今年の日本は平年より20日前後早い過去最速の梅雨明けとなり、更に気温も平年を上回る猛暑になると予想されています。
そこで今回は、1株の価格が1,000円以下のものを中心に注目関連銘柄を紹介していきます。
株価が1,000円前後であれば、一単元でも10万円~十数万円程度となりますし、もし1株単位で買えるサービスを利用すれば更に手軽な投資が可能です。
※株価については記事作成時点(2022年6月29日引け後)の価格を参照しています。何卒ご了承ください。
短かった梅雨や猛暑、暑夏から考えられるキーワードとしては以下のものがあります。
1. 注目キーワードと銘柄
各キーワードごとに、注目銘柄を紹介していきます。
1-1. 水不足
梅雨が短く、更に梅雨前線がなかなか日本付近に停滞しなかったことで降水量が減少し、水不足が懸念されています。
特に西日本の降水量が少なく、降水量が平年の半分以下という地域もあり、既に中国・四国地方の一部地域では取水制限が行われています。
1-1-1. 関連銘柄:トーエル(3361)
神奈川県地盤のLPガス小売り事業者。
飲料水事業に注力しており、長野とハワイに生産拠点を持つ。
ハワイの水が飲めるハワイアンウォーターをきっかけに事業が拡大し、現在はウォーターサーバー(宅配水)”アルピナ”、”ピュアハワイアン”、”信濃湧水”などを提供する。
■記事作成時点の1株あたり株価 936円。
1-1-2. 関連銘柄:ナック(9788)
ダスキンの代理店最大手で、ウォーターサーバー”クリクラ”も有名。
また、建築コンサルティングや住宅販売も行う。
■記事作成時点の1株あたり株価 998円。
1-1-3. 関連銘柄:東レ(3402)
衣料・産業用途の合成繊維事業が最も大きな柱。
また、医薬分野や電子材料分野、そして水処理装置(特に膜処理法では優位性を持つ)も展開する。
■記事作成時点の1株あたり株価 752円。
1-1-4. 関連銘柄:ダイキアクシス(4245)
浄化槽の大手メーカー。
排水処理だけでなく、再生可能エネルギー関連事業、飲料水事業などを手掛ける。
また、ナック(9788)のフランチャイジーとしてウォーターサーバー”クリクラ”の販売も行う。
■記事作成時点の1株あたり株価 757円。
1-2. エアコン・家電需要
暑さが厳しくなるとエアコンの需要が高まります。
また、電気代高騰などの影響もあり、より節電性能の高いエアコンへの買い替え需要、その他暑さ対策の家電需要も強まります。
1-2-1. 関連銘柄:ツインバード工業(6897)
調理家電や掃除機、扇風機などの小物家電を得意とする家電メーカー。
中国工場での生産が多い。
■記事作成時点の1株あたり株価 657円。
1-2-2. 関連銘柄:山善(8051)
機械や工具を専門とする大手商社。
産業用機器、一般建材、住宅設備の他、家庭用の機器も多く扱う。
海外にも多く拠点を持つ。
■記事作成時点の1株あたり株価 1,010円。
1-2-3. 関連銘柄:ビックカメラ(3048)
ソフマップ、コジマも傘下とする家電量販店大手。
ターミナル駅周辺・駅前に大型店を展開する。
■記事作成時点の1株あたり株価 1,180円。
1-3. 飲料需要
暑くなると、水分補給に繋がる水やお茶、ジュース、そして清涼感を求めてアイスなどの売上が上がります。
また、ビールなどのアルコール飲料も、気温が高い方が需要が強まるとされています。
ちなみに、安くておいしいアイスメーカーとして人気の赤城乳業やシャトレーゼは非上場です。
1-3-1. 関連銘柄:JFLAホールディングス(3069)
乳製品の生産・加工、また食品の卸売りや外食産業も幅広く行う。
世界で7,000店舗以上を展開するメキシカン・ファストフード・チェーン”Taco Bell(タコベル)”などが有名。(※日本法人)
また、焼肉チェーン”牛角”は、2020年に売却済み。
■記事作成時点の1株あたり株価 331円。
1-3-2. 関連銘柄:コカ・コーラ ボトラーズジャパンHD(2579)
日本国内のコカ・コーラボトラーの最大手。
■記事作成時点の1株あたり株価 1,602円。
1-3-3. 関連銘柄:キリンHD(2503)
ビール類では日本国内シェアトップとされる。
海外ではアジアやオーストラリアで展開しており(ブラジルは撤退)、他業種では医薬品の協和キリンが挙げられる。
■記事作成時点の1株あたり株価 2,158円。
1-4. 電力供給
猛暑によるエアコンなどの消費電力の増加が懸念される中連日節電が求められ、電力に対する関心が高まっています。
1-4-1. 関連銘柄:東京エネシス(1945)
東京電力関連をメインに発電所のメンテナンスなどを行う企業。
太陽光発電に関する事業も開拓中。
■記事作成時点の1株あたり株価 981円。
1-4-2. 関連銘柄:リミックスポイント(3825)
暗号資産交換所”ビットポイント”を運営する。
更に電力の小売りや中古車売買、ホテルなど、事業を広く展開。
■記事作成時点の1株あたり株価 637円。
1-4-3. 関連銘柄:アースインフィニティ(7692)
小規模天保や中小工場向けに電力・ガスの小売りを展開する新電力会社。
電子ブレーカーの製販も行う。
また、4月には”一般社団法人メタバース推進協議会”への入会を発表し話題に。
■記事作成時点の1株あたり株価 968円。
なお、アースインフィニティの株価は4月に急激な急騰と急落を起こしています。これは、上記メタバースへの参画発表と料金改定が主な要因だと考えられます。
1-4-4. 関連銘柄:エフオン(9514)
省エネ支援とバイオマス発電を2本の柱とし、自社発電所の運営も行う。
また、林業も行うことで、育成、管理、伐採、バイオマス発電に利用という資源循環を目指す。
■記事作成時点の1株あたり株価 566円。
1-5. 番外編:農産物の生育への影響
※ピックアップ銘柄の株価がどちらも1,000円を大きく超えるため、このキーワードは番外編として紹介します。
この記事を作成している6月末時点では、急激な気温の上昇や日照量の増加によって野菜などの生育が順調になりすぎていると言われています。
それによって全体的な農産物の価格は安くなっていますが、今後もこの状況が続くとは限りません。
必要な量の雨が降らなかったり(既に梅雨は終わってしまった)、必要以上に気温が上がり過ぎたり、といった問題が起きた場合は収穫量が減少する可能性があります。
1-5-1. 関連銘柄:ニチレイ(2871)/カゴメ(2811)
ニチレイは冷凍食品大手(冷凍野菜も幅広く取り扱う)のニチレイフーズを含むグループ企業。
カゴメは野菜ジュース大手。果実野菜ジュースとトマトジュースの国内シェアNo.1とされる。
なおこれらは輸入品も扱う企業のため、海外のインフレや燃料の上昇、円安などの影響を受けやすくなっています。
■記事作成時点の1株あたり株価 ニチレイ 2,341円、カゴメ 3,300円。
2. まとめ
今回は比較的手頃な株価の銘柄を中心に、猛暑に関連する事業を行う企業を紹介してきました。
見ていくと、中には有名企業であっても1株あたり1,000円前後から購入できるものもあります。
日本株は米国株と異なり、最小単位が一単元(原則100株)での購入となっているため、少々ハードルが高いですが、最近は1株単位で購入できるサービスも増えています。
一単元に満たない株数そのものやサービスについては、”S株”や”単元未満株”、”ミニ株”といった名称で呼ばれているので、まずは少しだけ日本株を保有したいという場合はこういったサービスの利用を検討するのがおすすめです。
また、株価が安い銘柄の中には、業績が芳しくなかったり、事業の将来性に少々気がかりな点があるという企業ももちろんあります。
どの点を重視して銘柄を選び、どの程度の懸念点を許容するのか慎重に検討したいところです。
個人的にはアースインフィニティ(7692)はより詳しく調べてみたいと思っています。
それぞれの事業、単語は魅力的ですが、メタバースと電力小売事業をどのように結び付けているのか気になるからです。
これから夏本番となってくるので、他の銘柄含め、早めに検討していこうと思います。
記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。
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