株式分割を発表していたインテュイティブ・サージカル(Intuitive Surgical Inc / ISRG)の権利付き最終日がいよいよ本日(2021年8月5日のプレスリリースより)となりました。
今回は、インテュイティブ・サージカルの行う株式分割の概要と、株式分割が株価に与える影響についてまとめていきます。
1. Intuitive Surgical Incについて
1-1. 概要
インテュイティブ・サージカルは、内視鏡手術支援ロボット”ダ・ヴィンチ・サージカル・システム(ダビンチサージカルシステム / da Vinci Surgical System)”を主力とし、圧倒的なシェアを持つ医療ロボットメーカーです。
低侵襲手術(患者の体への負担が少ない手術)を支援するロボットと、その部品・器具などを販売しています。
また、5Gなどの通信技術が普及すれば、遠隔手術も行われるようになるのではないかと期待もされています。
■インテュイティブ・サージカルの年次決算・銘柄分析はこちらで紹介しています。
1-2. 株式分割の内容
今回の株式分割は2021年8月5日に発表されました。
分割は1:3で行われる予定で、9月27日の営業終了時にインテュイティブ・サージカルの株を保有していると、分割分の追加株式(2株)を受け取ることができます。
また、分割調整後の株式取引が開始されるのは2021年10月5日の予定です。
ちょうど市場が不安定な時期の株式分割となったこともあり、分割後初日(10月5日)の取引は、分割発表の8月5日の株価と比べると若干低い価格で終えました。
また、分割発表後の9月中旬に記録した最高値と比較すると、10月5日の終値は約9%安い価格です。
2. 株式分割について
2-1. 株式分割とは
株式分割とは、文字通り”株式”を分割”することです。
たとえば、1株あたり100ドルの株式が1:2で株式分割を行えば、1株あたり50ドルになります。
しかし保有資産が減るわけではありません。
例に挙げた100ドルの株式を保有していた場合、50ドルの株式2株を保有することになり、実質的な資産価値は保たれます。
2-2. なぜ株式分割を行うのか
株式分割の主な目的は、高騰した株価を下げ、投資しやすくすることです。
今回のインテュイティブ・サージカルの株価は1,000ドル(約11万円)前後で推移しており、購入したくてもなかなか手を出しづらい価格となっていました。
株価を下げれば、今まで価格面で躊躇していたこれらの投資家をも呼び込むことができます。
多くの投資家に株を買ってもらい株主を増やすことは、株価の安定や上昇に繋がるとされています。
また、分割による発行済み株式数の増加で株式の売買が活発になり、流動性が高まることも期待されます。
2-3. 株式分割の株価への影響
株式分割が株価に与える影響は、プラスとマイナスどちらもあるとされています。
2-3-1. プラスの影響
株式分割で1株当たりの株価が下がって買いやすくなり、買い需要が強まる可能性があります。
これはプラスの影響です。
この買い需要は分割完了後の話ですが、「分割が完了すれば買い需要が高まるだろう」という予測で、分割前から株式が買われることもあります。
2-3-2. マイナスの影響
株式分割で保有株式数が増えることで”売りやすくなる”こともあります。
これは株価にマイナスの影響を与えます。
例えば1株しか保有していない場合、「株価も上がってきたしそろそろ売ろうかな」と思っても、その1株を売ると保有数がゼロになるため、躊躇してしまうことがあります。
しかし分割が完了すれば保有株式数が増えるため、”一部のみ売却(利確)”することが可能になり、株式売却の心理的ハードルが低くなるのです。
2-4. チャートの変動
2021年6月頃から値上がりを続けており、株式分割が発表された8月5日以降もその上昇傾向を維持しています。
直近は市場全体の波による値下がりもあってか、少々停滞気味にも見えます。(2021年9月27日時点)
3. まとめ
インテュイティブ・サージカル(ISRG)の株式分割がいよいよ迫ってきています。
特許切れのリスクはありますが、まだインテュイティブ・サージカルのシェアを奪えるような手術ロボットは流通しておらず、決算数値も安定して良好です。
今まではかなり高価な銘柄だったので、今回の分割を機に、新たな投資家の参入も十分期待できるのではないかと考えています。
年次決算や銘柄分析を行った記事もこちらにあります。
記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。
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