セルシウスHD【CELH】銘柄分析_健康志向の次世代エナジードリンクを展開

米国株の年次決算書・銘柄分析
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セルシウス・ホールディングス(Celsius Holdings Inc / CELH)の決算書(10-K)分析やニュースについてまとめました。クロの判断は以下の通りです。

  • 安定性(資金繰り)
  • 収益性
  • 経営の効率
  • 成長への期待

それでは見ていきましょう。

1. Celsius Holdings Inc(CELH)について

1-1. 業種

清涼飲料水

1-2. 事業の概要

セルシウス・ホールディングスは、健康志向のドリンクを展開する企業です。

いくつもの種類を展開する主力飲料ブランド「Celsius」は、カフェインを多く含んでおり、「RedBull」や「Monster」と同様の”エナジードリンク”のカテゴリに分類されます。
しかしCelsiusは他のエナジードリンクとは異なり、健康志向を明確にしています。

製品を飲むことによる脂肪燃焼の促進や新陳代謝の上昇といった効果が科学的に証明されているとしており、ドリンク自体も人工甘味料や添加物を使用していません。
更に砂糖の代わりにスクラロースを使用することでカロリーを抑えている他、塩分控えめ、コーシャーやビーガン認証済み、大豆・グルテンフリーという特徴も持っています。
そのため、他のエナジードリンクとは異なり、実際にトレーニングやフィットネスを行う際に飲むユーザーも多くいます。

製品としては、缶に入ったドリンクタイプと水に溶かして飲む粉末タイプがあり、スーパーマーケットやコンビニといった小売店、ヘルスクラブ、スパ、ジム、軍隊へも販売しています。
また、北欧の流通パートナーであるFunc Foodを買収してヨーロッパへも流通を拡大させる予定です。

コストコ、AmazonでもCelsiusは人気で、2021年度(12月締め)ではセルシウスの売上全体に対し、それぞれ12.7%、10.1%を占めました。

1-3. チャート

セルシウス・ホールディングスの株価チャートです。
2020年2月頃の新型コロナ感染拡大があった後、株価は大きく上昇しました。
その後2021年11月に下落に転じましたが、最近は上下しつつも値上がり傾向にあります。(2022年7月20日時点)

2. 決算書(10-K)の分析

2-1. 経営の安全性(資金繰り)

  • 売上と共に買掛金増加
    →現金に対し流動負債が大きめ
  • 自己資本比率は高い
  • 在庫が急増しキャッシュフローはマイナス

2-1-1. 流動資産・固定資産に関する比率

CELH貸借バランス_2021

(単位:百万ドル)

貸借バランスは”安定タイプ”です。

ただ、棚卸資産(在庫)を含む流動資産で計算する流動比率は282%と高い数値になっていますが、より厳密な資金繰りを表す当座比率は62%と低めです。
この差は流動資産の多くを棚卸資産が占めているために生じたものです。
なお、この比率の計算に使用している流動負債の大半は、売上に伴う買掛金の増加です。

固定比率は低く、問題ありません。

2-1-2. 資本の比率

自己資本比率は約69%でかなり高いです。
前年度よりも10ポイント低下していますが、これは買掛金などの負債が急激に増加した影響で、自己資本自体は前年度から倍増しています。

2-1-3. キャッシュフロー

営業活動がマイナス、投資活動がマイナス、財務活動がプラスという組み合わせで、フリーキャッシュフローはマイナスです。

2019年度~2020年度は営業活動のキャッシュフローがプラス収支となっていましたが、2021年度はマイナスとなりました。
主な要因は、棚卸資産(在庫)の著しい増加です。棚卸資産はすぐに現金化できないため、キャッシュフローではマイナス処理されます。

投資活動では設備への投資が大きくマイナス収支、財務活動では株式発行による資金調達でプラス収支となっています。

2-1-4. 項目まとめ

買掛金を含む流動負債に対して現金等が若干少ないことや、棚卸資産の著しい増加など、少々気になる点があります。
ただ、2022年度第1Q終了時点(記事作成時点の最新決算)での当座比率は90%程度まで改善しているので、ひとまずは許容範囲と言えるでしょう。

2-2. 収益性

  • 2019年度から黒字化
    ※ただし事業外収益による
  • 自己資本・総資産は増加中
  • 利益の減少傾向でROE・ROAは低下

2-2-1. ROE(自己資本利益率)

CELHのROE(自己資本利益率)推移_2021

2019年度から黒字となり、ROEもプラスに転じています。
ただ純利益額は2020年度、2021年度と減少しており、その一方で自己資本は大きくなっているため、ROEは低下傾向にあります。

ちなみに2020年度以降も売上は大きく増加中で、売上が減ったことによる利益減少ではありません。(費用の増加などでの利益減少)

2-2-2. ROA(総資産利益率)

CELHのROA(総資産利益率)推移_2021

ROAもROE同様、低下傾向にあります。

2-2-3. 項目まとめ

2019年度から黒字となりましたが、年単位で見ると純利益は減少傾向にあります。

ただ、2019年度、2021年度は事業外収益が大きかったことによる黒字(中国のQifengとのライセンス契約や、法人税の調整など)で、2020年度は事業そのものから利益を生み出した黒字という違いがあります。
また、2022年度第1Q(記事作成時点の最新決算)の純利益は前年同期比1,042%増加となっており、好調さが伺えます。

なお2021年度の実績は、ROE、ROAともに平均よりかなり低い数値です。

2-3. 経営の効率

  • 総資本回転率は十分
  • 在庫が前年度の10倍以上に急増
    →棚卸資産回転率は低い

2-3-1. 各回転率

CELHの総資本回転率、固定資産回転率、棚卸資産回転率_2021

総資本回転率、固定資産回転率は十分です。
ただ、在庫を多く抱えているため棚卸資産回転率が低くなっています。
この在庫は、前年度の10倍以上に急増しています。

2-3-2. 項目まとめ

在庫が急激に増え、棚卸資産回転率が低下していますが、総資産に対する総売上は十分な数値です。

2-4. 成長している・していく企業か

  • 2021年度は売上140%増加
  • 2022年度第1Qも167%の成長
  • 2019年度、2021年度は営業損失発生
  • 売上高研究開発費率は低い

2-4-1. 売上高と営業利益

CELHの売上高推移_2021

2021年度の売上は、前年度比140%増加となりました。
特に北米での売上の伸びが著しく、95百万ドルから273百万ドルへと大きく増えています。
また伸び率で見ると、アジアでの売上が約1百万ドルから約2.5百万ドルへ、2.5倍近く増加しました。

こういった売上の伸びは、2020年度に起きた新型コロナ感染拡大によるフィットネス施設の閉鎖が解消されてきたことも影響しているとされます。

また、2022年度第1Q(記事作成時点の最新決算)の売上は、前年同期比167%と好調です。

CELHの営業利益(損失)推移_2021

2019年度以降は純利益が発生し黒字となっていますが、実際に事業から利益が出ていたのは2020年度のみです。
ただ、2022年度第1Qは約10百万ドルの営業利益が発生しています。

2020年度以降は営業費用の増加が大きく、特に2021年度はその傾向が顕著です。
また、2020年度は47%に上昇していた粗利率が、2021年度はサプライチェーンの問題に関するコスト増加で41%にまで低下しました。

なお、2019年度、2021年度の最終的な黒字の要因は中国のQifengとのライセンス契約や、法人税の調整などの事業外収益です。

2-4-2. 研究開発費

売上高は約314.27百万ドル、研究開発費は約1百万ドルだったので、売上高研究開発費率は0.3%となります。
科学技術・学術政策研究所によると※1同程度の従業員規模の平均は7.8%とされているため、平均よりかなり低い数値です。

※1出典:文部科学省 科学技術・学術政策研究所科学技術指標2019

2-4-3. 項目まとめ

売上は力強く増加していますが、利益面では少々不安定です。
ただ、まだ黒字化して数年の企業であり、健康志向のエナジードリンクという新しいジャンルに挑戦している点、2022年第1Qは利益を出せている点から、今後も期待を込めて見ていきたい銘柄です。

3. まとめ

クロとしては、セルシウス・ホールディングス(CELH)は、期待を込めて追っていきたい銘柄です。

2021年度の決算は、資産の流動性や営業損失の発生など気がかりな点がありましたが、2022年度第1Qはこれらが改善されています。
現状では他の食品・飲料銘柄のような安定した値動きは期待できませんが、”健康志向”という多くのユーザーの心を掴むフレーズが魅力的だと考えます。
次回決算にも期待したいです。

今回の記事はCelsius Holdings Incの決算書及びコーポレートサイトを参考に作成しました。少しでもお役に立てたら嬉しいです。
また、記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。

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