27.5%暴落【CDNA】司法省が調査?_ケアディーエックスQ決算

米国株の四半期決算
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ケアディーエックス(CareDx, Inc. / CDNA)の第3Q(7月~9月)決算が2021年10月28日に発表され、株価は大きく下落しました。
EPSのミスもありましたが、30%近い下落の一番の理由は”業績と一緒に発表された米国司法省・SECの調査”です。

今回は四半期決算と、この司法省・SEC(米国証券取引委員会)による調査について公表されている限りのことをまとめました。

1. CareDx, Inc.とは

ケアディーエックスは、臓器移植前後の診断・監視・ケアのための検査やサービスを提供している、バイオテクノロジー企業です。

まだ赤字続きですが、売上は年々増加しています。

詳しい事業内容や年次決算分析などを行った記事はこちらにあります。

2. 2021.9四半期決算

2-1. EPSと売上の市場予想比較

最近は赤字ながらもアナリスト予想を上回り続けていましたが、今期は達成できませんでした。

また、売上は増加を続けていますが、今期は少々伸び率が小さい結果です。

CDNAのEPS・売上_アナリスト予想と実績比較_2109

2-2. 売上と純損失の推移

CDNAの売上高・純利益(損失)_2109

これは、四半期ごとの売上高と純利益をまとめた表です。
(単位:百万ドル)

売上は勢いが落ち着いたものの増加を続けていますが、純損失も増加しました。
これは人件費を中心に、事業に関する各種費用が増加したことによるものです。
また、ミロマトリックス(MIRO)への投資に対する損失も影響しています。

売上の増加率は、前年同期比で42%、第3Qまでの9ヶ月間の比較では63%となります。

2-3. 年間ガイダンス引き上げ

2021年の売上について通年見通しが引き上げられました。
これまでは2億8,000万ドル~2億9,000万ドルの範囲としていましたが、今回の業績を受けて、2億9,000万ドル~2億9,300万ドルの範囲に更新されています。

3. 米国司法省・SECの調査

3-1. 概要

ケアディーエックスは今回の第3Q決算書内で、”最近、米国司法省(DOJ)から腎臓検査・採血サービスに関するビジネス慣行に対し、False Claims Act(不正請求防止法)に関連する文書の提出(民事調査要求・CID)を求められた”と公表しました。

False Claims Act(不正請求防止法)は、政府からの金銭の不正受給や納付額の過少申告といった問題を取り締まるための法律です。

他にも決算書内ではSEC(米国証券取引委員会)から”民事調査要求(CID)の事項、ケアディーエックスの会計に関する事項”の調査を受けていること、そして召喚状を受け取ったこと、そして更に州の規制当局から情報提供要請を受けていることも公表されました。

3-2. ケアディーエックスの対応

ケアディーエックスは、これらの調査・要請に対し”全面的に協力している”、”法令の遵守に努めている”としています。

ただ、今回は決算書内で”調査・要請を受けている”旨を公表しただけで、これ以上の具体的な情報開示は何もありませんでした。

4. まとめ

売上を増加させ好調に見えたケアディーエックス(CDNA)ですが、今回の調査公表は株価に大きな打撃を与えています。
また、公表の仕方も決算書内の明記のみだったため、不誠実な印象を抱く人も多かったかもしれません。

真偽のほどはまだわかりませんが、非常にリスクが高まったことは間違いないので、クロとしては一度ポジションを下げ、今後の動向を注視したいと思います。

今回の記事は2020~2021年のCareDx, Inc.の決算書及び四半期レポート、コーポレートサイトを参考に作成しました。少しでもお役に立てたら嬉しいです。
また、記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。

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