エクセラレート【EE】銘柄分析_天然ガスの液化・再ガス化ソリューションリーダー

米国株の年次決算書・銘柄分析
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エクセラレート・エナジー(Excelerate Energy Inc / EE)の決算書(10-K)分析やニュースについてまとめました。クロの判断は以下の通りです。

なお、エクセラレート・エナジーは2022年4月にIPOしたばかりの企業です。
ティッカーシンボル”EE”ではエルパソ・エレクトリックという企業も出てきますが、記事作成時点で既に上場廃止されており、現在EEというティッカーシンボルを使用しているのはエクセラレート・エナジーです。

  • 安定性(資金繰り)※IPO前の決算しかない
  • 収益性
  • 経営の効率
  • 成長への期待

それでは見ていきましょう。

1. Excelerate Energy Inc(EE)について

1-1. 業種

エネルギー(天然ガス)

1-2. 事業の概要

エクセラレート・エナジーは、LNGソリューションを用いて世界各地に天然ガスを供給する企業です。

LNGとは、天然ガスを冷却(-162℃とされる)し液化させたもののことを言います。
天然ガスは液化させることで体積が約600分の1になるため、輸送が非常に行いやすくなるのです。

このLNGの調達・供給や、利用・消費地域での再ガス化を行っているのがエクセラレート・エナジーです。
また、海上に浮かぶLNG再ガス化設備(FSRU)やインフラ開発なども手掛けており、LNGの輸送・供給に関する全般的なソリューションを提供しています。

事業は世界的に拡大しており、現在(2022年度第1Q決算時点)では、世界8ヶ国に支社を置き、米国、ブラジル、アルゼンチン、イスラエル、アラブ首長国連邦、パキスタン、バングラデシュで事業を行っています。

アルゼンチンとバングラデシュでは最大の、ブラジルとパキスタンでは最大級の再ガス化LNG供給者となっており、更にブラジルでは最大級のFSRU操業者でもあります。

また、2021年12月にブラジルのPetrobras社からのLNG基地リースと、それに伴う再ガス化天然ガスなどのPetrobras社への販売を開始しており、今後もその他顧客への販売が計画されています。

1-3. チャート

エクセラレート・エナジーの株価チャートです。
IPOは2022年の4月で、6月以降は下落傾向にありました。
しかし7月に入り、株価が上向いてきています。(2022年7月11日時点)

2. 決算書(10-K)の分析

2-1. 経営の安全性(資金繰り)

  • IPO前は資金繰りに若干の不安あり
  • 2022年4月IPOで改善されているはず
  • 現在出ているのは2022年3月までの決算

2021年末時点では、流動資産より流動負債の方が若干大きく、当座比率が70%と少々低めの数値でした。
しかしこの後IPOを行っているので、状況は改善していると考えられます。

なお、IPO後の財務状態がわかる決算はまだ発表されていません。(記事作成時点の最新決算は、2022年度第1Q)

2-2. 収益性

  • 黒字だが純利益は増減している
  • 自己資本・総資産は増加傾向
    →2022年度はIPOで更に増加が予測される
  • ROE・ROAは低下傾向
    →こちらもIPOの影響で低下の可能性アリ

2-2-1. ROE(自己資本利益率)

EEのROE(自己資本利益率)推移_2021

純利益が増減している一方、自己資本は増加傾向にあり、ROEは低下気味です。

また、IPOによって自己資本が更に大きく増加すると予測されるため、利益が大幅に増えない限りは更にROEが下がると考えられます。

2-2-2. ROA(総資産利益率)

EEのROA(総資産利益率)推移_2021

ROAもROE同様、低下傾向にあります。
こちらもIPOの影響で更に低下する可能性があります。

2-2-3. 項目まとめ

ROE・ROAは低下傾向で、数値自体も高くありません。
ただ、大きな資産・設備の保有が必要となるビジネスモデルなので、高い数値は出にくい面もあります。

また、赤字の新興企業とは異なり、エクセラレート・エナジーは既に連続して利益を出しています。

2-3. 経営の効率

  • 総資本回転率は低め
  • プラントや設備といった資産が大きい
  • IPOで更に低下の可能性アリ

2-3-1. 各回転率

EEの総資本回転率、固定資産回転率、棚卸資産回転率_2021

総資本回転率、固定資産回転率は低めです。
事業の性質上大きな設備などが必要となるため、ある程度は仕方ないと言えます。

また、棚卸資産の多くはLNG貨物です。

2-3-2. 項目まとめ

回転率は低いですが、大きな資産が必要となるビジネスモデルをとっているため、多少は許容できます。
また、IPOによって現金等の資産が増えると考えられるため、回転率は一時的に低下すると予測されます。

2-4. 成長している・していく企業か

  • 2021年度は売上2倍以上
  • 2022年度第1Qも259%の売上成長
  • ガス販売による売上が急増している
    ※ガス販売はコストも大きく発生
  • FSRUなどの引き合い増加中

2-4-1. 売上高と営業利益

EEの売上高推移_2021

2021年度の売上は、前年の2倍以上に急増しました。
これは主に、2020年度はゼロだったLNG、天然ガスの販売が、2021年度は420百万ドル発生したことによるもので、売上のもう一つの柱であるFSRU・ターミナルサービスによる収益に上乗せされました。

なお2020年度のガス販売がゼロだった理由として、ニューイングランド市場での長期契約を追求していることが挙げられていますが、2021年度も同様の長期契約は獲得できていません。
しかし、他の地域でのLNG販売を行ったことで売上は大きく増加しました。

また、2022年度第1Q(記事作成時点の最新決算)でもガス販売による売上は非常に大きく、3ヶ月間で494百万ドルに達しています。
一方この四半期では、船舶の転貸が減少し、FSRU・ターミナルサービス収益が前年同期比22%減少し98百万ドルとなりました。
なお総売上では、前年同期比259%増加という結果です。

EEの営業利益(損失)推移_2021

売上は大きく増加していますが、営業利益は伸び悩んでいます。
これはガス販売の直接費用がかなり大きいためです。
2021年度はガス販売による売上の93%もの直接費用が、2022年度第1Qは94%もの直接費用が発生しています。

特に2022年度第1Qでは、リースを開始したブラジルのLNG基地に関する原価・船舶コストの上乗せもあり、営業利益は前年同期比38%減少しました。

2-4-2. 項目まとめ

ガス販売によって売上を急増させていますが、このセグメントはコストが大きく、全体的な利益率が低下しました。
しかしそんな中、世界情勢の変化によって、ロシアから天然ガスを輸入していた国々からのFSRUやターミナルの問い合わせが増加しているとしており、ガスに対する需要はまだまだ強まっていくことが考えられます。

事業拡大へ期待できそうですが、いずれは利益面の改善にも着手してほしいところです。

3. まとめ

クロとしては、エクセラレート・エナジー(EE)は、期待を込めて注視していきたい銘柄です。

保有はIPO後の決算を待ちたい気持ちもありますが、市場の変動によっては一旦少量の購入を検討したいです。
なお採算度外視で赤字のまま事業を拡大させている企業とは異なり、既に連続で利益を出している点は魅力的ですが、利益率の低下とIPOに伴う費用増加が重なり、一時的に赤字となる可能性があります。

また外的要因として、脱炭素社会に向けたクリーンなエネルギーとして天然ガスの需要があるのはもちろん、ロシアに関する世界情勢の変化からもエクセラレート・エナジーの事業への関心は高まっているので、今後も注目していきたいです。

今回の記事はExcelerate Energy Incの決算書及びコーポレートサイトを参考に作成しました。少しでもお役に立てたら嬉しいです。
また、記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。

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