  • 収益性
  • 経営の効率
  • 成長への期待

それでは見ていきましょう。

1. ノースロップ・グラマン(NOC)について

1-1. 業種

航空宇宙、防衛、電子テクノロジー

1-2. 事業の概要

ノースロップ・グラマンは、航空、防衛、ミッションシステム、宇宙の4つの部門に関する製品やサービスを提供している、国防の大手企業です。

サイバーセキュリティシステムやレーダー、自律システム、航空機、戦闘車両、防衛機器など、幅広く製品やサービスを提供しています。
また、一番大きな顧客は米国政府で、売上の80%以上を占めており、2019年から2021年にかけて、売上の83%、84%、85%と、徐々にその割合は増加しています。

宇宙事業においては、人類が初めて月に到達した”宇宙船アポロ”の月面着陸船を製造した実績もあります。

1-3. チャート

ノースロップ・グラマンの株価チャートはこのようになっています。
2020年2月の新型コロナ感染拡大によって暴落した後、何度も大きく上下しました。
2021年5月から9月頃までは停滞・下降気味でしたが、その後再び急上昇、急落を繰り返しています。(2022年2月8日時点)

2. 決算書(10-K)の分析

2-1. 経営の安全性(資金繰り)

  • ひとまずの資金繰りに問題はない
  • 固定負債が大きく、自己資本比率はあまり高くない
  • キャッシュフローは安定

2-1-1. 流動資産・固定資産に関する比率

(単位:百万ドル)

貸借バランスは”ギリギリ運用タイプ”です。

流動比率は約130%当座比率は約110%あるので、短期の資金繰りはなんとかなりそうです。

固定比率は約233%とかなり高い数値ですが、ひとまず純資産と固定負債で固定資産をまかなえていますし、年単位で見ると低下傾向にあるので問題は無いと考えられます。

2-1-2. 資本の比率

自己資本比率は約30%で、あまり高くはありませんが、ここ数年は上昇傾向です。

2-1-3. キャッシュフロー

営業がプラス、投資がマイナス、財務がマイナスという組み合わせで、フリーキャッシュフローはプラスです。

事業は安定して黒字で、毎年大きなキャッシュを生み出しています。

また、2021年は米国政府向けのIT・ミッションサポート事業を売却したことで、投資活動のキャッシュフローがプラス収支となりました。

財務活動では、債務の返済や自社株の買戻しに多くの資金を投じており、特に今年の自社株買いの金額は2020年の7.5倍にもなります。
以前から”IT・ミッションサポート事業売却によって得た資金は債務返済と自社株の買戻しに使用する”と説明しており、それを実行しています。

2-1-4. 項目まとめ

自己資本比率が上昇し、負債の比率が減少しました。

より安定した内容になりましたが、昨年よりも流動性は低下しています。

2-2. 収益性

  • 2021年の利益率は非常に高い
  • ROAは平均の2倍に上昇
  • 利益増加は事業売却や年金給付などによる

2-2-1. ROE(自己資本利益率)

自己資本があまり大きくなかったという面もありますが、ROEは米国平均を超えており非常に高いです。

特に2021年は事業売却や年金給付などによる利益もあり、最終的な純利益が大きく増加した(昨年の2倍以上)ため、自己資本も増加している中で、ROEは54%という高い数値になっています。

2-2-2. ROA(総資産利益率)

ROAもROEと同様に上下しています。
主に純利益の増減に合わせて動いていますが、2021年は分母となる総資産が減少しています。

なお、2021年のROAは米国平均の2倍の数値です。

2-2-3. 項目まとめ

2021年は非常に高い利益率となりましたが、事業外の要因が大きく関わっていました。
事業からの利益(営業利益から事業売却益を除いたもの)と売上高を比較すると、利益の割合が2020年の11%から10%へ低下しています。

ただ、過去のROE、ROAを見ると米国平均程度の収益性はあると言えそうです。

なお、売上のほとんどが米国政府によるものなので、現在の水準以上に利益率を上げるのは難しいでしょう。

2-3. 経営の効率

  • 総資本回転率は許容範囲
  • 棚卸資産回転率は非常に高い

2-3-1. 各回転率

総資本回転率は最低ラインとなる1回には届かないものの、許容範囲と言えます。

棚卸資産回転率は毎年40回を超えており、非常に高い数値です。

2-3-2. 項目まとめ

効率性は十分あり、特に在庫に関しては、余分な資産を保有せずに経営できています。

2-4. 成長している・していく企業か

  • 事業売却で売上減少
  • 営業利益は増加したが事業売却によるもの
  • 売上高研究開発費率は低め

2-4-1. 売上高と営業利益

増加を続けてきた売上ですが、2021年は前年比3%減少しました。
これは事業売却を行った影響です。

また、他のセグメントの売上減少と相殺されましたが、宇宙セグメントの売上は前年比21%増加、ミッションシステムセグメントの売上はわずかに(前年比1%未満)増加しました。

2021年は営業利益が大きく増加していますが、これは事業売却益が発生したためです。
事業売却益を除いた金額は3,671百万ドルで、過去数年の営業利益を下回っています。

また、繰り返しになってしまいますが、事業売却益を除いて売上高営業利益率を計算すると、2020年の11%から10%へ低下しています。

2-4-2. 研究開発費

売上高は約35,667百万ドル、研究開発費は約1,100百万ドルだったので、売上高研究開発費率は約3%となります。
かなり従業員数も多く規模の大きな企業ですが(米国では規模の大きな会社の方が売上高研究開発費率が低い傾向にある)、比率としてはやや低い値です。

2-4-3. 項目まとめ

2021年は事業自体の成長があまり見られませんでした。
ただ、セグメント別に見ると、宇宙とミッションシステムの売上は増加しています。

なお、政府が主な顧客ということもあって利益率の大幅な上昇は望めません。

3. まとめ

ノースロップ・グラマン(NOC)は、今後も米国政府からある程度安定した受注が見込めるものの、すぐに成長を期待するのは難しそうです。

2022年通年のガイダンスでは、今年(2021年)以上、2020年未満という売上見込み(36,200百万ドル~36,600百万ドル)となっていますし、アナリスト予想も36,580百万ドル(※Yahoo!financeより)で、ほぼ同程度です。
事業形態の近いロッキード・マーチン(LMT)のガイダンスも弱気な内容となっています。

これには米国の政治環境として、予算がなかなか決定しないことや、国防以外の予算との優先順位が懸念されることが影響しています。
今後の報道や発表を気にかけておきたい部分です。

また、ノースロップ・グラマンは、売上に対する事業セグメントの割合も少々変化しています。
2021年は宇宙事業が伸び、売上全体の30%を占めました。2020年は売上の24%だったので、6ポイントの増加です。
ロッキード・マーチンは2020年に引き続き18%なので、その差が更に大きくなったことがわかります。

今回の記事はNorthrop Grumman Corporationの決算書、コーポレートサイトなどを参考に作成しました。少しでもお役に立てたら嬉しいです。
また、記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。

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