数か月前から話題となっている中国の不動産大手企業”中国恒大”の経営危機ですが、12月6日が猶予期限切れとなる利払いが確認できていないという報道がなされています。
今回はこの問題についてまとめていきます。
1. 問題の発端
中国恒大グループは不動産開発大手です。
不動産バブルも手伝い、どんどんその事業を成長させていきました。
またその急成長に伴い銀行から多額の融資を受け、更に有利子負債となる債権の販売による資金調達も行っていました。
この少々危うい資金繰りでも積極的に事業を拡大していたのですが、あまりにも幅広く手を広げた(収益性のないものもある)ことと、負債の多い不動産開発企業に対する融資を引き締める政策が行われたことで、現在、この負債の返済や利払いに苦しんでいる状態です。
2. 12月6日分のデフォルト
これまでも期日までに利払いができなかったことはありましたが、期日から30日間の猶予期間が設けられており、その間に何とか支払いを行ってきました。
この猶予期間を過ぎても支払いができなかった場合、デフォルト(債務不履行)となります。
そんな中、11月6日に支払うはずだった米ドル債の8,249万ドル分の利払いが、猶予期間であった12月6日を過ぎても確認できないという報道が出てきました。(日本時間12月7日)
このままでは、”中国恒大”初のデフォルトに陥ると見られています。
3. 他の不動産企業も苦戦中
中国の不動産企業は苦戦が続いており、”花様年控股集団”や”佳兆業集団”など、これまで既に数社のデフォルトが発生しています。
また、これらは米ドル債のデフォルトだったため、支払いを受けられなかった人々の多くは海外の債権者だと考えられます。
4. 今後について
4-1. 世界経済に影響がある?
中国恒大のデフォルトは、中国市場や不動産セクターには多少の影響を与えると思いますが、クロ個人としては、リーマン・ショックの再来とまではならないと考えています。
リーマン・ショックの原因となったリーマン・ブラザーズは投資銀行だったため非常に幅広い影響力がありましたが、中国恒大グループはあくまで不動産会社なので、影響も限定的ではないかと思うからです。
ただ、大きな経済規模を持つ中国の大手企業なので、世界中から注目されていることも事実です。
短期的な影響は十分考えられます。
4-2. まだまだ利払い日は来る
中国恒大の抱える負債はまだまだ非常に大きいため、利払い日などの期限はこれからも何度も訪れます。
今回の利払いがデフォルトとなった場合は他の外貨建て社債もデフォルトとみなされるとも言われており、今後の動きは念のため追っておきたいです。
また、債務再編がいよいよ現実味を帯びてきたので、これからどのように交渉が進んでいくのかも気になります。
5. まとめ
米国株式市場が不安定な時期に、中国恒大のデフォルト報道が出てきました。
そこまで大きな影響はないのではないかと思ってはいますが、投資や株式売却はよく考えて自分自身納得する方法を取りたいと思います。
記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。
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