ルーシッド【LCID】銘柄分析_21年度決算更新版

米国株の年次決算書・銘柄分析
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ルーシッド・グループ(ルシード・グループ / Lucid Group Inc / LCID)の決算書・銘柄分析を、2021年度決算を踏まえた内容に更新しました。

なお、2021年7月26日にSPAC IPOし、製品納入が始まったばかりの企業なので、2021年度決算・事業内容・ガイダンスや生産能力といった点に焦点を当てた内容となっています。

    ポイント
  • 2021年7月にSPAC IPOした銘柄
  • ひとまずの資金は調達済み
  • 予約数は増加し25,000台超えに
  • 車両納入が開始され、既に300台以上を納入済み
  • 生産見通しを最大40%引き下げ

それでは見ていきましょう。

1. Lucid Group Inc(LCID)について

1-1. 業種

自動車・トラック(EV)、耐久消費財

1-2. 事業の概要

ルーシッド・グループは、元々ルーシッド・モーターズという社名のEV(電気自動車)ベンチャーでした。
2021年7月23日にSPACであるチャーチル・キャピタルIV(Churchill Capital Corp IV)と合併を果たし、26日から”LCID”というティッカーで取引が開始されています。(なお旧ティッカーはCCIV)

11月にIPOしたリビアン(RIVN)と共にテスラ(TSLA)の競合と言われていますが、ルーシッドは特に”ポスト・ラグジュアリー”を掲げた高級セダン型EV”Lucid Air(ルーシッド・エア)”を展開するなど高級車路線を走っており、よりテスラと近い分野に挑んでいます。

ルーシッドがEV車両の商業生産を始めたのは、2021年9月です。
前述したLucid Airが製造され、2021年10月下旬には初めての車両納入を行いました。
また、今後も継続的に車両モデルの開発を計画しています。

SPAC IPOによってルーシッドが得た資金は約44億ドルにもなり、今後しばらく運転資金には困らずに済みそうです。

また、2021年12月にはナスダック100指数に採用されました。

1-2-1. Lucid Air

公式サイトによると、Lucid Airの性能は、最高速度168マイル、1回の充電での最大走行距離520マイル、最大馬力1,111hp、充電率は20分間で最大300マイルとされています。

特に最大走行距離は、テスラを100マイル以上上回る(記事作成時点)計算です。

その他にも様々なテクノロジーが詰まっており、自動のドアロック解除・照明点灯といった動作はもちろん、顔認証機能によって事前に設定したセッティングが呼び出され、走行中であってもアレクサ(Alexa)に対応しているため、音声で簡単に車内のコントロールが可能です。

また専用のLucidアプリによって、車両へナビを送信したり充電スポットを見つけたりすることもできます。

1-3. チャート

ルーシッドの株価チャートはこのようになっています。
ナスダック100指数への組み入れ発表などの要因で、2020年12月からの下落は一旦落ち着きましたが、2021年1月中旬から下旬にかけて再び下降しました。
その後は停滞していたものの、今回の決算発表を受け、プレで14%の下落となっています。(2022年3月1日時点)

2. 決算書(10-K)の分析

2-1. 経営の安全性(資金繰り)

  • SPAC IPOと転換社債発行で資金調達
  • ひとまずの資金繰りは問題なし
  • 自己資本比率は50%
  • キャッシュフローは良くない
2021年決算書におけるLCID貸借バランス

(単位:百万ドル)

貸借バランスは”安定タイプ”です。

SPAC IPOによって多額の資金を調達したため、流動比率、当座比率共に1,500%を超えており、ひとまずの資金繰りは問題ありません。

2-1-2. 資本の比率

自己資本比率は50%と高い数値です。

2-1-3. キャッシュフロー

営業活動がマイナス、投資活動がマイナス、財務活動がプラスという組み合わせで、フリーキャッシュフローはマイナスです。

まだEVの納入が始まったばかりということもあって赤字額が大きく、営業活動は大きなマイナス収支です。

投資活動では設備などの購入を行っており、財務活動ではSPAC IPOだけでなく転換社債の発行による資金調達も行っています。

2-1-4. 項目まとめ

ひとまずの資金繰りには問題ありません。

まだ事業の商業化が始まったばかりなので仕方ありませんが、キャッシュフローは良くない状態です。

2-2. 成長している・していく企業か

  • 車両納入開始
  • 現状は大きな赤字
  • 予約数は増加し25,000台超えに
  • 2022年の生産見通しは最大40%引き下げ

2-2-1. 売上高と営業利益

LCIDの売上高推移_2021

2021年はEV車両”Lucid Air”の納入が開始されました。
この車両納入によって21.3百万ドルの売上が発生し、年間売上の大きな伸びに繋がっています。

なお、車両納入以外にも、バッテリーパックシステム、消耗品などを納入し、わずかながら売上を上げていました。

LCIDの営業利益(損失)推移_2021

2021年は営業損失も大きく増加しました。
この主な要因は、車両の製造・販売が始まったこと、そして従業員が増えたことです。

2021年は27百万ドルの売上に対し、155百万ドルの原価がかかっており、さらに営業費用1,403百万ドルが発生しました。

2-2-2. 研究開発費

売上高は約27.11百万ドル、研究開発費は約750.19百万ドルでした。
まだ年間を通じて車両を販売したわけではないので、売上高研究開発費率は参考になりませんが、研究開発に多額の資金を投じていることがわかります。

2-2-3. 予約数・生産数

2022年2月28日時点で予約数は25,000台を超えています。
これは24億ドル(2,400百万ドル)を超える売上に繋がる見込みです。

2021年9月末時点の予約数が13,000台以上とされていたので、その2倍近くに増加していることがわかります。

また、2021年末時点で125台の車両の納入を完了したこと、2022年2月28日時点の生産台数は400台を超えていること、そして既に300台以上を納入したことも併せて発表されました。

ただ、2022年の生産見通しは12,000台~14,000台へと引き下げられました。
2021年第3Q決算時には20,000台の生産を予測しており、最大40%の減少が見込まれています。

この生産台数の減少は、世界的な半導体不足によるものではなく、ガラスやカーペットなどの不足が原因だとしています。

2-2-4. 製造施設の拡張

アリゾナ州カサグランデの製造工場を約4倍に拡張する計画が順調に進んでいること、そして新たにサウジアラビアに国際製造工場を建設することを発表しました。

3. まとめ

クロとしては、ルーシッド・グループ(LCID)は市場の様子を見つつ少量の保有を検討していきたいと思います。

生産台数が大幅に削減されたのは残念ですが、一部指標でテスラを上回るバッテリー品質は強みだと考えています。

現在は市場が不安定なので今すぐ購入はしませんが、リスクヘッジを念頭に置きつつ、少量保有してみたいと思います。

今回の記事はLucid Group Incの決算書及びコーポレートサイトを参考に作成しました。少しでもお役に立てたら嬉しいです。
また、記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。

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