2021年9月四半期決算【JPM】JPモルガン・チェース

米国株の四半期決算
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JPモルガン・チェース(JPMorgan Chase & Co. / JPM)の9月締め四半期決算(2021年第3Q)について、アナリスト予想とも比較しつつその内容をまとめていきます。

JPモルガン・チェースについて、事業内容や年度末決算をまとめた記事はこちらにあります。

1. アナリスト予想との比較

継続的にアナリスト予想を上回るEPSを達成しています。

JPMのEPS_アナリスト予想と実績比較_2109

次は、実際の売上高と利益額がどのように推移しているのかを見ていきます。

2. 四半期ごとの売上高と純利益(損失)の推移

JPMの売上高・純利益(損失)_2109

これは、四半期ごとの売上高と純利益をまとめた表です。
(単位:百万ドル)

2021年第3Qは、第2Qより若干減収減益となっています。

今期も第2Qに引き続き、経済見通しの改善による貸倒引当金の取り崩し(戻入れ)があり、利益に大きく貢献しました。(第3Qの戻入額は約21億ドル)
一方で一部の事業では貸倒損失が計上されており、利益の圧迫につながっています。

貸倒引当金の戻入や貸倒損失が大きいのは、主にコロナ感染拡大やその収束による一時的なものなので、いずれはその影響も小さくなり落ち着いていくと考えられます。

売上を見ると、消費者向けのカード・自動車関連の収益、投資銀行事業の全体的な収益が減少し(ただし利益は増加している)、商業銀行事業、資産運用事業からの収益は増加しています。

3. その他の補足

3-1. 2020年・2021年の第3Q比較

消費者・コミュニティバンキング事業の売上は微減です。
消費者向けの住宅ローン、カードや自動車関連リースなどからの収入が減少しています。
また、平均預金残高や顧客投資資産は増加し、カードの販売枚数も増加しています。

投資銀行事業は増収増益です。
これは、アドバイザリー業務や株式の引き受けなどが増加したことによるものです。
ただ、市場関連の業務からの収益は、コモディティ、金利、スプレッド商品の不調から減少しています。

商業銀行事業は売上・利益共に増加しています。

資産運用事業も増収増益で、2020年と2021年の第2Qを比較したときと同様、管理手数料の増加や預金・ローン残高の増加が良い影響を生んでいます。

4. まとめ

売上・利益共に第2Qから減少してしまっていますが、貸倒損失が発生したにもかかわらず利益は確保されました。

また、消費者・コミュニティバンキング事業は前期(第2Q)より勢いが落ち着いたものの、カードの利用額が増加したり、住宅ローンの組成が増加したりといった好調な材料もあります。

その他にも、第2Qには下降気味だった投資銀行事業の利益が前年同期比29%増加していますし、資産運用事業は前期・前年同期のどちらと比較しても増収増益という結果です。

飛びぬけて良い結果とは言えませんが、問題のない内容だと言えるでしょう。
ちなみにEPS、売上のどちらもアナリスト予想を達成しています。

(JPモルガン・チェースの事業内容や年度末の決算書分析を行った記事もこちら↓にあります)

今回の記事は2020~2021年のJPMorgan Chase & Co.の決算書及び四半期レポート、コーポレートサイトを参考に作成しました。少しでもお役に立てたら嬉しいです。
また、記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。

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