2021年12月10日、アメリカの最新CPI(消費者物価指数)が発表されました。
テーパリング加速を占う注目度の高い指標でしたが、今回は予測と全く同じという結果です。
それでは詳しく見ていきましょう。
1. CPI
1-1. 概要
CPIは消費者物価指数を表します。
”ある時点”を基準に、いま同程度のものを購入した場合にかかる費用の変動がパーセンテージで示されます。
1-2. CPIの結果
今回発表されたCPIは11月の数値です。
今回は先日のパウエル氏(FRB議長)の発言(先日の上院銀行委員会の公聴会で”インフレは一時的ではない”、”テーパリングの加速を議論すべき”という見方が示された)を受けて、テーパリング加速を裏付ける材料が出るのかどうか注目が集まっていました。
結果は以下の通りです。
- 10月のCPI
- 予想値:6.8%
- 実際:6.8%
- (前回:6.2%)
1-3. コアCPIについて
コアCPIとは、通常のCPIから価格変動の激しい”エネルギー”や”食品”を除いて計算したものです。(日本ではコアコアCPIと呼ばれる)
この指数の予測値は”前月から0.5%増加”でした。
そして実際も”前月から0.5%増加”で、予測通りという結果です。
2. 考えられる影響
11月のFOMCで実施が決定されたテーパリングですが(量的緩和施策として毎月国債800億ドル、住宅ローン担保証券400億ドルを購入していたが、この決定を受けて11月は国債700億ドル、住宅ローン担保証券350億ドルへと減らされている)、パウエル氏の発言を受けて更に加速される(購入量を更に縮小する)のか、そして2022年内に政策金利が引き上げられるのかどうかが焦点となっていました。
”CPIが予測値と全く同じ”そして”前回より0.8%上昇している”という結果は、予想通りに経済が回復している、もしくは予想通りにインフレが継続されているということを裏付けているとも受け取れます。
もちろん”予想を上回るインフレが起きている”という状況は免れたので一安心でもありますが、クロとしては今回の結果であればテーパリング加速議論は行われるのではないかと思います。
これらの議題について一旦の答えが得られる次回のFOMCは12月14日~15日の予定です。
2-1. 株式市場
予測通りの数値ということは既に市場が織り込み済みの数値とも言えるので、今回の結果を受けての混乱は起きないと思われます。
また、昨日はCPIへの警戒で売りが多かったこともあるので、一旦は上昇するでしょう。
実際、記事作成時点でのプレ数値は上昇し、またVIX指数は下がっています。
ただ次回のFOMCも近いですし、ハイテク系銘柄が一晩中好調とはいかなさそうだと思っているので、クロ個人としては今すぐ購入するつもりはありません。
3. まとめ
11月のCPIは予測と全く同じという、判断しづらい結果でした。
しかし数値自体は上昇していますし、”予想よりもインフレが落ち着いている”とも言えない結果だったため、クロとしては次回FOMCの声明を待ちたいと思います。
記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。
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