6月FOMC声明_経済指標と利上げの行方は?

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6月14日~15日にFOMCが実施され、政策金利の引き上げやQT(バランスシート縮小)の方針が含まれた声明が発表されました。
今回はその内容や、連日発表された米国の経済指標、次回FOMCでの金利引き上げ幅の見込みをまとめていきます。

1. 6月のFOMCについて

1-1. 今回の利上げ

今回の政策金利の引き上げ幅は0.75ポイントとなりました。

元々0.5ポイントの引き上げは確実視されており、更に0.75ポイントの利上げの可能性についても事前に報道などがあったため、市場にはあまり動揺が見られませんでした。

1-2. 次回(7月)の利上げ

次回の政策金利引き上げ幅は”0.5ポイント~0.75ポイントとなる可能性が高い”ことをFRB議長であるパウエル氏が述べています。

7月のFOMCでも利上げに対して強硬な姿勢を見せてはいるものの、”今回の0.75ポイントの利上げ幅は異例と捉えている”ことや”この引き上げ幅が普通になることは見込んでいない”とも発言しており、こちらも市場の反応をやわらげる要因となりました。

1-3. QTについて

QT(バランスシート縮小)に関しては、以前の発表通りです。
6月から月475億ドルのペースでスタートし、9月には月950億ドルの削減を目指します。

2. 経済指標の発表

この数日間は米国の経済指標が相次いで発表されました。

2-1. 5月CPI

こちらの記事で詳しく紹介していますが、6月10日に発表された米国CPI(消費者物価指数)は8.6%の上昇(前年同月比)で、予想を上回る結果となりました。

前月比でも1.0%の上昇を見せており、インフレの進行をうかがわせる内容です。

2-2. 5月PPI

6月14日にはPPI(生産者物価指数。卸売物価指数とも呼ばれる)も発表されました。
PPIは前月比0.8%上昇前年同月比10.8%となっています。

こちらはほぼ予想通りの結果(前年同月比に関しては、予想が10.9%だったのでわずかに下回った)ですが、いずれにしてもインフレ圧力の強さを感じさせる内容です。

2-3. 5月小売売上高

6月15日に発表された小売売上高は、小売・サービスの売上金額を表す経済指標です。
こちらは前月比微増という予想に反し、前月比0.3%の減少となりました。

商品不足もあってか自動車の売上が大幅に減少(3.5%減少)しており、その自動車を除いた場合は前月比0.5%増加となります。
ただ、自動車を除いた場合の予想値は0.7%増加だったため、いずれにしても予想を下回る結果です。

他にも家具や家電の購入が、それぞれ0.9%、1.3%減少しており、大きな買い物を控える傾向が出てきています。

その一方でガソリンスタンドの売上は4%増加、食料品店では1.2%増加となっています。
ただしこれはインフレ調整を行っていない数値なので、購入が増えたのではなく価格上昇が反映されただけという可能性も大いにあります。

3. まとめ

経済指標を見ると、インフレが続きすぎており、個人の消費に陰りが出てきたように捉えられます。
一時はインフレのピークアウトも期待されましたが、世界情勢の煽りを受けた石油価格の高騰などもあり、今なおインフレ圧力は強い状態です。

FOMCの声明発表後は一時的に株価が上昇に転じましたが、経済的な不安が解消されたわけではないので、もうしばらく慎重な姿勢を維持しておきたい状況です。

記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。

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