CPI発表で一段落_市場に好調の波が来る?

株・金融に関するニュース
スポンサーリンク

2021年10月13日は、アメリカのCPI(消費者物価指数)の発表日でした。
また同時に、9月に行われたFOMCの議事録の公表、今四半期決算ラッシュの行方を占うJPモルガン、デルタ航空の決算発表もありました。

今回はCPIと先日の雇用統計の結果を中心に、株式市場への影響をまとめていきます。

1. CPI

1-1. 概要

CPIは消費者物価指数を表します。
”ある時点”を基準に、いま同程度のものを購入した場合にかかる費用の変動がパーセンテージで示されます。

1-2. 2021年9月の結果(10月発表分)

2021年9月のCPIは、予想5.3%に対して実際は5.4%でした。

もっと高い数値が出てくるとテーパリングや金利引き上げが早まりそうで不安でしたが、実際は予想とあまり乖離しなかったので市場の動揺も小さく済みました。

ただ、継続して高いCPIを維持していることは変わりなく(2021年5月からずっと5%以上)9月のFOMC議事録にも発言がありましたが、テーパリングの年内開始はほぼ決定的と言えます。

2. 雇用統計

2-1. 概要

雇用統計は、アメリカ国内の雇用状況を表します。
”失業率”と”非農業部門雇用者数”が特に注目されており、株式などの市場に関して、よく「今月の雇用統計は〇〇人だった」と話されているのは非農業部門雇用者数です。

一点注意しておきたいのは、非農業部門雇用者数は”当月内に雇用された人数”ではなく、”当月内の雇用者数が、先月の雇用者数から何人増減したかを表す指標だという点です。

2-2. 2021年9月の結果(10月発表分)

今回の雇用統計の結果は、非農業部門雇用者数19.4万人、失業率4.8%でした。

特に非農業部門雇用者数の予想が50万人だったため、予想を大きく下回る結果に「テーパリングは先延ばしか?」という声もありました。

しかし、失業率は予想の5.1%より低い4.8%という結果であり、しかもこの4.8%という数値はFOMCの2021年年間見通しだったため、失業率は早くも年間目標を達成したような形となりました。
そのため、テーパリング先送りの可能性は低いという見方が強いです。

なお、この非農業部門雇用者数の少なさには、例年ならこの時期に行われる公的教育関連の新学期採用が少なかった(161,000人の減少となっている)ことが大きく影響しています。

3. FOMCとJPモルガン・デルタ航空の決算

今回公表された9月のFOMC議事録では、このまま大きな問題が無ければ11月中旬もしくは12月中旬のテーパリング開始という方針が出ています。
次回のFOMC(11月2日~3日)でテーパリングが発表される可能性はますます高まりました。

なお、予定通りに進んだ場合のテーパリングの終了は2022年半ばとされており、金利引き上げは2022年内に1回目が行われるかもしれない(18人中9人が2022年内に1回目の引き上げを予想)という姿勢です。
ちなみにFF金利先物は、2022年9月までの利上げ実施を織り込む水準となっています。

また、JPモルガン・チェースやデルタ航空の四半期決算内容も概ね良かったので、これから続々出てくる各企業の決算にも期待が持てます。
時期的にCOVID-19(新型コロナ)のデルタ株の影響を少々心配していましたが、思ったより影響の少ないセクターもありそうです。

4. まとめ

政府のデフォルトリスクもひとまず回避され、不安視されていた雇用統計とCPI発表も問題なく終わり、市場へのマイナス要因がひとまず落ち着きました。
11月の初旬(FOMC)にはテーパリング開始のアナウンスがありそうなので気になりますが、かなり前から言われていたことでもあるので、株式市場は既にそれらを織り込んでいると考えられます。

また、アメリカの1日あたりのコロナ感染者数が減少してきていることも、景気を後押ししそうです。

中国の不動産大手”中国恒大”が未だに利払いを先送りにし続けているのは不安点ですが、米株式市場への影響は限定的だと考えます。
ただクロとしては、中国に大きく展開していたり生産などを依存している企業には、今はあまり積極的な投資をする気にはなれません。

記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。

コメント

タイトルとURLをコピーしました