F5【FFIV】銘柄分析_エッジ対応を進めるネットインフラ・セキュリティ企業

米国株の年次決算書・銘柄分析
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F5(F5 Inc / FFIV)の決算書(10-K)分析やニュースについてまとめました。クロの判断は以下の通りです。

  • 安定性(資金繰り)
  • 収益性
  • 経営の効率
  • 成長への期待

それでは見ていきましょう。

1. F5 Inc(FFIV)について

1-1. 業種

電子テクノロジー、ネットワークインフラ、アプリケーション配信・セキュリティ

1-2. 事業の概要

F5はマルチクラウドアプリケーションのセキュリティ・配信ソリューションを提供する企業です。
2022年2月に、旧社名F5 Networks, Inc.から変更されました。(なお、記事作成次点では北米本社のみの変更)

主なカテゴリには、API管理やロードバランシング、アプリケーションのモニタリングといったパフォーマンスソリューション、様々な脅威からアプリケーションを保護するセキュリティソリューション、DevOpsやマルチクラウド管理の自動化ソリューション、ポートフォリオのエンドツーエンドの可視化を可能にするインサイトソリューションがあり、これらを実現するハードウェア、ソフトウェアがラインナップされています。

また、近年注目を集めるエッジコンピューティングにおいても包括的なサービスを提供するため、2021年1月にエッジプラットフォームを手掛けるVolterraを買収しました。

アプリケーションがエッジに分散して利用される未来を見据え、トラフィックの可視化、管理、そして安全で快適な通信の実現を目指しています。

1-3. チャート

F5の株価チャートはこのようになっています。
2018年10月頃から株価は下降傾向にありましたが、2020年の新型コロナ感染拡大による更なる下落の後、上向きに転じました。
2022年の年明け以降は株価が下がり、3月中頃からは上昇するなど、市場の波にも影響された動きをしています。(2022年4月9日時点)

2. 決算書(10-K)の分析

2-1. 経営の安全性(資金繰り)

  • 資産の流動性はギリギリ
  • 事業が黒字でキャッシュフローは概ね安心
  • 自己資本比率は高め

2-1-1. 流動資産・固定資産に関する比率

FFIV貸借バランス_2021

(単位:百万ドル)

貸借バランスは”ギリギリ運用タイプ”です。

流動比率は116%当座比率は105%で余裕はありませんが、ひとまず期限の近い負債を支払えるだけの流動性はあります。
固定比率は143%ですが、純資産と固定負債でまかなえているので許容範囲内だと言えるでしょう。

2-1-2. 資本の比率

自己資本比率は約47%と高めの数値です。

2-1-3. キャッシュフロー

営業活動がプラス、投資活動がマイナス、財務活動がマイナスという組み合わせで、フリーキャッシュフローはプラスです。

事業は黒字で、更に株式報酬の戻入れなども大きいため、営業活動のキャッシュフローは純利益以上に大きなプラス収支となっています。

投資活動では売買・満期保有目的の有価証券などの購入、そして売却・満期による収入がありますが、事業の買収に投じた資金が大きいため、最終的にはマイナス収支です。

また財務活動では、自社株の買戻しを行っています。

2-1-4. 項目まとめ

ギリギリの数値ではありますが、ひとまずの資金繰りには問題なさそうです。
また、キャッシュフローを見ると、しっかりと現金が生み出されていることがわかります。

2-2. 収益性

  • 2018年度から2020年度の間、純利益は減少
  • 2021年度に再び増益
  • 自己資本・総資産は増加続き
  • ROAは米国平均程度

2-2-1. ROE(自己資本利益率)

FFIVのROE(自己資本利益率)推移_2021

2018年度から2020年度の間、純利益は減少を続けました。
また、母数となる自己資本は年々増加しているため、ROEの数値は連続して低下しています。

しかし、2021年度は純利益が再び増加に転じたため、ROEも少々上昇しました。

2-2-2. ROA(総資産利益率)

FFIVのROA(総資産利益率)推移_2021

ROAもROE同様の推移をしています。
また、総資産についても増加が続いています。

2-2-3. 項目まとめ

売上が年々増加している中、純利益は減少傾向となっていました。
しかし、2021年度に再び利益が増加しています。

また、ROEは米国平均より少々低いですが、ROAは平均と同程度の数値です。

2-3. 経営の効率

  • 総資本回転率は最低ラインの半分程度
  • 売上は増加も、買収などによる資産急増で回転率低下

2-3-1. 各回転率

FFIVの総資本回転率、固定資産回転率、棚卸資産回転率_2021

総資本回転率は約0.5回で、最低ラインの半分程度です。また、固定資産回転率も1回に届きません。
これらには、近年買収を繰り返したことで、のれんをはじめとした資産が急増したことが大きく影響しています。

また、必要な在庫は少なく、棚卸資産回転率は非常に高い数値です。

2-3-2. 項目まとめ

資産の極端な増加は無く、総資本回転率は最低ラインより若干低い程度の数値ですが、売上の減少が回転率の低下を招いています。

2-4. 成長している・していく企業か

  • 売上・営業利益は減少傾向だった
  • 2021年度は売上増・営業利益微増
  • 粗利率は低下気味
  • 売上高研究開発費率は平均の5倍近い

2-4-1. 売上高と営業利益

FFIVの売上高推移_2021

売上は増加を続けています。
2021年度の成長率は11%で(前年度比)有名なグロース銘柄と比較すると見劣りしますが、増加を維持している点は期待が持てます。

売上の内訳を見ると、サービスよりも製品売上の方が大きく伸びており、売上に占める割合も徐々に大きくなってきています。
また、製品売上の中でもソフトウェアの成長が大きいです。

FFIVの営業利益(損失)推移_2021

増加を続ける売上に対し、営業利益は減少傾向にあります。
ただ、2021年度はわずかながら増加に転じました。

また2021年度の粗利率は81%で、2018年度の83%から低下しており、人件費が増えた影響などで各種費用も増加しています。

2-4-2. 研究開発費

売上高は約2,603.42百万ドル、研究開発費は約512.63百万ドルだったので、売上高研究開発費率は19.7%となります。
科学技術・学術政策研究所によると※1同程度の従業員規模の平均は4.1%とされており、研究開発費率は平均の5倍近い数値です。

※1出典:文部科学省 科学技術・学術政策研究所科学技術指標2019

2-4-3. 項目まとめ

売上は増加していますが、利益が減少気味です。
2021年度は増収増益となりましたが、営業利益の伸びは1%未満と小さく、収益性が少々低下していることが伺えます。

ただ、売上高研究開発費率はかなり高く、エッジコンピューティングへの対応を目指すなど、将来を見据えた事業戦略を取っている点には期待できるかもしれません。

3. まとめ

クロとしては、F5(FFIV)は、もうしばらく様子を見たい銘柄です。

のれん資産などが膨らんでいる点、最近は利益が減少気味な点が気になりますが、売上は増加を続けており、将来への投資にも積極的な内容です。

市場の様子や今後の動向を見つつ、保有を検討したいと思います。

今回の記事はF5 Incの決算書及びコーポレートサイトを参考に作成しました。少しでもお役に立てたら嬉しいです。
また、記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。

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