1月25日~26日に行われていた2022年最初のFOMC(米国連邦公開市場委員会)が終わり、声明が発表されました。
声明では3月には政策金利引き上げを行う方針が示されるなど、タカ派寄りに受け止められる内容です。
早速見ていきましょう。
1. テーパリング終了時期
政策金利引き上げやバランスシート縮小実施の前段階とも言えるテーパリング完了の時期は、2022年3月で変更ないようです。
2. 政策金利引き上げ
政策金利(FF金利・フェデラル・ファンド金利などとも呼ばれる、米国の代表的な短期金利)引き上げは”近いうちに適切になる”としました。
今回は据え置きとなりましたが、次回3月15日~16日に予定されているFOMCで政策金利の誘導目標を引き上げる決定が行われる(ゼロ金利解除)だろうと見られます。
実際、声明発表後の記者会見で、パウエル議長が”3月会合での政策金利引き上げを意識している”と言った趣旨の発言をしています。
リーマンショック後の金融引き締めの際には株価に大きな下方圧力がかかった政策金利引き上げが、いよいよ目前に迫ってきています。
■こちらに前回のテーパリング・政策金利引き上げ時の株価推移などをまとめた記事もあります。
3. バランスシート縮小
バランスシート縮小(資産縮小、QTとも呼ばれる)も、長期金利上昇などにつながり、前回実施時には株価が大きく反応(下方圧力)した施策です。
今回の発表では”利上げのプロセスを開始した後に縮小を始める”という文言がありました。
前回は2015年後半から政策金利引き上げ開始、2017年10月にバランスシート縮小開始という長期的な施策実施でしたが、今回はもっと短い期間で施策が進められていきそうです。
市場の混乱を避けるとは言われていますが、株価が上がりづらい局面はまだまだ続きそうです。
4. 市場の予想との比較
今回の声明内容は、概ね市場の予想通りでした。
ただ、インフレや労働市場の強さが示される中、政策金利引き上げの回数やペースに対して明言が無かったことから、今後の施策スピードが少々不安視(予想以上に早く引き締めが進められる可能性)されています。
4-1. 市場の反応
以下は、昨晩の各指数の変動を表したチャートです。
FOMCの声明が発表された午前4時頃(日本時間)から株価は一時下落し、その後少々持ち直しているのがわかります。
ダウ指数のチャートです。

ナスダック指数のチャートです。

S&P500指数のチャートです。

5. まとめ
米国経済は引き続きインフレ状態にあり、労働市場は力強くなっているという判断から、いよいよ次回FOMCでの政策金利引き上げが濃厚になってきました。
この引き上げも、0.25%なのか、0.5%なのかで大きく市場が動きそうです。
クロとしては、次回FOMCが予定されている3月15日~16日まで、あまり積極的に株式を保有するつもりはありません。
なお、記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。
コメント