2022年2月16日に、1月実施分のFOMC議事録が発表されました。
利上げが確実視される内容です。
早速見ていきましょう。
1. 2022年1月実施のFOMC議事録
今回の議事録内容は概ね市場の予想通りで、株価に大きな影響を及ぼすことはありませんでした。
ただ、この1月FOMCの後に発表された雇用統計やCPI(消費者物価指数)はいずれも予想値を上回る結果となっており、3月のFOMCでは金融引き締めの必要性がより強く協議されるかもしれません。
1-1. 3月の利上げはほぼ確定
以前から予想されていましたが、3月のFOMC(3月15日~16日に実施予定)で政策金利(FF金利)引き上げを行うことが確定的になりました。
FOMC参加者も高インフレへの危機感を強めており、雇用に関しても”ほぼ最大雇用に達している”という見方が強くなっています。
また、繰り返しになってしまいますが、この議事録の協議が行われたのは1月25日~26日で、先日、予想を上回る結果を出したCPI、雇用統計が発表されるより前の話です。
これらの数値を受けて、次回の協議内容が、より強い金融引き締め施策・タカ派に傾く可能性もあります。
3月の政策金利引き上げ幅についても、以前は0.25%という見方が優勢でしたが、現在は0.5%という見方も強まってきており、予想が割れている状態です。
1-2. 通年の金利引き上げ幅
2022年内の政策金利引き上げ幅についても、予想値が上昇してきています。
以前は年内に0.75%程度の引き上げ(2022年末時点での金利が0.75%となる)が見込まれていましたが、現在は1.5%の引き上げも予想されており、バンク・オブ・アメリカにいたっては1.75%~2%までの引き上げを予測※1しています。
前回実施時は約3年で2.25%の利上げが実施されましたが、それをはるかに上回る速いペースが予測されています。
※1 Bloomberg記事を参照。2022年2月17日閲覧:https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-01-31/R6KZ3GT0AFBB01
1-3. バランスシートの縮小に関して
バランスシートの縮小(QT)に関しても、”前回実施時より早いタイミングでの開始”と”前回実施時より速いペースでの縮小”を行う方針です。
なお前回は、政策金利引き上げ開始から2年間の間をあけてバランスシートの縮小を開始し、縮小自体も数年間かけて行いました。
しかし今回はもっとスピード感を持った実施になると考えられます。
2. まとめ
今回のFOMC議事録はほぼ想定通りの内容で、株式市場の動揺もありませんでした。
3月に政策金利引き上げがあるという点については市場も織り込み済みなので、0.25%の利上げ発表であれば、株価にもあまり影響はないかもしれません。
しかし今回は引き上げ幅も明確ではないため、クロとしては、次回FOMCが開催される3月15日~16日までに投資のポジションを下げ現金を多めに保有しておくといった、リスクヘッジを行いたいと思います。
記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。
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