【DRNA】買収発表でディセルナ急騰

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2021年11月18日、ディセルナ・ファーマシューティカルズ(ディサーナ・ファーマシューティカルズ / Dicerna Pharmaceuticals, Inc. / DRNA)の株価が約78.7%急騰し、この日の取引終了時点の株価は38.03ドルとなりました。

今回はこの株価急上昇の引き金となった買収発表についてまとめていきます。

ディセルナの年次決算・銘柄分析(事業内容含む)はこちらの記事で紹介しています。

1. Dicerna Pharmaceuticals, Inc. について

1-1. 概要

ディセルナは、RNA干渉技術(RNAi)を利用して、病気の原因となる遺伝子を選択し阻害・抑制する医薬品・治療法を開発している企業です。

現時点では販売する商品が無く、複数の企業との提携契約などからロイヤルティを得ています。

また、販売する商品はまだないものの、臨床試験中の医薬品が複数あります。

1-2. チャート

2021年8月6日、40ドル近くまで上昇していた株価が一気に下落しています。
これは臨床試験の結果を受けて(詳しくはこちら)のもので、その後なかなか株価は元の水準に戻れずにいました。

しかし今回11月18日に、一気に38ドルへ値上がりしています。

2. 急騰の理由は買収発表

2-1. ノボ・ノルディスクがディセルナを買収

この11月18日、ノボ・ノルディスク(Novo Nordisk / NVO)がディセルナ・ファーマシューティカルズを買収することを発表しました。

買収価格は1株当たり38.25ドルで、総額は33億ドルにもなります。
11月17日の終値は約21.3ドル程度だったので、買収プレミアムが80%程度乗せられた価格での買収だといえます。

2-2. ノボノルディスクとは

ノボ・ノルディスクはデンマークに本社を置く製薬企業です。
主軸は糖尿病治療で、インスリン製剤やその他医薬品を世界各国で販売しています。

また、肥満や、まれな血液疾患などに対する製品も開発・展開しており、2019年からディセルナのRNAi技術を用いた共同研究も行っていました。

この共同研究の内容は、慢性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、2型糖尿病、肥満、希少疾患などに対するもので、2022年にはこの共同研究から生まれた最初のRNAi治療薬の臨床開発がノボ・ノルディスクによって開始される予定となっています。

2-3. 買収に関する今後の予定

ノボ・ノルディスクは子会社を通じ、ディセルナの株式を全て1株当たり38.25ドルで公開買付(TOB)する予定です。
取引が完了すると、買収を行ったノボ・ノルディスク子会社とディセルナは合併されます。

合併と共にディセルナの残りの株式は取り消される予定なので、市場の様子を見つつ価格が上がっているタイミングで売ってしまうことをおすすめします。
なお、もし株式を売却せずにいても、最終的には買収価格で強制売却となります。

取引は2021年第4Qに完了する予定です。

3. まとめ

今回発表された買収は80%もプレミアムが乗っており、現状のディセルナ・ファーマシューティカルズ(DRNA)にとってかなり良い条件です。

RNAiはまだまだ発展途上の技術ではありますが、今回の買収で更に医薬品の開発が進展することを期待して、ノボ・ノルディスクの動向も見ていきたいと思います。

今回の記事はDicerna Pharmaceuticals, Inc.のコーポレートサイトなどを参考に作成しました。少しでもお役に立てたら嬉しいです。
また、記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。

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