先日発表されたミロマトリックス・メディカル(Miromatrix Medical Inc / MIRO)の12月締め四半期決算(2021年度第4Q)について、アナリスト予想とも比較しつつ内容をまとめていきます。
■ミロマトリックス・メディカルの銘柄分析を行った記事はこちらにあります。
1. アナリスト予想との比較
今四半期(2021年第4Q)は、アナリスト予想を下回るEPSでした。
また、売上は非常に小さいです。

次は、実際の売上高と利益額がどのように推移しているのかを見ていきます。
2. 四半期ごとの売上高と純利益(損失)の推移

これは、四半期ごとの売上高と純利益をまとめた表です。
(単位:千ドル)
売上はRepriseとのライセンス契約によるロイヤルティしかなく、今四半期は8千ドルでした。
一方、研究開発費をはじめ各種費用が増加しており、営業損失は5,459千ドル、最終的な損失は5,476千ドルとなっています。
また、ミネソタ大学とのライセンス契約による支払いは、毎四半期125千ドル発生しています。
3. その他の補足
3-1. 通年の結果
通年での売上もRepriseとのライセンス契約による33千ドルのみでした。
また、研究開発の加速などのために各種費用は増加しており、最終的な純損失は昨年の10,310千ドルから14,671千ドルに増加しています。
3-2. 臨床試験予定
外部肝臓補助システムの臨床試験申請を、2022年後半に行う予定です。
この申請が承認されれば、臨床試験の第1フェーズが開始されます。
また既に、メイヨークリニックと共同で、大型動物モデルへの臓器移植の最初の成功を発表しています。
3-3. 財務状況
2021年度末には、5,280万ドルの現金を保有していました。
この資金は、2023年までのマイルストーンを達成するのに十分だと見込んでいます。
累積赤字は74,052千ドル(7,400万ドル)となっていますが、IPOしたばかりなので、現状の自己資本比率は89%と非常に高いです。
4. まとめ
ミロマトリックス・メディカル(MIRO)はまだ売上がほとんどない状況が続いています。
2023年までの資金はIPOで得られたようですが、予想以上に費用が発生した場合はそれも危うくなります。
また、2022年後半に1つ目の臨床試験申請を行う予定となっており、製品から売上を生み出せるようになるのはまだまだ先の話です。
いずれ借入や増資が必要になってくるでしょう。
事業内容へ期待したい気持ちもありますが、長期的な投資になるので、十分検討したいと思います。
(ミロマトリックス・メディカルの事業内容や年度末の決算書分析を行った記事もこちら↓にあります)
今回の記事はMiromatrix Medical Incの決算書及び四半期レポート、コーポレートサイトを参考に作成しました。少しでもお役に立てたら嬉しいです。
また、記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。
過去の分析記事はこちらに一覧化しています。
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