3Dシステムズ【DDD】2021年3月四半期決算

米国株の四半期決算
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先日発表された3Dシステムズ(3D Systems Corporation / DDD)の四半期決算を、アナリスト予想と比較しつつご紹介します。
事業内容や年度末決算など銘柄分析した記事はこちらにあります。

1. アナリスト予想との比較

直近の2021年3月締め四半期(第1Q)は、アナリスト予想を大きく上回るEPSでした。工具用統合CADやプログラミングのソフトウェアを運営する子会社Cimatronの売却によって、四半期を黒字(純利益45百万ドル)で終えることができました。

なお、これらを含めない事業のみの収支では2百万ドルの営業損失を出していますが、2020年の同一四半期の18百万ドルの営業損失からみると、かなり改善しています。この改善は、10百万ドルの売上増加と、リストラなどによる費用の削減によるものです。

DDDのEPS_アナリスト予想と実績比較

次は、実際の売上高と損失額がどのように推移しているのかを見ていきます。

2. 四半期ごとの売上高と純利益(損失)の推移

DDDの売上高・純利益(損失)

これは、四半期ごとの売上高と純利益・純損失をまとめた表です。
(単位:百万ドル)

2021年第1Qは2020年第4Qよりも売上高が減少していますが、この四半期は子会社の売却益の影響もあり、黒字で終えることができています。(子会社売却は1月1日に完了)
また、2020年・2021年の第1Qを比較すると、2021年の売上高は7.7%増加しています。

3. その他の補足

3-1. 子会社Cimatronの売却

2021年1月1日、非中核となるソフトウェア事業(工具用CAD・CAMのソフトウェア「Cimatron」やCNCプログラミングソフトウェア「GibbsCAM」)を運営する、子会社CimatronLtd.を約64百万ドルで売却しました。

3-2. バイオプリント・産業用ソフトウェア企業の買収

2021年5月~6月、バイオプリンティングソリューションの開発企業であるAllevi社と、ドイツのソフトウェア企業であるAdditive Works社の買収を発表しました。

バイオプリンティングには約3年前から取り組んでおり、United Therapeutics社と提携してヒトの臓器のプリントを目的とした再生医療プログラムの開発を目指してきました。
2021年1月に、生きた細胞を維持するために必要な血管形成を可能にする高速印刷能力を実証するなど技術の拡大に成功したことを発表しており、今回のAllevi買収はその取り組みをさらに成長させるための投資です。

また、Additive Works社の買収によって、CADシステムや3Dシステムズのプリント・プラットフォームである”3DXpert”の強化(スループット最大化、セットアップ時間の短縮、ユーザーインターフェースの改善など)を目指します。

4. まとめ

3Dシステムズ(3D Systems Corporation)の今回の決算はアナリスト予想を大きく上回る結果となり、株価の急上昇に繋がりました。
黒字の主な要因は子会社の売却ですが、前年同期比での売上高自体も増加しているので、今後の成長に期待したくなります。

子会社の売却や新たな企業の買収も、ヘルスケアと産業に集中していくという言葉通り、まさしく有言実行といえるでしょう。

(3Dシステムズの事業内容や年度末決算についてまとめた記事もこちら↓にあります)

今回の記事は2020~2021年の3D Systems Corporationの決算書及び四半期レポート、コーポレートサイトを参考に作成しました。少しでもお役に立てたら嬉しいです。
また、記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。

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