CareDx【CDNA】銘柄分析_臓器移植に伴うケアを提供

米国株の年次決算書・銘柄分析
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今回はケアディーエックス(CareDx, Inc. / CDNA)の決算書(10-K)やニュースについて分析しました。クロの判断は以下の通りです。

  • 安定性(資金繰り)
  • 収益性
  • 経営の効率
  • 成長への期待

それでは見ていきましょう。

1. CareDx, Inc.(CDNA)について

1-1. 業種

バイオテクノロジー、医療用品、健康&メディカル、ゲノム

1-2. 事業の概要

ケアディーエックスは、臓器移植前後の監視・ケアを専門とした検査やサービスを開発、製造、販売するバイオテクノロジー企業です。
移植前のHLAタイピング(ドナーと移植される患者のヒト白血球型抗原の適合性を調べること)の優れたソリューションや、デジタルでの投薬・健康管理アプリなども提供しています。

2005年に最初の商用商品として発売したAlloMap Heart(心臓移植患者向けの血液ベースのテスト。急性細胞性拒絶反応の可能性をモニターするのに役立つ)は、現在米国の90%以上の移植センターで使用されています

また、2018年にイルミナ(ILMN)と契約を交わし、TruSight HLA製品群の独占販売権、またこれらの手法を用いた製品(前述のHLAタイピングソリューションなど)の開発・商業化の権利を得ています。

1-3. チャート

ケアディーエックスの株価チャートはこのようになっています。
コロナ感染拡大の際に一旦値下がりしたものの5月頃には持ち直し、9月にはAlloCareモバイルアプリの発表などで株価は大きく上昇しました。

現在は最高値ではないものの、過去の株価と比較すると高めの水準をキープしています。(2021年4月21日時点)

2. 決算書(10-K)の分析

2-1. 経営の安全性(資金繰り)

  • 貸借バランスは安定タイプ
  • 各比率も良好
  • キャッシュフローは成長途中

2-1-1. 流動資産・固定資産に関する比率

2020年決算書におけるCDNA貸借バランス

(単位:百万ドル)

貸借バランスは“安定タイプ”です。
(貸借バランスのポイントについては、こちら↓の記事で紹介しています)

2020年の流動比率は約400%、当座比率も約380%です。
短期の資金繰りは問題ありません

また、固定比率は約35%なので、全く問題ありません
ただ、これは株式発行(増資)の影響でもあります。
(貸借貸借表の各比率については、こちら↓の記事で詳しく紹介しています)

2-1-2. 資本の比率

自己資本比率は75%とかなり良い数値です。
度々株式発行(増資)を行っている影響ですが、まだ赤字続きなので、資金の確保のためには仕方ありません。
ちなみに2017年は債務超過状態でしたが、2018年以降は改善しています。

2-1-3. キャッシュフロー

キャッシュフローは、営業活動プラス、投資活動マイナス、財務活動プラスという組み合わせです。

本業を含む営業活動が2020年にプラスへ転じました。
本業は赤字で着地していますが、その損失額が抑えられたこともキャッシュフローが改善した要因です。
財務活動がプラスなのは株式発行(増資)によるものです。

フリーキャッシュフローは、まだマイナスが続いています。
(キャッシュフロー計算書の注目ポイントなどを、こちら↓の記事で紹介しています)

2-1-4. 項目まとめ

貸借対照表の内容は良好なので、短期の資金繰りは問題ありません。

キャッシュフローはまだ良い内容とは言えませんが、営業活動がプラスとなったことは良い傾向です。

2-2. 収益性

  • まだ赤字が続いている
  • 赤字額(損失額)は年々減少
  • 2020年、コロナの影響で一時、検査サービス需要が低下
    →遠隔在宅採血を展開
  • 2020年5月頃には検査サービスの提供ボリューム回復

2-2-1. ROE(自己資本利益率)

CDNAのROE(自己資本利益率)推移

まだ赤字続きの状態なので、ROEはずっとマイナスです。
ただ、純損失(赤字)額の減少と自己資本の増加によって、ROEのマイナス値も減少しています。

※2017年は自己資本がマイナス(債務超過)のため掲載していません

2-2-2. ROA(総資産利益率)

CDNAのROA(総資産利益率)推移

ROAもROEと同様で、赤字ではありますが改善傾向です。
2020年は総資本が増加したこともマイナス値を抑える要因となりました。

2-2-3. 項目まとめ

赤字続きなので、まだ収益性があるとは言えませんが、損失額が減少を続けているのは良い傾向です。

コロナ感染拡大によって一時は需要が低下しましたが、2020年3月下旬には経過の監視やモニタリング検査を対象とした、遠隔在宅採血ソリューション”RemoTraC”を発売しました。
すでに150以上の移植センターでのRemoTraC提供が可能となっており、6,000人以上の移植患者が登録しています。

また、ケアディーエックスの提供する検査サービス量は、2020年5月頃にはコロナ拡大前の水準まで戻ったとしています。

2-3. 経営の効率

  • 売上高は増加しているが、株式発行による資本の増加も大きい
    →総資本回転率は足りない数値
  • 固定資産回転率・棚卸資産回転率は上昇傾向

2-3-1. 各回転率

CDNAの総資本回転率、固定資産回転率、棚卸資産回転率

総資本回転率は約0.5回、固定資産回転率は約2回、棚卸資産回転率は約19回です。
総資本から見た売上高はまだ足りない状態です。

株式発行(増資)により総資本が急増したため、2020年の総資本回転率は2019年(約0.8回)よりも下がりました。
固定資産回転率、棚卸資産回転率は、多少上下しつつも上昇傾向にあります。

2-3-2. 項目まとめ

売上高は年々増加していますが、総資本から見ると売上高が足りない状態です。
また、固定資産回転率と棚卸資産回転率は上昇傾向となっています。

2-4. 成長している・していく企業か

  • 売上高は増加を続けている
  • まだ赤字が続いている
  • 最終的な赤字は減少を続けているが営業損失は2019年まで増加
    →その後2020年に減少

2-4-1. 売上高と営業利益

CDNAの売上高推移

売上高は順調に増加しています。

CDNAの営業利益(損失)推移

最終的な純損失額は年々減少していますが、本業に関わる収益と損失のみで見る営業利益・損失は2019年まで増加傾向にありました。
これは主に研究開発費や販売に関する費用が年々増加していること(営業損失の増加)と、営業損失に影響しない”その他の費用”が2019年から減少したためです。

2020年は営業費用の増加額以上に売上高が増加したため、営業損失は減少しました。

2-4-2. 研究開発費

2020年の売上高は約192百万ドル、研究開発費は約49百万ドルだったので、売上高研究開発費率は約26%です。
科学技術・学術政策研究所の調査では※1同規模の従業員数を抱えた米国企業の平均は4.7%とされており、平均の約6倍近い売上高研究開発費率といえます。

※1出典:文部科学省 科学技術・学術政策研究所 科学技術指標2019

2-4-3. 項目まとめ

まだ赤字ですが、売上高が順調に増加している点、2020年に営業費用の増加額より売上高の増加額が上回った点からは、成長へ期待が持てそうです。

売上高研究開発費率も平均の6倍近く、新たな技術の開発に取り組んでいる点も評価できます。

3. まとめ

クロとしては、ケアディーエックス(CareDx, Inc.)は「まだ赤字のリスクはあるが、今後成長の可能性がある」銘柄だと判断します。

売上高が増加を続けていること、2020年に営業損失を減少させられたこと、そしてコロナ感染拡大に対応する新事業(遠隔在宅採血ソリューションRemoTraC)を開始できたことから、今後も事業拡大が期待できそうです。

また、コロナ感染拡大によって一時的に移植患者が病院に行けない状況にはなりましたが、臓器移植に代わる技術が開発されない限り需要がなくなることはない事業であると考えます。

ただ、現状はまだ赤字が続いており、リスクもある銘柄です。

今回の記事はCareDx, Inc.の決算書及びコーポレートサイトなどを参考に作成しました。少しでもお役に立てたら嬉しいです。
また、記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。

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