先日発表されたケアディーエックス(CareDx, Inc. / CDNA)の6月締め四半期決算(2021年第2Q)について、アナリスト予想とも比較しつつその内容をまとめていきます。
■ケアディーエックスの事業内容や年度末決算について紹介した記事はこちらにあります。
1. アナリスト予想との比較
赤字ではありますが、アナリスト予想よりは良いEPSを達成しています。
ただ、今回はアナリスト予想との差が小さめです。
次は、実際の売上高と利益額がどのように推移しているのかを見ていきます。
2. 四半期ごとの売上高と純利益(損失)の推移
これは、四半期ごとの売上高と純利益をまとめた表です。
(単位:百万ドル)
2021年第2Qは、第1Qと比較して売上が増加したものの、純損失も増加してしまいました。
これは営業経費が増加したためで、特に研究開発費とセールス・マーケティングの費用が大きく増えています。
なお、前年同期比では売上が50%増加、純損失は71%減少しています。
この純損失(最終的な損失)の減少には、2021年5月に株式を購入したMiromatrix社の未実現利益が計上されたことも影響しています。
3. その他の補足
3-1. セグメント別の結果
2020年、2021年の上半期を比較すると、総売上は77%増加しています。
特に大きいのがテストサービス(臓器移植に関するDNA等の診断ソリューションを提供)による収益で、いずれも総売上高の85%前後を占めています。
2021年上半期は前年同期比で83%増加しました。
また、同期間の比較では、製品(イルミナとのライセンス契約によって開発したシーケンシングキットなど)収益は58%増加、デジタル・その他の収益は7%増加という結果です。
2021年6月にも患者向けアプリケーションを取得したり、治療過程の意思決定支援ツールをOrganX社と開発するなど、デジタル分野へ積極的に取り組んでいますが、今のところは直接的な売上には繋がっていないようです。
なお、売上の95%はアメリカから得られたものです。
4. まとめ
ケアディーエックス(CareDx, Inc.)はまだ赤字が続いていますが、売上は順調に増加しており、純損失も減少傾向にあります。
黒字になる期待をもうしばらく持ち続けたいです。
ただ、研究開発費を筆頭に費用も増加しています。
研究開発が重要なセクターなので必要経費でしょうが、各決算・プレスリリースをしっかり見て、動向には気を配っておきたいです。
(ケアディーエックスの事業内容や年度末の決算書分析を行った記事もこちら↓にあります)
今回の記事は2020~2021年のCareDx, Inc.の決算書及び四半期レポート、コーポレートサイトを参考に作成しました。少しでもお役に立てたら嬉しいです。
また、記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。
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