クラウドストライク・ホールディングス(CrowdStrike Holdings, Inc. / CRWD)の10月締め四半期決算(2022年第3Q)について、アナリスト予想とも比較しつつその内容をまとめていきます。
■クラウドストライクの事業内容や年次決算についてまとめた記事はこちらにあります。
1. アナリスト予想との比較(EPS)
アナリスト予想をクリアし続けています。

次は、実際の売上高と利益額がどのように推移しているのかを見ていきます。
2. 四半期ごとの売上高と純利益(損失)の推移

(単位:百万ドル)
売上は増加を続けています。
前期と比較すると、売上が増加し、純損失は減少するという結果になりました。
一方、前年同期比では売上が63%増加したものの、純損失は106%も増加しています。
ただ粗利率は74%から73%と大きな変動はなく、売上と事業からの損失(営業損失)の比率も10%台でほぼ変わりません。(ちなみに事業に関する費用は販売・マーケティング費用、研究開発費用、管理費など全て増加しており、これには従業員の増加や報酬の増加が影響している)
この純損失の増加は主に事業に関する費用が増えたこと、支払利息や法人税が増加したことによるものです。
3. その他の補足
3-1. 新規顧客の増加・採用数
サブスクリプションの顧客は、2四半期連続で1,600以上増加しました。
なお、前期に獲得したサブスクリプション新規顧客数は1,660、今期は1,607で、2021年10月31日時点の総サブスクリプション顧客数は14,687です。
また、そのうち4つ以上のモジュールを採用している顧客割合は68%、5つ以上は55%、6つ以上は32%となっています。
3-2. ガイダンス修正
2022年1月期の通年見通しが引き上げられました。
売上は13億9,120万ドル~14億940万ドルから14億2,710万ドル~14億3,290万ドル、Non-GAAPの営業利益は1億290万ドル~1億1,650万ドルから1億3,540万ドル~1億3,970万ドルへ変更されています。
3-3. キャッシュフロー
サブスクリプションというビジネスモデルのため繰延収益が大きく、それを戻入れると営業活動のキャッシュフローは4億1,500万ドルのプラス収支です。
3-4. Google cloud環境サポート
モジュールの一つ、”Falcon Horizon”のCSPM(クラウドセキュリティポスチャ管理)でGoogle cloud環境のサポートを発表しました。
AWS、Azureには既に対応しており、これでクラウドプロバイダー大手の3つを保護できるようになりました。
4. まとめ
クラウドストライク(CRWD)の今四半期は、売上の継続的な伸びやガイダンス引き上げ、更に顧客数増加で良い結果となりました。
前年同期比での損失拡大は気になりますが、直近の四半期ごとの推移を見ると減少してきていますし、Non-GAAP基準での営業利益も増加(ただしGAAPでは営業損失が発生)しています。
今回の記事は2020~2021年のCrowdStrike Holdings, Inc.の決算書及び四半期レポート、コーポレートサイトを参考に作成しました。少しでもお役に立てたら嬉しいです。
また、記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。
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