12月FOMC_テーパリング加速に舵切り

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2021年12月15日(日本時間では16日早朝)、FOMC(米国連邦公開市場委員会)の声明が発表されました。

テーパリングと2022年の利上げ回数について動きがあったのでまとめていきます。

  • テーパリングは1月から2倍に加速
  • 政策金利は最大雇用目標達成まで維持
    ただし2022年内に3回(0.25%ずつ)引き上げを示唆

1. 元々のテーパリング予定

1-1. テーパリングとは

テーパリングとは、現状行われている金融施策”量的緩和”(国債などの金融資産を国が大量に買い入れることによって、金融市場に資金を供給する施策)の出口戦略です。

新型コロナ感染拡大による経済への打撃に対して開始されたFRBの今回の量的緩和では、国債を月800億ドル、住宅ローン担保証券を月400億ドル買い入れています。

経済が回復し緩和政策の必要がなくなってくればこの買い入れ量を減らし最終的に買い入れを終了するのですが、この買い入れ量の縮小がテーパリングです。

1-2. 11月FOMCで予定されていたペース

テーパリング開始決定をアナウンスした11月のFOMCでは、テーパリングのペースを、毎月国債100億ドル、住宅ローン担保証券50億ドルずつの縮小だとしていました。

併せて11月の買い入れは国債700億ドル、住宅ローン担保証券350億ドル、12月は国債600億ドル、住宅ローン担保証券300億ドルだと具体的な数値も示されています。

ただし、市場や経済的な見通しが変動した場合は”これらの縮小ペースを調整することも視野に入れている”と念押しもありました。

また、11月時点では、政策金利(FF金利)は0~0.25%付近に据え置くとされていました。

2. 今回示唆された変更点

インフレの長期化が懸念される中、今回のFOMCの声明で示された内容は以下の通りです。

2-1. テーパリングペース

国債と住宅ローン担保証券合わせて各月150億ドルの縮小から、毎月300億ドルずつの縮小(国債200億ドル、住宅ローン担保証券100億ドルずつへと2倍のペースに加速することが決定されました。

これによって2022年半ばという当初の見込みよりも早くテーパリングが終了することが予測されます。

なおこの加速は1月から適用され、1月は国債400億ドル、住宅ローン担保証券200億ドルの購入となる予定です。

2-2. 政策金利引き上げ

これまで政策金利引き上げについては”2022年内に開始するかどうか”という議論が行われていましたが、今回のFOMCでは大きく方向転換し”2022年内に0.25%ずつ3回引き上げる”ことが示唆されました。

更に2023年にも同様に3回、2024年には2回の利上げが適切であるという方針が示されています。

ただ、”最大雇用目標が達成されるまでは現状の政策金利を維持する”、”市場や経済の見通しが変化した場合は改めて縮小ペースを調整する”といった念押しの発言もありました。

いずれにしても、前回のテーパリング実施時のチャートを見ると、政策金利の引き上げは株価に大きな影響を与えかねないので、随時情報は追っていきたいと思います。

3. まとめ

テーパリング加速が決定され、政策金利引き上げの前倒しも現実のものとなりそうです。
しかしパウエル氏が既にこれらを示唆する発言をしていたこともあり、今回の声明は市場が織り込んでいた予想通りの内容でした。

政策金利に関しては大きな方向転換があり、”タカ派に転じた”と言われていますが、声明発表後の株価は上昇しています。

念のため市場の動向は引き続き気にしておこうと思いますが、米国債のデフォルトも回避されましたし、一旦は不安要素が落ち着いたのではないかと考えます。

記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。

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