4月発表CPI_上昇は止まらず

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4月12日、2022年3月のCPI(米消費者物価指数)実績値が発表されました。
市場は序盤全体的に上昇していたものの、後半は下げに転じ、最終的にはダウ指数-0.26%、ナスダック指数-0.3%、S&P500指数-0.34%という結果になっています。

今回はCPIの結果や、こういった株価の推移の理由などをまとめていきます。

1. CPI結果

1-1. CPI数値と市場への影響

CPIは、前年同月と対象月(今回の場合は2022年3月)で、同程度のものを購入した場合にかかる費用の変動率を表しています。

CPIの予想値は8.4%であったのに対し、結果は8.5%と少々上振れました。
しかしこの数値はほぼ市場の想定内であったため、株式市場に大きな動揺は無く、昨日の反発もあって株価を押し上げていました。

また、天候などによる価格変動の大きい食品やエネルギーを省いて計算される”コアCPI”は予想を下回る結果(予想6.6%に対し結果は6.5%)であったことも、インフレがピークアウトに近づいているという期待を強めました。

1-2. 後半の市場の下落はなぜ?

序盤は値上げ傾向にあった株式市場が下落に転じたのは、最近下降が続いていた原油価格が急激に回復し、100ドルを超えるまで上昇したことが主な要因だと考えられます。
今回のCPIはピークアウトが近いことを感じさせましたが、この原油価格上昇がインフレ懸念を呼び戻してしまったようです。

そのため、昨日の下げ相場の中でもエネルギー関連は比較的好調でした。
エネルギーセクターETFであるXLEは1.66%、VDEは1.68%の上昇となっています。

なお、この原油価格上昇は、ウクライナ情勢や中国のロックダウン緩和といった世界情勢によるものです。

2. 利上げやバランスシート縮小への影響

先日発表された雇用統計では、失業率が予想を下回っていました。
非農業部門雇用者数は予想より良くない結果ではあったものの、2月の数値が上方修正されたため、実質的に雇用者は増加したと見られています。

実質PCE(個人消費支出)が再び減少した点もインフレの強まりを感じさせる中、想定内とはいえ8.5%ものCPIが発表されました。

そのため、5月3日~4日に実施されるFOMCでは、0.5ポイントの大幅利上げやバランスシート縮小(QT)開始が決定されるという見方が依然として強い状況です。

3. まとめ

CPIはほぼ想定内の結果とされ、加速が続くインフレもそろそろピークアウトするのではないかという期待がある中、原油価格の上昇が再び不安を強めることになりました。
5月のFOMCでは3月より大きな金融引き締めが行われると予想されます。

また、これから決算シーズンが始まるため、最近の世界情勢の影響なども注目を集めています。

記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。

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