ビヨンド・ミート【BYND】銘柄分析_食糧不足や環境負担の少ない代替肉を提供

米国株の年次決算書・銘柄分析
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ビヨンド・ミート(Beyond Meat Inc / BYND)の決算書(10-K)分析やニュースについてまとめました。クロの判断は以下の通りです。

  • 安定性(資金繰り)
  • 収益性
  • 経営の効率
  • 成長への期待

それでは見ていきましょう。

1. Beyond Meat Inc(BYND)について

1-1. 業種

食品加工

1-2. 事業の概要

ビヨンド・ミートは、牛肉、豚肉、鶏肉に対応する植物ベースの製品を製造・販売する企業です。
スーパーなどでの販売の他、ファストフード店での導入も増えて来ています。

主力商品はビーフバーガー(パティ)の代替品である”ビヨンドバーガー”で、他にも、ビヨンドソーセージ、ビヨンドビーフ、ビヨンドミートボールなど様々な製品を開発しています。

これらの製品は100%植物由来の成分で製造されていますが、野菜そのものを中心に使用しているわけではなく、例えばビヨンドバーガーの主な成分はエンドウ豆や米のタンパク質成分、キャノーラオイル、ココナッツオイルなどです。

味や食感、見た目などを動物由来の食肉製品に近づけることを重要視しており、牛肉の分子構造の分析を行って食感の再現を試みたり、肉のドリップを再現するためにビーツの色素を使用するなどの工夫を凝らしています。

こういった代替肉は、生産過程での温室効果ガス排出量、水の使用量などの削減が期待でき、環境に優しいとされています。
また、人口増加による食料不足の解決策の一つとなり得ますし、代替肉であれば動物性製品を消費しないヴィーガンでも食べられることなどからも注目されている分野です。
また、ビヨンドバーガーは動物由来の食肉製品よりも飽和脂肪が少なく、コレステロール、グルテンフリーで健康的だとしています。

ただ、様々な加工を経て製造される代替肉は、動物由来の自然な食肉よりも塩分量や添加物が多く、健康面では疑問視する声もあります。

1-3. チャート

ビヨンド・ミートの株価チャートはこのようになっています。
2019年5月にナスダックに上場し、一時は200ドルを超えていました。
しかしその後株価は70ドル近くまで低下するなど、大きな上下を繰り返しています。
特に2021年7月頃からは下降が続き、現在は40ドル程です。(2022年4月15日時点)

2. 決算書(10-K)の分析

2-1. 経営の安全性(資金繰り)

  • 負債による資金調達を行い、多くの現金を保有
  • 自己資本比率は10%に低下
  • 事業は赤字続き

2-1-1. 流動資産・固定資産に関する比率

BYND貸借バランス_2021

(単位:百万ドル)

貸借バランスは”おおむね安心タイプ”です。

流動比率、当座比率ともに非常に高く(800%を超える)ひとまずの資金繰りには問題ありません。
固定比率は247%と高いですが、純資産と固定負債でまかなえているので許容範囲内ではあります。

2-1-2. 資本の比率

自己資本比率は約10%で低い数値です。
転換社債の発行によって負債が急増し、昨年の78%から大きく低下しました。

2-1-3. キャッシュフロー

営業活動がマイナス、投資活動がマイナス、財務活動がプラスという組み合わせで、フリーキャッシュフローもマイナスです。

事業が赤字続きであること、そして在庫が急増したことなどで、営業活動のキャッシュフローはマイナス収支となっています。

また、投資活動では大きな設備投資を行っており、こちらもマイナス収支です。

財務活動では転換社債の発行によって大きな資金調達を行い、プラス収支となりました。

2-1-4. 項目まとめ

決算時点での資産の流動性はありますが、近年は赤字が大きくなってきており、キャッシュフローもマイナス続きとなっています。
この状況が続くと不安な内容です。

2-2. 収益性

  • 2019年度以降赤字が拡大
  • 2021年度は自己資本減少・総資産増加

2-2-1. ROE(自己資本利益率)

BYNDのROE(自己資本利益率)推移_2021

2019年度以降損失額が増加しており、自己資本は減少しています。
2021年度は特にその傾向が強く、ROEは大きなマイナスとなりました。

2-2-2. ROA(総資産利益率)

BYNDのROA(総資産利益率)推移_2021

ROAもROE同様の推移をしています。
ただ、2021年度は負債が大きく増加したため、ROEに比べてマイナスは小さくなっています。

2-2-3. 項目まとめ

売上は増加していますが、損失が拡大しています。
現状の収益性は良くありません。

2-3. 経営の効率

  • 回転率は低めで低下傾向
  • 在庫は増加続き

2-3-1. 各回転率

BYNDの総資本回転率、固定資産回転率、棚卸資産回転率_2021

総資本回転率は約0.3回と低いです。

売上と同時に在庫も大きく増加を続けているため、棚卸資産回転率も製造業の平均よりかなり低い数値となっています。

2-3-2. 項目まとめ

売上の増加以上に資産が膨らんでいるため、回転率は低下傾向にあります。

2-4. 成長している・していく企業か

  • 売上の成長率は鈍化傾向
  • 営業損失は大きく増加
  • 2021年度の粗利率は5ポイント低下
  • 売上高研究開発費率は平均の3倍近い

2-4-1. 売上高と営業利益

BYNDの売上高推移_2021

売上は増加を続けていますが、2021年度は前年比14%という成長率で、少々控えめの数値となりました。
この成長の鈍化について、決算書では、植物由来の代替肉というカテゴリー自体の成長が減速したことなどが理由として挙げられています。

また、2020年度は新型コロナ感染拡大によるステイホームの需要で小売の収益が伸びていましたが、2021年度は次第に減速しました。

なお、小売が売上全体の70%程度を占めており、残りの約30%が外食産業の売上です。
また2021年度は、昨年、新型コロナの影響で売上の減少していた国際(米国外)売上が、大きく回復しました。

BYNDの営業利益(損失)推移_2021

2021年度は営業損失が非常に大きく増えました。

粗利率は昨年の30%から25%に低下しており、各種事業費用も増加しています。
費用が増えた要因としては、人員の増加や、認知度向上のための広告やマーケティング費用などが挙げられます。

2-4-2. 研究開発費

売上高は約464.70百万ドル、研究開発費は約66.95百万ドルだったので、売上高研究開発費率は14.4%となります。
科学技術・学術政策研究所によると※1同程度の従業員規模の平均は5.2%とされており、研究開発費率は平均の3倍近い数値です。

※1出典:文部科学省 科学技術・学術政策研究所科学技術指標2019

2-4-3. 項目まとめ

売上の増加率が落ち着いてきており、原価や営業費用といったコストは大きく増加しています。

研究開発には積極的ですし、食料不足や畜産の環境負荷に対する解決策としては期待できますが、売上などの数値が少々気になる内容です。

3. まとめ

クロとしては、ビヨンド・ミート(BYND)は、一旦購入を見送りたいです。

サステナビリティなどの観点からは魅力的な銘柄ですが、売上の伸びが既に小さくなってきている点が気になります。

また、近年は損失が増加し続け、2021年度は転換社債による大きな資金調達を行いました。
これは自己資本比率の低下を招いており、財務の健全性という点では少々気がかりな部分です。

競合であるインポッシブル・フーズのIPOが論じられることもありますし、もうしばらく様子を見たい銘柄です。

今回の記事はBeyond Meat Incの決算書及びコーポレートサイトを参考に作成しました。少しでもお役に立てたら嬉しいです。
また、記事の内容はあくまでクロの考え・判断を中心に構成されているため、投資の際はご自身の判断の上、自己責任で行ってくださいますよう、お願いいたします。

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