ゴールドマン・サックス(The Goldman Sachs Group, Inc. / GS)の9月締め四半期決算(2021年第3Q)について、アナリスト予想とも比較しつつその内容をまとめていきます。
■ゴールドマン・サックスについて、事業内容や年度末決算をまとめた記事はこちらにあります。
1. アナリスト予想との比較
過去4期は、アナリスト予想を大きく上回るEPSを達成しています。

次は、実際の売上高と利益額がどのように推移しているのかを見ていきます。
2. 四半期ごとの売上高と純利益(損失)の推移

これは、四半期ごとの売上高と純利益をまとめた表です。
(単位:百万ドル)
2021年第3Qは、第2Qと比較すると減収減益で、主な要因は資産運用事業の不調です。
しかし前年同期比と比較すると、売上は26%増加しています。
前年同期よりも好調となったのは、投資銀行事業やグローバルマーケット事業、コンシューマー&ウェルスマネジメント事業です。
なお、2021年第2Qは貸倒引当金の取り崩し(戻し入れ)によって利益が増加していましたが、今期(第3Q)は一転してクレジットカードなどに関するポートフォリオ拡大を反映し、175百万ドル(1億7,500万ドル)の引当金を計上しています。
また、アナリスト予想の売上11,670百万ドルは達成しています。
3. その他の補足
3-1. 2020年・2021年の第3Q比較
投資銀行事業の売上は88%、利益は290%の増加です。M&Aの件数増加を反映したファイナンシャルアドバイザリー部門、有価証券などの引き受け・売り出しを行うアンダーライティング部門などが売上を大きく伸ばしました。
グローバルマーケット事業では金利商品、住宅ローンが不調だったものの、コモディティの収益やエクイティ・ファイナンス(新株発行による資金調達)が増えたことによって、売上が23%増加しました。
資産運用事業は第2Qが好調でしたが、第3Qは18%の売上減少、30%の利益減少(前年同期比の数値)となっています。
これには主に株式投資による収益が大きく減ってしまったことが影響しました。
コンシューマー&ウェルスマネジメント事業も平均運用資産、クレジットカード預金残高の増加を受けて好調です。
4. まとめ
資産運用事業が不調だったものの、全体的には前年同期を上回る良い決算でした。
前年(2020年)はコロナ感染拡大によって様々な社会の変化がありましたが、その中でもゴールドマン・サックスは売上・純利益ともに2019年を超えており、今回はそんな2020年の同期を超える内容です。
また、EPS・売上ともにアナリスト予想を超える結果を出しています。
(ゴールドマン・サックスの事業内容や年度末の決算書分析を行った記事もこちら↓にあります)
今回の記事は2020~2021年のThe Goldman Sachs Group, Inc. の決算書及び四半期レポート、コーポレートサイトを参考に作成しました。少しでもお役に立てたら嬉しいです。
また、記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。
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